『SF19』の第2回開発テスト2日目、午後は1時間のセッションが2回実施され、富士スピードウェイでの第2回テストは全行程が終了した。
2日目午後は13時~14時と17時30分~18時30分の1時間×2セッション。ホンダエンジン搭載の11号車は山本が、トヨタエンジン搭載の00号車は石浦が、それぞれ午前に引き続きドライブを担当した。
スーパーフォーミュラ:SF19テストは2日目も順調。ハロ装着状態での脱出テストも
気温33度、路温50度に達した13~14時のセッションは石浦が駆動系関連らしきトラブルでマシンをコース脇に止めるシーンもあったなか、山本が18周、石浦が11周を完了し、ベストタイムは山本が1分24秒562、石浦が1分24秒594。ともに午前のベストには1.5秒ほど届かなかったものの、2台のタイム差はわずかだ。
このセッションの最後には、午前の石浦に続き、身長164センチの山本もコクピット脱出確認を実施した。山本はコクピットを離れる前にステアリングを再装着するという、午前の石浦とは異なるスタイルで2度の試技を敢行。
1度目は脱出したところでつまづく場面もあったが、2度とも約10秒でステアリング再装着を含む脱出の全行程を終えており、午前の石浦のケースとあわせて考えても規則的条件とされる約12秒以内に脱出を終えており、ハロ装着による障害は少なそうだ。
■最終セッションでは追走での空力チェック。「予選なみに疲れた(笑)」と山本
17時30分からスタートした最終セッションでは、石浦と山本が追走状態での空力確認を行なった。1分28秒台の“やや遅ペース”ではあったが、両者が前後を入れかえて走り、それぞれSF19での追走者の立場を体験。他車の後ろに入った時、コーナーでのいわゆるダウンフォースの“抜け”がどうなるかは、追い抜き性能向上を主眼に空力開発が為されたというSF19だけに、大いに注目されるポイントだ。
だがモニター映像を見ていると、セクター3のレクサスコーナーでは大きなダウンフォース抜けがあったように見受けられる場面が。これはコースサイドにいたカメラマンからも同様の証言が得られている。
ただ、石浦は自身が後ろに入って走った感想を、「思っていたよりは近づいて走れたように思います」と語る。「いや、もちろんダウンフォースの抜けはありましたよ。でも、SF14よりは少し近づいて走れるのかな、と」。空力開発の難しさは充分に知るだけに、「正直、SF14とほとんど変わらないかな、くらいに思っていましたので、想像していたよりはいいのかな、と感じました。もちろん、もっと多くのマシンが走った時にどうか、というのはありますけどね」と語った。
一方の山本は、「僕も後ろについた時は最初、『ちょっと(SF14より)いいのかな』と思ったんですが」と、石浦に近い感触を示したうえで、「でも単独で走った時のダウンフォースの大きさを味わうと、むしろちょっと(SF14より)良くないのかな、と思ってしまったのが正直なところです」。山本の方が事前の期待値が高かったぶん、ダウンフォース抜けに関するSF14との比較には、ややプラスとややマイナスという両者の評価差が出ているのかもしれない。
ただ、総じていえば、最終セッション前に行われた会見で石浦と山本、国本雄資の3名が語ったように「空力で走っているといってもいいトップフォーミュラで、空力的に追い抜きをしやすくしようというのはかなり難しい話」という内容に収束する。あとは「テストのデータとかを基にダラーラでさらにひと工夫してもらえたりできたら、いいかもしれませんね」(山本)というところだろう。
ちなみに、最終セッションでは山本が22周を走ってベスト1分23秒536、石浦が23周を走ってベスト1分23秒576(ともにミディアムタイヤ)。温度条件が下がったなかで、またもやタイム大接近となったが、両者は午前のように擬似アタック合戦モードだったようである。「なんか、予選なみに疲れました(笑)」と山本。
多くの周回が重ねられた富士テストが終わり、SF19開発テストは次回、ツインリンクもてぎに開催地を移す。第3回開発テストは8月30~31日に実施される予定だ。
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