スーパーGT第5戦富士での大クラッシュでマシンが全損した#34 Modulo KENWOOD NSX GT3。当初は鈴鹿10時間耐久レースへの参戦が危ぶまれていたが、新車の手配に目処がつき、チームは予定通り鈴鹿サーキットにやってきた。
チームオーナーであり、今回もドライバーとして鈴鹿10Hに臨む道上龍は、応援してくれた関係者やファンのためにも、まずは10時間のレースを最後まで走り切りたいと語った。
34号車NSXの復活が決定!新車投入で鈴鹿10Hは参戦可能に!
今シーズンから大津弘樹とともにModulo DRAGO CORSEとしてスーパーGTのGT300クラスに参戦している道上。国内では初参戦となるNSX GT3で序盤戦は苦戦するところもあったが、徐々に力をつけ上位争いに少しずつ顔を出すようになっていた。
そんな中、8月4日に行われたスーパーGT第5戦富士の公式練習中に、ブレーキトラブルでコントロールを失った#38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路)に激突されマシンが大破した。道上は腰を痛めたものの幸い大事には至らなかったが、マシンは深刻なダメージを受け、第5戦の出走は取りやめに。その時点では鈴鹿10時間耐久レースへの参戦も厳しいのではないかと言われていた。
しかし、道上は諦めることなく、すぐに復活に向けた行動を開始。関係者の協力もあり、新車を手配する準備が整い、鈴鹿10H参戦に漕ぎ着けた。
この日、鈴鹿サーキットのピットガレージには、カラーリングも完了した34号車が登場。さらに鈴鹿10H使用のステッカーをはじめ、ゼッケンも自発光式のものに変更。夜間走行用のヘッドライトの取り付けも完了した状態だった。スーパーGTではGT300クラスの規定で黄色のヘッドライトが付けられているが、今回は制限がないため白色のヘッドライトとなっている。そして、早くもスーパーGT第6戦SUGOに向けて10kgのウェイトハンデステッカーが貼られていた。
マシンが厚木のファクトリーに届いたのは、先週の月曜日だったとのこと。チームは実質1週間弱しかないメンテナンス期間でマシンを仕立て上げてきた。
改めて、ピットガレージに34号車が戻ってきた姿を見ながら、道上はこの3週間のことを振り返った。
「本当は(参戦が)不可能かもしれない状況だった中、いろんな人の協力のおかげで、ここにクルマを持ってくることができました。まずはホッとしています」
「この期間、僕たちのことを応援してくれている方々がたくさんいてくれて、非常に感謝しています。また応援してくれている人たちのためにも、今回は良いレースをしたいです」
そう語る道上は、パートナーの大津のためにも、そして常日頃から頑張ってくれているチームのためにも、なんとか復活しなければという思いでこの3週間を過ごしたという。
「富士でレースができない状況で、みんなが手持ち無沙汰になって、どこかどんよりした雰囲気がチームの中にありました。それを見ていると、どうしても僕の中ではいたたまれない気持ちだったし、悔しかったです」
「クラッシュしてクルマを見た瞬間に(復活は)無理だなと思ったし、正直このまま終わっちゃうなと思った部分もありました。でも、みんなの雰囲気だったりとか、まだまだ伸び代もたくさんある大津もいるし、ここで終わらせるのは、みんなのために良くないなと思って……とにかく、行動を起こすしかなかったです」
「僕も身体のダメージは少し残っていますが、お盆の間も休みながらでも次に何かをしなきゃいけないという気持ちでいましたし、復活に向けて考えていましたが、それが今回実現しました」
「もちろん、自分ひとりの力では無理ですし、いろんな人たちの応援もあってこそ復活できたと思っています。リスクは色々ありますけど、やるしかなかったし……これで結果が出たら、またみんなが救われると思います」
また、道上は今後のチームの成長やNSX GT3のポテンシャルをさらに引き出すためにも、鈴鹿10H参戦は諦めたくなかったという。
「10時間レースで戦うことによって、僕たちもNSX GT3というクルマのポテンシャルを、さらに見出すことができます。今後のためのデータ取りになる部分もあるので、やっぱり出たかったです」
「世界の強豪がきて、NSX GT3の本当のパフォーマンスや、日本人のチームで世界を相手にどこまでやれるのかというのを確かめてみたかったです。そんなに簡単に結果を出せるレースではないかもしれませんが、まずは……(富士でのクラッシュから復活して)ここで走れるという喜びが大きいです」
とはいえ、新車のNSX GT3はチームのもとに届いて約1週間程度。予定では明日鈴鹿市内で行われるレーシングカーパレードが、シェイクダウンになるという。まだまだ不安材料はいくつかある状態だが、道上は今週末の目標について、このように語った。
「まずは走り切ることが目標ですね。僕もこれまでたくさんの耐久レースには参加してきましたけど、やっぱり長距離レースならではの感動があります。勝ったとか負けたとは別に、走りきった後の安堵感というのが良いですし、そこで生まれるチームの一体感というのがあると思います。そこは耐久レースならではのところがあるので、今回の10時間は何としても走り切りたいなと思います」
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