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ニック・キャシディ、惜しくもタイトルならずも「全てを出し切った。自分たちの戦いを誇りに思う」/スーパーフォーミュラ最終戦

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ニック・キャシディ、惜しくもタイトルならずも「全てを出し切った。自分たちの戦いを誇りに思う」/スーパーフォーミュラ最終戦

 KONDO RACINGのニック・キャシディは、スーパーフォーミュラ最終戦第17回JAF鈴鹿グランプリを2位で終え、惜しくも今年のドライバーズタイトルを逃した。しかし、全てを出し切った戦いを誇りに思うと話した。

 ドライバーズランキング首位でこの最終戦を迎えたキャシディは、金曜日の記者会見では「今週末もミスのない週末にしたい。ベストを尽くす」と話していた。

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 土曜日の予選ではランキング3位で鈴鹿に乗り込んだ山本尚貴(TEAM MUGEN)にポールポジションを奪われ、キャシディは4番手に。そして決勝レースでは、その山本とは違ってミディアムタイヤでスタートし、レース後半まで引っ張ってポジションを上げた。

 残り周回が10周を切ると、ソフトタイヤに履き替えたキャシディは山本よりも速いペースで走行を続け、毎周ギャップを縮めた。最終ラップには両者の差は0.8秒にまで縮まったが、キャシディはわずかに及ばず2位でレースを終えた。

 レース後のインタビューでは落ち込んだ様子を見せたキャシディ。ただ、金曜日に話していた通りベストを尽くしたレースを戦い抜くことができたと語った。

「(2位という結果には)がっかりだ。だけど彼(山本)はチャンピオンにふさわしい。今年、僕たちは何度も素晴らしいバトルをした」

「僕はまだスーパーフォーミュラで2年目で、F3を離れたのも遠い昔の話ではない。彼が(スーパーフォーミュラで)チャンピオンシップを勝ち獲ったのも見た。だけど今では、彼に対して大きな敬意を持って、僕も彼とレースをしている」

「レースでは、自分の持っているものを全て出した。金曜日の専有走行の後、週末に向けてチームと話し合いをした。僕は自分が抱えている問題も、自分たちの状況も理解していた」

「今週末は戦うことをやめなかった。(タイトルを獲得する)チャンスがあったし、予選でも持っていたものを全て発揮した。鈴鹿でのベストレースができただろう。たった1ポイント足りなかったけれど、僕は自分たちの戦いを誇りに思う」

 しかし彼は、このレースに対する感想として“がっかりしている“という感情が大部分を占めているわけではないと話した。

「もしパフォーマンスを発揮できずに14位でレースを終えていたら、がっかりしていただろう。でも良いショーを見せることができたし、自分のパフォーマンスを示すことができた。それを誇りに思うこともできるし、胸を張って堂々と歩くこともできる」

 またレースの戦略については、自分自身でミディアムタイヤでのスタートを決めたのだと明かした。

「エンジニアはソフトタイヤでスタートするよう強く勧めてきた。もちろん僕はそれを理解していたけれど、朝のフリー走行を走った時に、両方のタイヤのフィーリングがとても良かった。フリー走行の終盤にはミディアムで1分41秒1、41秒2というタイムをマークできた」

「でもシフトダウンする時に問題があったので、ミディアムタイヤでの(正確な)ペースを見せることができなかった。だけど『自分はミディアムタイヤを履いて、ソフトタイヤを履いているマシンと同じタイムを出せるはずだ』と言ったんだ。力強いレースができると思ったので、ミディアムタイヤでスタートして、スタート時は上位陣についていこうと思った」

「最大の心配は、レースのほとんどをソフトタイヤで走ろうと試みるドライバーがいるかもしれないことだった。後方のドライバーがミディアムタイヤでスタートして、8周目にピットに入らないかと心配していた。だから7周目以降は常に(無線で)『誰がピットインしたの?』と訊いていた」

 キャシディは、レースの折り返しを過ぎた29周目にタイヤ交換を行ってソフトタイヤに交換した。KONDO RACINGは迅速なピット作業を行ったものの、ここで山本を逆転することはできなかった。

 前述の通り、山本よりも良いペースで周回を重ねてキャシディだったが、彼は山本よりも時速6~7kmほどストレートスピードが不足しており、他のトヨタ勢も同様にスピード不足に直面していたという。

「スピードトラップをチェックしてみればわかると思う。ラスト5周で(山本の)後ろについて、彼のトウ(スリップストリーム)を使い始めた。それでもまだ時速6km足りなかった」

「だけど僕は他のトヨタのドライバーほど悪くなかったし、問題のあるエンジンを使っていたわけでもないようだ。他のドライバーはこれ(スピード不足)を埋め合わせるためにダウンフォースを削って走ることを選んでいたけれど、それは理想的な状況ではない」

 スーパーフォーミュラ参戦2年目にして、最終戦までタイトル争いをリードする実力を遺憾なく発揮したキャシディ。彼が2位、チームメイトの山下健太が3位に入賞したことで、KONDO RACING初となるチームタイトルを獲得した。惜しくもドライバーズタイトルには手が届かなかったが、チームを率いる近藤真彦監督は「ニックはよく走ってくれました」と彼を讃えた。

 今年は2週間後にスーパーGTの最終戦を控えており、まだシーズンは終了していない。少し気が早いようだが、キャシディに2019年の活動について尋ねると、”まだ決まっていない”と答えた。

「この4年間、僕はドライバーとして大きく成長した。昨年はスーパーGTで大きく飛躍したけど、今年はスーパーフォーミュラで自分のパフォーマンスをより発揮できた。それを誇りに思うし、他の人たちもそれに気がついているだろう」

「今は将来についてたくさんの人と話をしている。世界で最速のマシンのひとつに乗って、日本でレースができてとても満足だ。でも、来年何をするのかについてはまだ決まっていない」

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