富士スピードウェイで行われている2018-19FIA世界耐久選手権第4戦富士6時間レース。今回スポット参戦でLM-GTE Amクラスの88号車デンプシー・プロトン・レーシングからエントリーしている星野敏は、WEC初参戦で見事ポールポジションを獲得した。
今シーズンはスーパー耐久やポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン(PCCJ)にレギュラー参戦しているほか、ドバイ24時間レースや鈴鹿10時間レースにも挑戦するなど、幅広い活躍を見せている星野。今回は88号車デンプシー・プロトン・レーシングから、富士ラウンドにスポット参戦することになった。
星野曰く、これまで彼が乗ってきたGT3マシンやカップカーとは異なる部分もあるため、今週末の走り出しから試行錯誤が続いたという。
「クルマが安定していて乗りやすいんですが、限界値が全く分からなくてどこまでいっていいか分からない状態でした。そこが難しくて、慣れるのが大変でした。イタリアで1日テストして、金曜日のフリー走行から走っていますが、なかなかタイムが上がらなくて試行錯誤していました」
しかし、いざ予選になると長年の経験と勝負強さを発揮。WECは2人のドライバーが記録したベストタイムの平均で順位が決められるが、そこに出走した星野はミスのないアタックでクラスポールポジション獲得に貢献した。
「初めてWEC参戦で、まさかポールポジションが獲れると思っていなかったので、びっくりしています」
「特にターゲットタイムのようなものは決めていませんでしたが、チームから『3周いってこい!』と言われたので、とにかく一生懸命走りました。ピットに戻ってくるまでポールだと聞かされなかったのですが、みんなが喜んでいる姿をみてポールが獲れたんだなと思いました」
そう語った星野。マシンに関してはまだまだ慣れていない部分があるが、その一方でコースを知り尽くしていることがアドバンテージになったという。
「コースは十分に知っていますし、気をつけなきゃいけないポイントも分かっています。今日になって黄色のバンプがなくなっていましたが、逆にその方がいつも通りに戻った感じで走りやすかったです。四脱のポイントも分かっているので、特に問題はなかったです」
「あと、明日のレースで気をつけなければいけないのが、LMP1とLMP2(との混走)ですね。僕はそこの経験がないので、気にしています。特にLMP1がとんでもなく速くてあっという間に後ろにきちゃうので、ぶつからないようにしないといけません」
先週は鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPの前座レースとして開催されたPCCJでも優勝を飾った星野。この流れをうまく利用して、明日も良いレースをしたいと意気込んでいた。