ダカールラリーの競技8日目はサン・フアン・デ・マルコナからピスコに向かう計測区間361km(合計576km)の道のりを、PHスポーツのセバスチャン・ローブが最速で駆け抜けた。しかし総合順位では、トヨタのナセール・アルアティヤが46分以上のリードを築いている。
ローブはステージ序盤にパンクを喫し、ステージ折り返しのウェイポイントでトップのアルアティヤから3分遅れに。それでも後半をハイペースでクリアし、3時間54分53秒でステージを走破した。4時間を切ったのはローブのみである。
■ダカールラリー2019:ローブ、電気系トラブルで30分以上ロス。トヨタのアルアティヤはパンクも首位守る
ステージ2番手はアルアティヤ。ローブとは7分27秒差をつけられたものの、総合2番手にいたX-raid miniのステファン・ペテランセルがトラブルに見舞われたこともあり、アルアティヤのリードは46分29秒まで広がっている。
ペテランセルは、”フェシュフェシュ”と呼ばれるパウダー状の砂に悪戦苦闘。砂丘地帯で2度スタックしてしまい、アルアティヤに対して約24分のタイムロスを喫し、総合4番手まで後退した。
その結果、X-raid miniのナニ・ローマが総合2番手に。ローブはローマと16秒差の総合3番手だ。
2輪部門では、首位に立っていたホンダのリッキー・ブラベックにエンジントラブルが発生。無念の戦線離脱を余儀なくされた。
これで首位に立ったのはトビー・プライス(KTM)。2番手のパブロ・クインタニア(ハスクバーナ)とは1分3秒差と僅差だ。2016年にダカールを制したプライスは、昨年12月中旬のトレーニング中に右手の舟状骨を骨折し、手術をしたばかり。手首が”燃えるように痛い”状態で走行を続けている。
ダカールラリーもいよいよ残り2ステージ。最終日の10日目はピスコからペルーの首都リマに向かう計測112kmと短いため、ピスコ周辺を走行する計測313kmの競技9日目が正念場となるだろう。