現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 苦しいレース展開となっても、ファンの前で力走を見せたガスリー【今宮純のロシア&日本GPドライバー採点】

ここから本文です

苦しいレース展開となっても、ファンの前で力走を見せたガスリー【今宮純のロシア&日本GPドライバー採点】

掲載 更新
苦しいレース展開となっても、ファンの前で力走を見せたガスリー【今宮純のロシア&日本GPドライバー採点】

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回は第16戦ロシアGP&第17戦日本GP編だ。
------------------------------------

☆ セバスチャン・ベッテル(ロシアGP=3位/日本GP=6位)

F1、完走全車にポイントを与える新制度を検討も、合意に至らず。2019年の導入は断念


 対ルイス・ハミルトンとのドライバーズチャンピオンシップ争いではロシアGPソチでマイナス50点、日本GP鈴鹿でマイナス67点、ほぼゲーム・オーバーだ。

 明らかにマシン・パッケージ戦力が低下し、この2戦は“オーバー・ドライブ傾向”が目立った。鈴鹿であれほど乱れる挙動などいままで見たことがない。予選9番手から決勝6位、せめてもの慰みにファイナルラップで最速タイム1分32秒318を樹立。ハミルトンは2位1分32秒785、タイヤが違いセーブモードとはいえPPタイム(1分27秒760)からゆとりの“5.025秒落ち”。ベッテルは2018年で2度目の最速ラップ、意地でハミルトンのグランドスラムだけは阻止した。

☆☆ ロマン・グロージャン(ロシアGP=11位/日本GP=8位)


 ふたりそろって速さを結果につなげられないハース。ソチでケビン・マグヌッセン8位、鈴鹿ではグロージャンが8位。グロージャンは表彰台経験者だけに鈴鹿の予選Q2を一発ソフトタイヤで通過、これが狙い通りに運びルノーにあと8点差へ。コンストラクターズランキング5位ハースは次戦がホームGPとなる、注目の“Bリーグ決戦”だ。

☆☆ セルジオ・ペレス(ロシアGP=10位/日本GP=7位)


 チームプレーに従いソチではエステバン・オコンと入れ替わりマグヌッセンを追走、しかしマグヌッセン攻略を果たせずに10位。鈴鹿ではしぶとく7位に入賞、“Bリーグ”でこれが3勝目、ベテランらしくなってきているペレス……。

☆☆ エステバン・オコン(ロシアGP=9位/日本GP=9位)


 就活問題を抱えているさなか、コクピットにおさまればコンスタントに力量を出しきる。鈴鹿フリー走行3セッションとも7番手、予選も8番手(しかし、3グリッド降格ペナルティ)。レース終盤まで前車グロージャンを追尾し7回目のチームダブル入賞、このチームにいるべき人材なのだが。

■初見のコースで先天的な才能を見せるシャルル・ルクレール

☆☆☆ カルロス・サインツJr.(ロシアGP=17位/日本GP=10位)


 傷だらけのファイティング・スピリット。鈴鹿ではブレーキ変調に陥りながらピエール・ガスリーを追走、土壇場で抜き10位入賞、ルノーに貴重な1点を。何度も特筆しているが今季リタイアは1レースのみなのだ。日本GPでホンダと数々のエンジン対決をしてきたルノーにとってはワークス復帰3年目の“初入賞”。

☆☆☆ シャルル・ルクレール(ロシアGP=7位/日本GP=リタイア)


 初めてのコースとなった2戦だが、またたく間にマスターしたロシアGPの7位は4星に値する。新人に厳しい鈴鹿でも予選Q1“6位!”、チームメイトのマーカス・エリクソンに大差をつけた。何年も鈴鹿を経験してきたかのように最適なラインを見いだす、先天的な才能を見た。マグヌッセンとの事故でリタイアに終わった鈴鹿でもまた、ポテンシャルを証明。

☆☆☆ ピエール・ガスリー(ロシアGP=リタイア/日本GP=11位)


 日本GPの週末、レギュラー・ドライバーのなかでは土曜まで最少周回数、パワーユニットやタイヤのデータなど不十分のまま向かうしかなかった。熟知する鈴鹿でそのハンデをカバー、予選の3セクター・ベストトータル・タイムは“1分28秒770”、チームメイトのブレンドン・ハートレーを上回った。戦略面で苦しいレースも、リヤタイヤのブリスターがハンドリングを狂わせたが懸命にコントロール。コースサイドにいた方はその力走がはっきり分かっただろう。だから11位でも観客は称えた。順位以上の「いいレース」だったからだ。

☆☆☆☆ バルテリ・ボッタス(ロシアGP=2位/日本GP=2位)


 いま、ルイス・ハミルトンの速さをいちばん理解しているのは彼だろう。「ソチの無念(チームオーダー2位)」から立ち直り、鈴鹿予選ではS字を含むセクター1でハミルトンに優った。だがデグナーが速いハミルトンに、ヘアピン~スプーンのセクター2で0.12秒劣った。ここでPPを失ったと言える。鈴鹿では53周レースを2位キープ、チームプレイヤーはミッションをまっとうするほかなかった。

■ドライバーとしての力を示したマックス・フェルスタッペン

☆☆☆☆ ダニエル・リカルド(ロシアGP=6位/日本GP=4位)


 18位→6位、15位→4位。この2連戦で“抜く力”と這い上がるレースをつらぬいた。コーナーで忍び寄る。DRSゾーンでしがみつく。そして得意なブレーキングで斬って落とす。国際TV画面にはあまり映らなかったが30回記念・鈴鹿GP・LIVEのヒーロー。そして日本GPの「ドライバーズ・オブ・ザ・デイ」を受賞、これで最多の4回になる。

☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン(ロシアGP=1位/日本GP=1位)


 五冠に向けてまっしぐら。自信を過信とせずタイトルへの“ルーティン”に集中していたこの2連戦。

(1)金曜はマシンとの対話を進め、イニシャル・セットアップを確認。
(2)土曜は予選Q3になってからありったけの力を1周に100%放出。
(3)日曜はスタートに全神経を注ぎ正確に決定。

 ポールポジションの有利さのひとつに、フォーメーションラップ時、前に誰もいないから本番と同じシミュレーション加速が自由だ(後続はどうしてもタイミングを合わせながらだ)。下り坂の鈴鹿、過去にはPPスタートを失敗した事例が多いが“タイトル”へのルーティンを完璧に決め、ルーティンの独走。

☆☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン(ロシアGP=5位/日本GP=3位)


 接近戦バトルでいま最強ドライバーはMAX――。シケインでキミ・ライコネン、スプーンでベッテルとからんだが、このスポーツではしょっちゅうあったプレーにすぎない。現行ルールと審判(スチュワード審議)の狭間で論議されても、彼が“悪意”でぶつけていったようには全く見えない。与えられたマシンでぎりぎりの格闘戦に挑むレーサーの勇気と、技(見切り)による3位はドライバー力。

 戦略とかエンジニア指示やパワーユニットのアドバンテージに頼るものではない。フェルスタッペンのレースはF1に欠かせない、スリルとリスクにみちていた。連戦を通じて5星を――。

こんな記事も読まれています

ええ、セダンなのに6人乗り?!  しかも超絶未来っぽいやん内装!!  アメリカからやってきたプロナードがイカす
ええ、セダンなのに6人乗り?!  しかも超絶未来っぽいやん内装!!  アメリカからやってきたプロナードがイカす
ベストカーWeb
モビリティリゾートもてぎに働くクルマが大集合!白バイやパトカーのパレードランも開催!
モビリティリゾートもてぎに働くクルマが大集合!白バイやパトカーのパレードランも開催!
グーネット
アルトの元祖は商用車?! 軽にインタークーラー付ターボ・チャージャーはイカツイて! 茨の道をパワーで突き抜けた「漢」初代アルトワークス
アルトの元祖は商用車?! 軽にインタークーラー付ターボ・チャージャーはイカツイて! 茨の道をパワーで突き抜けた「漢」初代アルトワークス
ベストカーWeb
シビックを着る!歴代12モデルをデザイン、ホンダ公認Tシャツ新登場 キャムショップ
シビックを着る!歴代12モデルをデザイン、ホンダ公認Tシャツ新登場 キャムショップ
グーネット
車の電動化はどこまで加速する? 専門家に聞く、自動車業界のイマとミライ【前編】
車の電動化はどこまで加速する? 専門家に聞く、自動車業界のイマとミライ【前編】
グーネット
MeiMei 新キャンピングカーブランド「ノマドラックス」などデザイン車両6台を一挙展示
MeiMei 新キャンピングカーブランド「ノマドラックス」などデザイン車両6台を一挙展示
グーネット
スズキ 軽トラック「キャリイ」シリーズ 一部仕様変更 安全性能強化など
スズキ 軽トラック「キャリイ」シリーズ 一部仕様変更 安全性能強化など
グーネット
スマホ連携でアプリが使える!ディスプレイオーディオ登場!ワンセグ搭載モデルも【動画あり】
スマホ連携でアプリが使える!ディスプレイオーディオ登場!ワンセグ搭載モデルも【動画あり】
グーネット
自動車整備士不足に新たな一手。独マイスター制度採用の育成プログラムに注目。
自動車整備士不足に新たな一手。独マイスター制度採用の育成プログラムに注目。
グーネット
井戸田潤が初代NSXに出会った!和製スーパーカーに一同ホレボレ!
井戸田潤が初代NSXに出会った!和製スーパーカーに一同ホレボレ!
グーネット
続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?
続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?
ベストカーWeb
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
ベストカーWeb
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
Auto Messe Web
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
AUTOSPORT web
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
AUTOCAR JAPAN
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
Auto Messe Web
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村