ドライバーズランキング首位でスーパーフォーミュラ最終戦第17回JAF鈴鹿グランプリを向けたニック・キャシディ(KONDO RACING)は、たとえ予選がうまくいかなくても、競争力を発揮できるマシンがあるのでタイトル獲得を諦めることはないと語った。
金曜専有走行を8番手で終えたキャシディは、他のマシンと比べてペースが遅く、十分な速さがなかったセッションだったと振り返った。
いよいよ最終決戦。キャシディ、石浦、山本がそれぞれの胸中を明かす
「(フリー走行は)良くなかった。前回のレースがウエットだったので、多くのドライバーが新しい(ソフト)タイヤでコースへ出て行った。そのタイヤのベストラップは最初の周だった」
「WTCRのマシンが走った後だったので、路面には砂が散らばっていた。だから最初にコースへ出て行くマシンにとっては良くない状況だ。ガレージで5分待てば、もっと速く走ることができただろう」
「セッション中盤、僕らのペースはおそらく約1秒遅れだった。だけど鈴鹿では、僕らにはそういうこともある。今日は他のドライバーと同じようには走れなかった」
「十分な速さがなかった。グリップレベルもとても低い。僕は8番手だったけれど、皆がアタックをしたわけじゃない」
そう話したキャシディは、金曜記者会見に出席した際には「今週末もミスのない週末にしたい」と語っていた。ただ予選に向けてはあまり期待できないといい、目標順位を尋ねると、Q2に進みたいと答えた。
「Q2に進みたい。それができれば良いだろう。ホンダが9台もいるのだから、どうなるのか待ってみよう」
「もし僕らがQ3に進めたら、レースで優勝する絶好のチャンスがあるだろう。レースは長い。43周というのは、F1のレース距離とそう大きくは変わらない。あらゆることが起こる可能性がある」
「たとえ予選が完璧にいかなかったとしても、僕たちが諦めることはない。僕たちにはレースで競争力を発揮するマシンがある」
また決勝レースに関しては、石浦宏明(JMS P.MU / CERUMO・INGING)や山本尚貴(TEAM MUGEN)にも自力タイトルの可能性が残されており、「優勝すればチャンピオン」という状況だ。
それゆえキャシディは、「もし、ふたり(石浦と山本)のうちのどちらか優勝するとなると、彼らがタイトルを獲得することになる。だからその意味では、僕の優勝はマストだ」と語った。
そして彼は、土曜日のフリー走行を5番手で終えた。天気予報通りに金曜日の夜から降り続いた雨の影響により、ウエットコンディションとなったこのセッションでは、キャシディは一時他のドライバーのタイムを大きく上回るトップタイムを記録する速さを見せた。専有走行から慎重な姿勢を崩していないように見えるが、その裏ではタイトルに向けた着実に準備を進めているようだ。
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