ウィル・スミスとの”普通じゃない”レース前。ハミルトン「いつもとは完全に違った」けど、アブダビGPを完勝

　今季のF1王者であるルイス・ハミルトン（メルセデス）は、自身のゲストとして、ハリウッドスターのウィル・スミスをアブダビGPに招いた。そしてふたりは、レースへの準備をする時間帯に、ビデオを撮影。ふたりはガレージで、揃いのレーシングスーツとヘルメットを身に纏った。そしてハミルトンはレースに挑んだ。

　ハミルトンはポールポジションからスタートし、レースをコントロール。アブダビGPを完勝した。しかし彼は、いつもはレースに向けて準備する際には、極力冗談などを言わないように注意しているという。

「今週は、型破りな週末だった」

　ハミルトンはそう語った。

「昨日の朝、FIFAとソニーと共に、撮影をした。でも今朝は、ウィルと共にそれをしたんだ」

「ウィルは本当の意味で”ハイプマン”なんだ。彼は本当に盛り上げる。たくさんのエネルギーを生み出すんだ。僕にとっては偉大な兄弟のような人だ。クルマに乗る前、10分ほど撮影をしたりした」

「楽しく撮影していたけど、初めてのことだった。通常なら、レースに向けた準備をしている段階だからね」

「だから僕は少しだけ『うーん、僕のいつものパターンが完全に変わってしまった』と思いながらレースに挑んだ。もし普通のようにリラックスした時間だったらってね」

「でも、僕は素晴らしいスタートを切ることができたし、その後は本当に普通だった」

　アブダビGPを制したことで、ハミルトンは今季の勝利数を11まで伸ばした。フェラーリの勢いが増した中でも、自身最高タイの年間勝利数だ。

　ハミルトンは従来のF1ドライバーの行動を、逸脱し続けている。しかし彼曰く、”完璧だけ”を求めているわけではないという。

「それは、僕らがチームとして努力していることだ」

　そうハミルトンは語った。

「今年1年、僕らは本当に優れた仕事をしてきた。彼らと仕事をし、そして年の終わりを良い形で迎えることができるのは、とても名誉なことだ」

「良い結果でシーズンを終えることができ、嬉しい。セブ（セバスチャン・ベッテル）は、レースを通じて本当にうまくドライブしていた。素晴らしい周回も何周かあった。終盤には風が吹き荒れ、厄介だった。でも、それは誰にとっても同じだったと思う」