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スポーツ 2018.10.22

MotoGPコラム日本GP(3):”敗者には何もやるな”来季こそ……捲土重来を期すドヴィツィオーゾ

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〈敗者には何もやるな〉ということばがある。

 グレアム・グリーンの小説のタイトル”Loser takes all”やアーネスト・ヘミングウェイの”Winner takes nothing”からおそらくは派生した表現で、この簡潔なセンテンスの含意に対しては様々な解釈が可能だが、ここでは「すべてを賭け、力のかぎりを尽くして戦った結果、負けた者に対して、温情や哀れみをかけることは、かえってその者の名誉を踏みにじることになる」という意味だと理解しておきたい。そう考えたとき、日曜日の決勝レースでマルク・マルケスとの戦いに敗れたアンドレア・ドヴィツィオーゾの姿は、この言葉が非常によく当てはまるように思える。

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 マルケスは、3年連続5回目の最高峰クラスタイトルに王手をかけた状態で、ホンダのホームコース、ツインリンクもてぎの日本GPを迎えた。一方、ランキング2位とはいえ、逆転チャンピンの可能性が事実上潰えているドヴィツィオーゾには、選択肢はほとんどない。せいぜい、マルケスのチャンピオン獲得をできるかぎり遅らせること、くらいだ。第15戦終了段階で77ポイント差だった両者の差が、日本GP終了段階で75ポイント以上になっていれば、マルケスの王座が確定する。マルケスは、ドヴィツィオーゾより2ポイント分背後の位置でゴールしさえすればよい。一方のドヴィツィオーゾは、マルケスよりも2ポイント前でレースを終えなければならない。両者の実力を考えれば、それはマルケスを抑えて優勝を狙う以外に方法はない、ということと事実上同義だ。

 マルケスもドヴィツィオーゾも、この状況をもちろんよく分かっている。


 土曜のFP4でドヴィツィオーゾよりも優れたレースペースを刻んでいたマルケスは、そのセッション終盤で転倒を喫したために、予選で十分に攻めきることができず、6番手。この日の夕刻に、翌日のレースに向けた戦略を彼に訊ねたところ

「まだレースは残っているし、今回がラストチャンスじゃない。レースではいつも勝つことを考えるけど、明日(優勝を目指して)戦えるかどうかは、レースになってから見てみたい。リスクが大きいようなら表彰台を目指す」

と、事実上王座をすでに射止めた余裕とも取れるようなことばが返ってきた。

 一方のドヴィツィオーゾはポールポジションを獲得。「ここ数戦はいつもマルクと激しいバトルになり、自分はいつもチャンピオンシップではなく勝利を目指して戦っている。明日もきっとそうなるだろう」と日曜の決勝に向けた覚悟を述べた。

 日曜午後2時にスタートした決勝レースでは、序盤からドヴィツィオーゾがレースを引っ張る展開になった。中盤以降にコース後半セクションのV字コーナーでマルケスがきれいに旋回してオーバーテイクしていった時でも、その後のヘアピンとバックストレートを経た90度コーナーで前を奪い返す。そんなことが何度か続き、レースも終盤になった頃、マルケスが満を持した格好でまたしてもトップに立った。ドヴィツィオーゾはストレートエンドの90度コーナー進入で横に並びかけるものの、勝負をかけずにそのまま様子を見るような格好で後方に戻る。2回ほどそんな周回があった。

 そして、ラスト2周の後半セクション、バックストレートエンドの90度コーナーを次に控えたヘアピンで、ドヴィツィオーゾがフロントを切れ込ませて転倒。これで勝負が決した。

 表彰式やマルケスのチャンピオン獲得記者会見など一連の賞典進行を終え、すでに夕闇の深まるツインリンクもてぎではあちらこちらで撤収作業が行われている。ドゥカティのチームオフィス前にあらわれたドヴィツィオーゾは、「戦略は、最終ラップまでバトルを持ち越さないことだった」と明かした。

「レース中には、タイヤや体力もコントロールしなくてはならない。もし彼がペースを掴めなかったら、僕にはついてこれなかったと思う。だからレースを通じて安定して走るためにうまくマネージをしたかったけれども、マルクにうまく反応された。だから、彼のタイトル獲得を祝福したい」

 残り3戦で調子を崩さないかぎり、彼はおそらく今年もランキング2位でシーズンを終えることになるだろう。2年連続して、マルケスの後塵を拝したドヴィツィオーゾは、すでに捲土重来を狙う来年の開発方向をも見据えながら戦い始めていることを、この数戦で明言している。

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(motorsport.com 日本版 西村 章)

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