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スポーツ 2018.12.4

スペイン人ライターのF1便り:レッドブルとホンダはいかにして常勝軍団に上り詰めるのか

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 スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアのモータースポーツコラム。2019年に手を組むレッドブルとホンダは、いかにしてメルセデス、フェラーリと戦える常勝軍団に上り詰めるのだろうか。

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    レッドブル・ホンダF1に期待を寄せるフェルスタッペン。「新たな一歩を踏み出せる」

 レッドブルとホンダの名前をモータースポーツに関連づけて考えるとき、必然的に近年または昔の成功について思い起こすことになる。しかし過去数シーズンは、両陣営とも常勝街道に戻ることができていない。

 レッドブルは優れたマシンがあるのにルノーのエンジンパワーが不十分な一方、ホンダはパワーユニット開発を助けてくれる強力なパートナーに欠けていた。リソースは問題にはならなかったが、人生ではしばしばそうであるように、適切なパートナーがいなければどこへも進めないのだ。

 そして皮肉なことに2017年限りでホンダと別れたマクラーレンがルノーがパートナーとなり、一方レッドブルがホンダと組む道が開けた。たとえそれがまずトロロッソを通じた移行の年を経なければならなかったとしてもだ。

 2018年シーズンを通してホンダとトロロッソの関係を我々は見てきてが、来年に向けて明るい兆しを感じる。レッドブルとホンダにはリソースとノウハウがあり、来年のコンビはより早い進展を見せることになるだろう。


 しかし、もっと興味深いのは、我々が2019年に目にする、F1におけるレッドブル運営の合理化だろう。

 すでに勝てるチームである彼らは、現時点で強力かつ効率化されるように見える。過去2シーズンでは優位に立っていたメルセデスとフェラーリだが、彼らが一対一で対決する日々は終わりを告げるかもしれない。

 レッドブル・ホンダが優勝争いをするうえで重要な点がいくつかある。まず最も大きな変化は、2019年にF1では重要なレギュレーション変更があるということだ。それは2017年の時ほど急進的なものではないが、それでもかなり大きな変化ではある。なぜなら近年のF1で重要な要素のひとつである複雑なフロントウイングの簡素化が含まれているのだ。

 大きな変更は常に序列を一新する新たなチャンスをもたらす。だがエイドリアン・ニューウェイは特にこうした状況を得意とする。良い例が、2009年に彼がレッドブルRB5を勝てるマシンに作り上げたやり方だ。

 08年までのレッドブルは、タイトルを争うことができていなかった。マシンは、もともとはダブルディフューザーを備えていなかったものの、09年には突如としてブラウンGP並に競争力のあるマシンになりランキング2位となった。そして2010年以降の4連覇を達成する礎となったのだ。

 このことは基本的に、2019年のレッドブルRB15が特に強力なマシンになるチャンスがあることを意味している。またホンダがトロロッソと1年以上にわたって仕事をしていたため、レッドブルはホンダのパワーユニットに合わせてマシンを設計するのに必要不可欠な情報を、すべて持ち合わせていることは明白だ。統合は簡単だろう。そのことを証明するために、実際にマシンをコースで走らせる必要があるとしてもだ。

 ホンダにとっても2019年は重要な年だ。なぜなら2015年のF1復帰以来初めて、彼らは4台のマシンをコースに送り出すことになるのだ。それだけでなく、レッドブルはトロロッソのシャシーの指針について興味深い変更を発表している。

 数年にわたり、レッドブルとトロロッソは非常によく似たシャシーを使用している。数年前、トロロッソの元ドライバーであるハイメ・アルグエルスアリと話した時、彼は2009年のトロロッソSTR4は、基本的にレッドブルのRB5をリブランドしてフェラーリエンジンを搭載したものであったことを認めている。

 この理想的なシャシーの共有は、FIAがトロロッソにシャシーを自作するよう命ずるまで続いた。レッドブルはフェラーリとハースの関係性から着想を得ており、2019年にはこの状況は変わるだろう。

 ハースはレギュレーションが許す範囲ですべてのパーツをフェラーリと共有している。そして情報も共有しているため、フェラーリとハースのマシンは非常によく似ている。トロロッソも来年は同様のことを行い、STR14は兄弟車のレッドブルと似たものになるだろう。

“レッドブル+トロロッソ”の計画の意味するところは、非常によく似たマシンができるだけでなく、2チームが情報を柔軟に共有することで、彼らは予想するよりも早い進歩を遂げる可能性があるのだ。

 レッドブルとトロロッソはふたつの異なるチームだが、技術的な面で4台のマシンを持つひとつのチームとして運営できる狙いがある。

 優れたエンジニアリングチームがあれば(そして両チームがそれを持っていることを我々は知っている)、シャシーの力を存分に引き出すだけでなく、エンジンの実装を改善し、ホンダがさらに強力なパワーユニットを開発できるよう支援することが可能だ。ホンダにとって2019年は技術面において夢がかなったようなものだ。最高のパートナーと4台のマシンがコースを走るからだ。

 また、向上するのはシャシーとエンジン面だけではない。ドライバーラインアップもより効率化されることになる。

 最近のシーズンでは、レッドブルのダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンの存在は理想的だった。マシンとルノーPUの組み合わせではタイトル争いには至らなかったものの、ふたりの強力なドライバーを揃えていることは最良の選択肢だった。彼らはお互いにプッシュし合い、チームを前進させた。

 しかしこれからはメルセデスとフェラーリに挑む時であり、フェルスタッペンをチームに残留させたことは理想的な選択だろう。インテルラゴスでは接触したエステバン・オコンに対し感情の爆発があったものの、フェルスタッペンは明らかに成熟の兆しを見せている。


 フェルスタッペンの最近の調子を見ると、落ち着いた冷静なドライバーになっており、まだ激しい性質をコントロールし続ける必要はあるものの、ルイス・ハミルトンやセバスチャン・ベッテルと戦う用意はほぼできている。

 フェルスタッペンの隣に控えるのはピエール・ガスリーであり、前途有望な彼は2017年にはスーパーフォーミュラのタイトルを獲得寸前だった(※最終戦が台風により中止となってしまった)。彼が速いことに疑問の余地はないが、彼はレッドブルのような強力なチームでの経験が浅く、適応する時間が必要になるだろう。

 それでも私はガスリーが最終的にフェルスタッペンを負かすことができるのかどうか知りたいと思う。もしかするとガスリーは、バルテリ・ボッタスのようになる可能性が高いのではないかと感じている。戦える優れたセカンドドライバーだが、“マッドマックス”と同じレベルになることは難しいドライバーだと思うのだ。

 また、トロロッソのラインアップも刷新する。2017年にレッドブルから放出したダニール・クビアトをまた受け入れるということに議論の余地はあるものの、非常に賢い選択ではあるだろう。

 クビアトはフェラーリのシミュレータードライバーとして1年を過ごし、多くの重要な情報を頭に入れ、勝てるマシンの感触を理解している。フェラーリエンジンとシャシーについてのクビアトの個人的な経験は、レッドブルとホンダが彼らのパッケージをさらに向上させるのに役立つだろうから、彼はより不可欠な存在になり得る。

 もうひとりのドライバー、アレクサンダー・アルボンの実力は謎である。一度レッドブル・ジュニア・プログラムから外され、今回のトロロッソ起用によりレッドブルから“救済”されることとなった。しかし、GP3ではシャルル・ルクレールとタイトルを争い、今年のFIA F2ではラッセル、ノリスとタイトルを争っており十分な才能を持っていることは確かだ。

 レッドブルとホンダがともに仕事を始めるのは2019年になってからだが、現実には彼らはチャンピオンシップを制覇できるチームの基盤をすでに築き始めていると、私は警告しておく!

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