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スポーツ 2018.11.16

F1技術解説ブラジルGP(1):ともに最悪の事態を免れたメルセデスとフェラーリのパワーユニット

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 F1第20戦ブラジルGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン。実はレース中に繰り返し、チームに対してパワーユニットの不調を訴えていた。

「まだチェッカーまではかなり長いのに、全然パワーがない。このままだと首位キープは不可能だよ」(この時点ではまだ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに首位を奪われていなかった)

    「リカルドはフェルスタッペン優先のレッドブルを離れたかった」とルノーのプロスト

 排気管の問題で、ICE(エンジン本体)は許容温度をはるかに超える状態だったのだ。メルセデス製パワーユニットを開発・運営するHPP(メルセデスAMGハイパフォーマンスパワートレインズ)のエンジニアですら、「エンジンは次の周まで、持たないかもしれない」と言っていたと、トト・ウォルフはレース後に緊迫した内幕を明らかにした。

「それはどういうことなんだと、私は思わず言葉を荒げたよ。そんな事態は、幸い回避できた。エキゾーストパイプは破壊される寸前で、温度は急上昇していたけどね。エンジン回転を押さえることで、限度ギリギリでオーバーヒートを抑えたんだ。1000℃以上あったのが、980℃まで下げることができた。それでもまだ十分高かったが、次の1周を何とかこなし、さらにもう1周もというふうに周回を重ねて行った。文字通りの綱渡りだった」

 ハミルトンのエンジンは回転数を下げるだけでなく、混合気(ガソリンを霧化して空気と混ぜた気体)もできるだけ濃くすることでエンジン内部を少しでも冷やす対策が取られた。

「できる限りの手は尽くしたとはいえ、壊れる寸前だったパーツが何とか持ちこたえた理由は、私にはまったくわからない。神の恩寵だったとしか、言いようがないね。チェッカーを受けるまでは、1周1周が悪夢のようだったよ」

 一方フェラーリも、無傷ではなかった。決勝レーススタート直前、セバスチャン・ベッテルがガレージを出てコースを走り出してすぐに、エンジン本体のセンサー故障が見つかった。交換も修理する時間もなく、レースに向けては極力負荷のかからないエンジンマッピングを採用するしかなかった。おかげでエンジンが壊れる最悪の事態は免れたものの、ドライバビリティやブレーキング時の安定性はかなり犠牲になってしまった。

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