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スポーツ 2018.12.30

「最高の家族孝行ができた……」山本尚貴、ダブルチャンピオン達成の裏にあった“特別な想い”

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 2018年のスーパー(GT500)とスーパーフォーミュラの二冠に輝いた山本尚貴。彼にとってはこれ以上ない順風満帆な1年だったが、その裏には常に支え続けてくれた家族の存在があり、そういう意味では山本自身にとっても特別なシーズンとなった。

 山本は2016年にテレビ東京アナウンサーの狩野恵里さんと結婚し、今年2月には双子の女児が誕生。関係者やファンの間では“二児の父親”として注目されることが多かった。しかしその一方で、実は「家族との別れ」も経験していた。

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 実はふたりの子どもが誕生した数日後に、父方の祖母が他界。山本が幼少期にカートを始めた頃から熱心に応援してくれていた存在で、地元栃木県で開催されるレースには欠かさずサーキットに来て、その走りを見守っていた。スーパーGTでジェンソン・バトンとコンビを組むことが発表された際も、一番喜んだという。

「今年、スーパーGTでJB(ジェンソン・バトン)と組むことが決まった時、その事をいちばん喜んでくれたのが、父方のおばあちゃんでした。『F1のチャンピオンと組めるなんてすごいね!』と言ってくれて、(新コンビでのデビュー戦となる)今年の開幕戦もすごく楽しみにしてくれていたんです……」(山本)

 孫が元F1王者と組んでスーパーGTで戦う姿を見たいーー。しかし残念ながら、その願いは叶わなかった。

 小さい頃から“おばあちゃん子”として育った山本。この別れに対してのショックも大きく、シーズン開幕前は精神的に辛い日々を過ごしたという。しかし、ずっと応援してくれた祖母のためにも、今年は何としても結果を出したいと決意を固めた。

 迎えた4月のスーパーGT開幕戦岡山。山本は左腕に喪章をつけて参戦した。“ずっと応援してくれたおばあちゃんのために良いレースをしたい”。その想いを胸にアクセルを踏んだ。しかし、結果は僅差での2位だった。

 祖母に勝利をプレゼントしたかったという山本は「もっと頑張らなきゃいけない」とさらに自分を追い込み、2週間後のスーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿で見事優勝を飾った。

 自身としては2年ぶりの勝利ということもあったが、表彰式では何度も空を見上げ、涙を浮かべながら何か思いを馳せる仕草を見せた姿が印象的だった。

 これで勢いに乗った山本は、スーパーフォーミュラ第3戦SUGOでも優勝。最終戦の鈴鹿ではニック・キャシディ(KONDO RACING)との一騎打ちを制し、逆転でシリーズチャンピオンを勝ち取った。

 一方、スーパーGTでも山本はバトンやチームとともに快進撃が続けた。第6戦SUGOで優勝しランキングトップに浮上すると、最終戦もてぎでもライバルの#1 KeePer TOM’S LC500の先行を許すことなく3位でチェッカーを受け、念願の初チャンピオンを獲得。14年ぶりとなる日本の最高峰レースWタイトル独占の快挙を成し遂げた。

 その舞台は、山本の地元であり、祖母が眠る宇都宮市からほど近いツインリンクもてぎだった。

「最高なプレゼントを贈ることができたなと思います。できれば……もう1年(タイトルを獲得するのが)早ければ、直接チャンピオンを獲得する瞬間を見せられたので、心残りといえば心残りです」

「きっと、おばあちゃんはJBと組んで活躍している僕の姿を誰よりも観たかったと思います。それを直に見せられなかったのは残念ですけど、最終戦の舞台はもてぎだったので、本当にすぐ近くで見てくれていたのかな……見せられたのかなと思います」

「(SFでのチャンピオンを獲得した時も)天国から見守ってくれて、力を貸してくれたのかなと思う瞬間がいっぱいありました。チャンピオンを獲得して安心させてあげたかったし、喜ばせてあげたかったです……早くお墓の前にいって報告したいですね」

 そう語った山本。改めて、祖母との別れがあったことで気付かされたことも多く、自分が国内最高峰レースで活躍する姿を見せられたことにより、“家族孝行”ができたと語った。

「この事で気づかせてくれたことがたくさんあったし、与えてくれた力もたくさんありました。今は近くで支えてくれる家族や親戚がいますが、今だから出来ることをちゃんとしてあげたいなと思うことができました」

「母方の祖母はまだ元気で、GTの最終戦もサーキットまで応援に駆けつけてくれていました。こうしておばあちゃんが観ている目の前でタイトルを獲得でき、天国で見てくれている父方の祖母に対しても、いい“おばあちゃん孝行”ができたのかなと思います」

「あと、子供が生まれた年に(国内最高峰レースで)ふたつのタイトルを獲得することができて……娘たちが将来、物心がついた時に『君たちが生まれた年にお父さんはふたつの国内最高峰レースで日本の頂点に立ったんだよ』って、言えるということは本当に幸せだし、素晴らしいことだと思います。本当に最高の1年でした」

 シーズン終了直後はF1挑戦したいという思いを明かし、注目を集めた山本。この決断をする時も家族とじっくり相談をしたそうだが、その時に改めて家族がサポートしてくれることを実感できたという。

「(F1挑戦の可能性が出てきた時も)本当に悩みましたが、それでも家族は僕の背中を押してくれましたし、夢を追いかける姿を応援したいと言ってくれたのは嬉しかったです」

「正直……このF1の話がなければ、妻や家族の気持ちを、ここまでじっくり聞く機会がなかったかもしれません。これからの話がどういうふうになっていっても、身近にバックアップしてくれる人がいるんだなと思えて、すごく貴重な経験ができました」

 昨年までと比べると見違えるような力強い走りで、国内Wタイトルを獲得した山本。もちろん、これまでの彼の努力が実を結んだ1年ではあるが、こうした“家族の支え”や“家族への想い”も原動力のひとつになっていたことは間違いないだろう。

 きっと、山本自身にとっては“Wタイトル”という記録以上に、記憶に残る特別なシーズンとなったはずだ。

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(motorsport.com 日本版 吉田知弘)

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