メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウルフは、今季はダブルタイトルを獲得したものの、非常に厳しい”精神的なストレス”がかかったシーズンだったと語った。
2014年に現行のV6ターボエンジン+ハイブリッドシステムのいわゆる”パワーユニット”が導入されて以来、メルセデスは最強の名を欲しいままにしてきた。事実、ドライバーズタイトルもコンストラクターズタイトルも、5年連続で全て彼らが手にしてきた。
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しかしながら今季は、息を吹き返したフェラーリにシーズン序盤は苦しめられ、後半はレッドブルに屈するレースもあった。
「2018年には、多くの浮き沈みがあった」
ウルフ代表は、英国・ロンドンで行われたオートスポーツ・アワードの授賞式でそう語った。メルセデスのマシンW09は、同アワードでレーシングカー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、ウルフ自身も最優秀監督に贈られるジョン・ボルスター賞を受賞したのだ。
「マシンや我々のチームが十分に良いモノになっているかどうかは、ずっと明確ではなかった。2~3レース苦戦した後で我々は勝利を収め、さらにその後でフェラーリが復活した」
「シーズンの終盤には、突然レッドブルが強さを発揮し始めた。それは肉体的なストレスに加え、精神的なストレスももたらすことになった。本当に厳しいシーズンだった」
ハミルトンは、チャンピオンを決めた後連勝してシーズンを終えた。しかしブラジルGPの勝利は、首位を走っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、周回遅れのエステバン・オコンと接触し、後退したことによって転がり込んできたもの。最強だからこその”連勝”だとは言い切れなかった。
しかもフェルスタッペンは、シーズン後半戦だけを見れば、ハミルトンに次ぐポイント数を獲得している。もし、レッドブルの新パートナーとなるホンダが、来季高パフォーマンスのパワーユニットを用意することができれば、フェルスタッペンはタイトルを争う可能性が高いと、早くも示唆されている。
しかしウルフはこれに異を唱える。来季はオーバーテイクの促進を目指して空力のレギュレーションが変更されるため、その影響によっては勢力図がどうなるかは分からない。そのためウルフは、ひとつの可能性だけを考えているわけではないと語る。
「レギュレーションは全く新しくなる。だから、より多くのチームでの混戦になる可能性もある。誰かが、ロス・ブラウンが2009年にやったように、抜け穴を見つけ出すかもしれないからね」
2009年、前年までのホンダF1を引き継いだブラウンGP(その翌年にメルセデスがこのブラウンGPを買収し、現在のメルセデスF1に繋がっている)が、開幕戦から圧倒的な速さを見せ、ジェンソン・バトンが最終的に王者となった。このブラウンGPの最大の武器がダブルディフューザーで、他チームよりも強力なダウンフォースを効率的に生み出すことに成功。その優位性を存分に活かした。
このダブルディフューザーは、当時のレギュレーションの”抜け穴”を突いたモノであり、トヨタなどもこれを搭載して高い戦闘力を誇った。その時と同じようなことが起きるのではないかと、ウルフ代表は懸念しているのだ。
「どうなるかは誰にも分からない。しかし、混戦のグリッドとなるのは、いつでも良いことだ。そして、オーバーテイクがより容易になることを願っている。まずは数カ月後、結果を見てみようじゃないか」
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