スーパーGTのGT500クラスに参戦する#100 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴は、自身3年ぶりの優勝となった第6戦SUGOを振り返り、ここ最近のレースで彼が味わってきた“苦い経験”が役立った勝利だったと語った。
今シーズンは元F1王者のジェンソン・バトンと組んで#100 RAYBRIG NSX-GTから参戦している山本。開幕戦の岡山ではいきなり2位表彰台を獲得すると、第3戦鈴鹿でも終始トップ争いに加わり2位でフィニッシュ。この時点でランキングトップに浮上し、チャンピオン争いにも名乗り出た。
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そして第6戦SUGOでは80kgのウエイトハンデを背負いながらもNSX-GTの良さを存分に生かして、予選ではコースレコードを塗り替える速さでポールポジションを獲得。決勝ではレース後半にバトンがコースオフするシーンはあったものの、終始安定したペースを維持し、チームにとっても山本自身にとっても3年ぶりの勝利を挙げた。
「こうして結果だけを見ると、順当に勝ったように見られてしまうかもしれませんが、SUGOでの週末は針の穴に糸を通すような(緊迫した)レースウィークだったなと思います。どこかの判断が一つ間違っていたら、今回の勝利はなかったと思います」
そう語った山本は、昨年のSUGOラウンドではトップを独走しながらも、途中に入ったセーフティカーで流れが全て崩れてしまい、勝利を逃す悔しい経験をした。
今回チームはそこでの経験を活かし、セーフティカー導入を見越した戦略を用意。これまではバトンが前半スティントを担当していたが、SUGOでのレースという部分を踏まえて山本がスタートドライバーを務めるなど、用意周到な対策を施していた。
昨年、一昨年は速さがありながらも結果に結びつけることができず、何度も悔し涙を流してきた山本。その“負けたレース”で学んだことが、今回は存分に活かされたという。
「過去のレースで経験したこと……その中でも良い経験じゃないことから色々学んで、糧にしてきました。それが存分に活かされたレースだったと思うと、勝つことだけがレースではないですし、今までの経験はフルに活かされただったなと改めて思える1戦でした」
いつもは優勝すると涙を流して喜ぶことが多い山本だが、今回は力が抜けたように安堵した表情をしていたのが印象的だった。その時の心境について訊くと、長い間抱えていた悔しさやプレッシャーから解放された瞬間だと話した。
「昨年のSUGOでも予選2番手で決勝もリードしていたけどセーフティカーが入ってしまって展開が変わり、優勝することができませんでした。さらに今年は同じパッケージ(NSX-GT+ブリヂストンタイヤ)の17号車が開幕戦で勝って、第3戦鈴鹿で8号車が勝って……僕たちも勝つポテンシャルとチャンスがありながらも、どっちのレースも手が届きそうなところでの2番手で終わりました」
「やっぱり……ものすごく悔しかったし、(シーズン序盤の2位表彰台は)素直に喜べる状況ではなかったです。昔はがむしゃらにレースをやってきて、勝ったら嬉しいという思いはありました。でも、ここ数年はどちらかというと僕は新人でも若手でもないし、中堅やベテランに入ってきたと思います。そうなると、自分が置かれている立場や状況も違うし、かかってくるプレッシャーも当時とは違います」
「勝った嬉しさはあるんだけど、それ以上に……色んなプレッシャーから解放されて安堵することの方が大きくなった気がします。SUGOでの週末は特にそう感じました」
この勝利によって、ドライバーズランキングで再びトップに浮上。ウエイトハンデが半減となる次回の第7戦オートポリスで、#100 RAYBRIG NSX-GTは61kgのウエイトハンデを背負うことになり、彼らのみが燃料リストリクター制限を受ける形となる。それでも山本は、終盤戦に向けては自信をみせていた。
「マシンのセットアップと選択したタイヤがうまく機能すれば、ウエイトが重くて燃料リストリクターが絞られていても上位にいけると思います。残り2つとも勝つつもりでいかないとチャンピオンは獲得できないと思っているので、オートポリスでも全力を尽くします」
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