2018年シーズンをもってMotoGPライダーとしての活動に終止符を打ったダニ・ペドロサ。18年という長きにわたりペドロサが歩んだ、ロードレース世界選手権ライダーとしての軌跡を追った。第1回目は世界選手権デビューから、250ccクラスで連覇を果たした2005年までをお届けする。
1985年にスペインのカタルーニャで生まれたペドロサが、初めてバイクに乗ったのは4歳のときだった。以降、11歳で地元のポケバイ選手権に参戦。ただ、一時は資金面の問題で自転車レースへの転向を考えていたという。しかし、テレフォニカ・モビスターの支援によりレース活動を継続させ、14歳のときスペイン人ライダーを対象としたライダー養成プロジェクト、モビスター・アクティバ・カップに選出された。
“小さな巨人”ペドロサ「MotoGPマシンに乗るのは無理だと思っていたが……」/特別インタビュー後編
15歳となる2000年にはスペイン選手権に参戦。このときペドロサを抜てきしたのが、テレフォニカ・モビスター・ジュニアチームのマネージングディレクターだったアルベルト・プーチだ。以降、ペドロサとプーチは長きにわたって師弟関係を築くことになる。
2001年、ペドロサはそのテレフォニカ・モビスター・ジュニアチームからロードレース世界選手権125ccクラスデビューを果たす。マシンはホンダのRS125R。このときのテレフォニカ・モビスター・ジュニアチーム同期には、2010年Moto2チャンピオンのトニ・エリアスなどがいた。ペドロサはこの年、バレンシアGPとツインリンクもてぎで行われたパシフィックGPで3位表彰台を獲得し、世界選手権デビューシーズンをランキング8位で終えている。
2002年もペドロサは125ccクラスに参戦。この年のオランダGPで初優勝を飾り、シーズンで3勝を挙げてランキング3位となった。そして翌2003年、125ccクラス3シーズン目を迎えたペドロサは、第2戦南アフリカGPでの優勝を皮切りにフランスGP、カタルーニャGP、チェコGP、マレーシアGPで勝利し、ついに125ccクラスのチャンピオンに輝いた。
しかし、チャンピオンとなった2003年マレーシアGPの翌戦、オーストラリアGPのフリー走行中に転倒。タイヤバリヤに激突して両足首の骨折を負い、オーストラリアGP決勝レースと最終戦バレンシアGPを欠場した。
■2004年、250ccクラスに昇格。クラスデビューレースの勝利は忘れられないものに
2004年、ペドロサは250ccにステップアップ。チーム・テレフォニカ・モビスター・ホンダ250から、ホンダRS250RWを駆って参戦した。このときチームメイトだったのが、現在Moto2クラスのイデミツ・ホンダ・チーム・アジアとMoto3クラスのホンダ・チーム・アジアで監督を務める青山博一。ペドロサと青山はプーチの下で指導を受けながら、チームメイトを超えた友情を育んだといわれている。
このシーズン、ペドロサは250ccクラスのデビューレースである開幕戦南アフリカGPで優勝を果たした。12月14日掲載の『現役引退のペドロサが明かす胸中。「いつか必ずタイトルを獲れると信じていた」/特別インタビュー前編』のなかで、このレースがペドロサにとって“一番うれしかったレース”だと語っている。
その詳細はインタビュー記事に譲るが、前述のとおり2003年オーストラリアGPで両足首を骨折したペドロサは、125ccマシンから250ccマシンへの乗り換えに重要なオフシーズンを、満足な形で過ごせなかったという。そんななかで上がった表彰台の頂点だった。ペドロサはこの年、全16戦中7勝を挙げ、実に13度もの表彰台を獲得。250ccクラス初年度にしてタイトルを手にした。
翌2005年も250ccにとどまったペドロサ。このシーズン、同クラスにはケーシー・ストーナー、ホルヘ・ロレンソ、アンドレア・ドヴィツィオーゾといった、現在もMotoGPで活躍する顔ぶれがそろっていた。ペドロサはこの年8勝を挙げ、アプリリアのストーナーが5勝。ほぼこのふたりで星を分け合う形となったが、全16戦中11戦で表彰台に上ったペドロサが250ccクラスで連覇を果たした。
そして2006年、ペドロサはロードレース世界選手権最高峰クラスである、MotoGPクラスにステップアップすることになる。
ダニ・ペドロサ 2001年~2005年リザルト
シーズンクラス参戦数優勝2位3位表彰台獲得数ポールバイクポイントランキング2001125cc1600220Honda10082002125cc1633396Honda24332003125cc1451063Honda22312004250cc16751134Honda31712005250cc16830115Honda3091
ペドロサがMotoGPで歩んだ軌跡【2】へ続く
■引退特集:ダニ・ペドロサ
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