メルセデスのルイス・ハミルトンは、ロシアGPの決勝レース中にチームオーダーによって順位を入れ替えて優勝したことについて、「素晴らしいレースだったとは思っていない」と語った。
決勝レースの序盤、ハミルトンはボッタスの後ろを走っていた。しかしピットストップを終えて、ハミルトンにはチャンピオン争いのライバルであるセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に追いつかれるのではないかという懸念が生じ、チームからの指示によってボッタスと順位を入れ替えた。
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終盤になってもメルセデスはハミルトンとボッタスの順位を戻さず、結局ハミルトンがトップでチェッカーを受けた。また、3位でレースを終えたベッテルとのポイント差は50となった。
レース後ハミルトンは、ロシアGPはメルセデスにとって厳しいレースであったと認めた。
「本当に厳しい日だった。この週末、バルテリは素晴らしい仕事をしていたし、僕を先に行かせてくれて本物のジェントルマンだった」
「彼は今チャンピオンシップを争っていないけれど、チームにとって素晴らしい週末だった」
「フェラーリに対してアドバンテージを築き、ワンツーを達成するために、チームは格別に素晴らしい仕事をしてくれた」
「だけど、今日はバルテリにとってどれほど難しい日だったかを理解しているし、彼は優勝に値した。でもチャンピオンシップのことを考えると、チームとして僕らは両方(ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトル)のタイトルを目指している。今日は本当にチームの努力があった」
「目を見張るほど良いレースだったとは感じていない。だけど、彼は今後のレースでも素晴らしい仕事をするだろう」
そのボッタスはレース後、目に見えて落ち込んでいるようであった。チェッカーを受けた直後には、チーム代表のトト・ウルフが無線でチームオーダーについて後で話をしようと伝えていた。
インタビューに応じたボッタスは、「厳しい1日だった。だけどチームにとっては良い結果だ。僕らは最大限のポイントを獲得できたけど、皆が言うように、本当に難しいレースだった」と答えた。
またレース前にチームオーダーについて議論したのかと訊かれると、「僕たちは常に全てのシナリオや要素を話し合っている」とボッタスは話した。
「ルイスはチャンピオンシップを争っているし、僕たちはコンストラクターズタイトルを目指して戦っている。僕らには常にプランはあるけれど、レースで何が起きるのか、どういう展開になるのかを予測するのは難しいことだ」