F1第16戦ロシアGP決勝レースは、メルセデスのルイス・ハミルトンがチームプレイの恩恵を受けて今季8勝目を手にした。
ソチ・オートドロームは気温25度、路面温度29度というコンディション。スタート前のグリッドにはポツポツと雨粒が落ち始めたものの、すぐに路面状況が悪化すると見たチームはなく、全車がスリックタイヤを装着。そのままドライでレースが行われた。
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グリッド6列目に並ぶルノー勢はソフトタイヤを選択。グリッド降格により後方から追いかけるトロロッソのピエール・ガスリーやレッドブル勢もソフトを選んだ一方で、最後尾のブレンドン・ハートレー(トロロッソ)はハイパーソフトをチョイスした。
スタートは3番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が良い蹴り出しを見せハミルトンに並びかけるが、ハミルトンは前を走るチームメイトであるバルテリ・ボッタスのスリップストリームを使い、なんとかポジションをキープした。
後方も大きな混乱はなくクリーンに1周目を終えた。熾烈なのは5番手争い。シャルル・ルクレール(ザウバー)がケビン・マグヌッセン(ハース)を大きく回り込む3コーナーでアウト側から豪快にオーバーテイクした。
また、後方ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が大きくポジションアップ。19番手スタートから3周目には10番手と、ポイント圏内まで浮上した。
3周目を終えた時点で、ハートレーは早々にピットイン。ハイパーソフトタイヤを捨て、ソフトタイヤへと切り替えた。
トロロッソ勢にはブレーキトラブルが生じたようでガスリーはスタート直後、ハートレーはピットアウト直後に相次いで不可解なスピンを喫してしまった。チームは2台ともにマシンをガレージに呼び戻し、5周目までにレースを終えることになってしまった。
一方、フェルスタッペンはハイパーソフトでスタートしたマシンをごぼう抜き。8周目には5番手となった。対してこの時点で、チームメイトのダニエル・リカルドは12番手だ。
トップのボッタスは快調そのもの。ただハミルトンも1.3秒前後のギャップを保ち、様子を伺った。ベッテルはハミルトンの約2秒後方だ。
ハイパーソフトタイヤでスタートしたマシンはタイヤの摩耗が厳しいのか、9周目にロマン・グロージャン(ハース)がピットへ入ったのを皮切りに、続々とピット作業が始まっていった。
トップ3は1.5秒ほどの間隔となっていたが、12周を終えたところでまずボッタスがピットへ動き、ソフトタイヤへスイッチ。その翌周にベッテルが反応しピットインするが、ハミルトンはステイアウトした。
結果的にボッタスの2周後にピットに入ったハミルトンは、ベッテルと並んで2コーナーへ向かうも、先にターンインしたのはベッテル。これで彼が実質の2番手に浮上し、ハミルトンは無線で怒りを爆発させた。
しかしハミルトンは諦めずDRSを使ってすぐさまベッテルに迫ると、メインストレートで懸命なブロックに遭いながらも4コーナーでオーバーテイクを成功させ、ポジションを取り戻した。
4番手のキミ・ライコネン(フェラーリ)が18周を終えた時点でピットに入り、全車がソフトタイヤを装着した状態に。ピットに入っていないのは、レッドブル勢とルノー勢だけとなった。
中団争いで接近しているのは、マグヌッセンを先頭にした9番手争い。後ろにエステバン・オコンとセルジオ・ペレスのフォースインディア勢を従えた。
しかし7番手のニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)が彼らより速いペースで走行しており、まとめて逆転される危険性があるため、チームはオコンに無線でプレッシャーをかけた。
上位勢はファステストを叩き出しながら走行するが、その中でハミルトンが徐々にボッタスとのギャップを縮め、24周目にはボッタスの約1秒後方に。ボッタスの前方にはフェルスタッペンがいることもあってか、ベッテルまでもハミルトンに急接近し団子状態となった。
この状況を見てか、メルセデスが26周目にチームオーダーを発動。ボッタスにハミルトンに対してポジションを譲らせ、ベッテルを抑えさせる非情の決断を下した。
また後方では、ペレスがマグヌッセンを攻略できなければポジションを戻すという約束で、オコンとペレスがポジションを入れ替えた。
しかし結局ペレスはマグヌッセンを攻略できず。ヒュルケンベルグが35周を終えてピットインしたのをきっかけに、オコンにポジションを返した。ただヒュルケンベルグもスティント終盤はペースが落ちていたこともあり、ペレスの後ろでのコース復帰となった。
リカルドは39周終わり、フェルスタッペンは43周終わりでピットイン。これでようやくハミルトンがトップに戻った。上位3台は1.5秒ほどの差で等間隔。ベッテルはボッタスのDRS圏内に入れず、こう着状態が続いた。
結局、レース終盤には前が開けたハミルトンが徐々に差を広げ、そのままトップでチェッカー。ボッタスのサポートにより今季8勝目を挙げた。
ボッタスは最後に意地のファステストラップを叩き出し、2位でレースを終えた。チェッカー間際には、チームに無線でハミルトンが自分にポジションを返すことはないのかと暗に尋ねたものの、彼が期待した答えは返って来なかった。
ベッテルが3位となったことで、ハミルトンはベッテルとのポイント差を50ポイントに拡大。5レースを残して、丸2レース分のリードを築いた。
4位ライコネンの後ろには、レッドブル勢。フェルスタッペンは、21歳の誕生日当日に驚異の走りでポジションをリカバリーした。リカルドは着実にレースを進め6位となった。
中団チームトップはルクレール。トップ3チーム以外では唯一のリードラップでレースを終えた。マグヌッセン、オコン、ペレスまでがポイントを手にしている。
トロロッソ・ホンダはレース序盤のトラブルで早々にリタイア。終わってみれば、完走18台のレースで唯一リタイアしたチームとなってしまった。
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