日産GT-R陣営にとって厳しい1年となった2018年のスーパーGT。ファンから寄せられる期待に応えるため、復活を目指す戦いはすでに始まっている。
今シーズン、2015年以来のタイトル奪還を目指した日産。#23 MOTUL AUTECH GT-Rが昨年の最終戦で優勝した勢いのまま第2戦の富士でも勝利し、順調なスタートを切ったかに見えた。しかし最終戦もてぎを迎えた段階で陣営4台のうち1台もタイトル争いに残れないという、悔しいシーズンとなってしまった。
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「まず応援してくれた日産ファンに対して、期待に応えられず申し訳ないという気持ちでいっぱいです」
日産系チームの田中利和総監督は、シーズンを振り返ってそう語った。
「昨年はクルマの面で非常に苦労しました。でもシーズン中にできることをやって、最終戦で#23 MOTUL AUTECH GT-Rがポール・トゥ・ウィンというこれ以上ない形でシーズンを終えられました」
「今年は、クルマの戦闘力が足りていなかったということで開発を進めて、昨年より良い状態でスタートを切れたと評価していました。第2戦の富士で勝てたことで、やってきたことが間違いじゃなかったという確認もできました」
だが、第3戦鈴鹿ではホンダNSX-GT勢が予選で圧倒的なタイムを記録。レクサスLC500勢も決勝で強さをみせるなど、徐々にマシンのパフォーマンス差が出始めた。シーズン終盤に向けギャップを縮めていった昨年とは異なり、今年はその差が開いていってしまったようにも見えた。
さらに、第4戦タイでは#12 カルソニック IMPUL GT-Rと#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが接触。ボーナスポイントがつく第5戦の富士500マイルでは12号車がレースを支配しながらも、インタークーラーのホースが抜けるというトラブルに見舞われるなど、悪い流れは止まらなかった。
「鈴鹿ではホンダ勢が驚異的なタイムで予選上位を独占したり、他社が我々以上に速さをつけてきていたというのが鈴鹿くらいの時期でした」
「その次のタイはハードウェア以外のミスが起き、陣営内で接触してポイントを失いました。富士では12号車がほぼレースを支配していましたが、本当に小さな部品のトラブルで優勝を逃しましたし、SUGOも勝てたレースでした」
「このGT500は、プロフェッショナルな15台の戦いなので、少しの違いが最終的に大きな差になります。シーズンを通して、安定して実力を発揮できたチームが一番上に行くというレースです。そういう意味で行くと、ハードウェアの実力が足りなかったことが一番大きな敗因ですが、それ以外にもっと改善できるところもあると感じたシーズンでした」
ニスモは、車両を開発しサテライトチームに供給、自らもワークスチームとしてスーパーGTに参戦しているが、まずは”勝てるクルマ”を用意することが至上命題だ。
近年のスーパーGTは、DTMとのレギュレーション統合を目指す中で、車両開発に関する制限が厳しくなっており、開幕時点の車両の仕上がりは非常に重要となっている。ホンダ勢やレクサス勢との差を埋めるためには、短いオフシーズンを最大限に活かす必要がある。
「今のレギュレーションの難しさも感じています。以前はシーズンを通して開発ができましたし、開発領域も広かった。だからシーズン中に追いつくことができましたが、今は一回出遅れると追いつくのが難しくなっています」と、田中総監督は話した。
「ニスモにはいろんな側面がありますが、開発チームが4チームに競争力のあるクルマを提供するというのが一番最初の仕事です」
「シーズン中に投入できるアイテムは限られていますけど、次のシーズンに向けた開発はシーズンが終わるよりも前からスタートしているので、オフのテストでその成果を確認します。期間も領域も限られている中で、今年の反省を踏まえて、来年に向けて他社に追いつけるようにやっていかなければいけません」
先日のNISMO FESTIVALでは、ニスモの片桐隆夫社長が聖域を設けず、挽回を目指すとコメント。その後、富士スピードウェイでGT500クラスのドライバーオーディションテストが実施された。当サイトでも報じたように、海外からの有力ドライバーもこれに参加しており、大幅なドライバーラインアップ変更もありうるのではないかと噂されている。
田中総監督も”様々な取り組み”を通じて体制を整え、チャンピオン争いをできるようにしたいと意気込んだ。
「レースではタラレバを言ってはいけないですけど、ちょっとしたミスがなければまたちょっと違う最終戦になっていたのかもしれないと思うと、残念な面はあります」
「ハードウェア以外の課題についても、このシーズンオフにいろんな取り組みをして、必ずチャンピオンを争えるように戻ってこないといけないと思います。それがファンが期待していることだし、僕らはそれに応える義務があると強く思っています」
毎戦スタンドにファンが集まり大応援団が出来上がる日産。その期待に応えるためには、この冬が勝負所となってくる。
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