F1は、2020~2023年までのタイヤ供給契約の入札を開始した。同時にFIAは、2021年からタイヤのホイールリム径を18インチにすることや、タイヤウォーマーの使用を禁止する方向性であることを明らかにした。
チーム側は、FIAやF1と共に2021年以降のタイヤに関して様々な議論を何度も行ってきたが、今回の発表があるまで最終的な決定を聞かされていなかった。
F1、2021年の18インチタイヤ導入に合わせ、タイヤウォーマーも禁止へ
ルノーのチーフテクニカルオフィサーを務めるボブ・ベルは、「サプライヤーが供給するタイヤ1セットの前提条件は、ブランケット(タイヤウォーマー)がなくても安全に使用出来るタイヤを供給する、ということで合意されるだろう」と話した。
「他の多くのシリーズでもそうしているのだから、F1でそれができない理由はないと思っている」
「もしこの仕様のタイヤのおかげで、例えばタイヤの使用時間や内圧、キャンバーなどの制限を回避できたり、チームの厄介なタスクを減らし、タイヤのライフを通してより安定してパフォーマンスを生み出すことができれば、それは素晴らしいことだと思う」
しかしベルは、どの会社がタイヤ供給契約を勝ち獲ろうとも、次のタイヤ供給に向けたFIAの要求は”5分で終わる作業”ではないと警告した。
またウイリアムズのテクニカルチーフであるパディ・ロウは、より広い温度領域で機能するタイヤを使用することはポジティブなことだと考えている。
「我々はこれまで、何度も話し合いを行ってきた」
「私はタイヤブランケットを含め、全ての道具がグリッド上にある光景が好きだ。モーターレーシングの頂点において、F1が非常に技術的なスポーツであるという印象を与えてくれるものだと感じている」
「その点では、私はこれ(タイヤウォーマーがなくなること)を寂しく思うだろう。しかしその一方で、もっと広いウインドウ(温度領域)でタイヤを使用することができれば、それは素晴らしいことだ」
「同時に、予選フォーマットについても話し合った。ラップ数を減らし、1周の重要度をより高めるというものだ。もしブランケットを使ってタイヤの準備をしないのであれば、我々は広いウインドウを持つタイヤを使用する方向に向かうことになる。これはF1にとっても良いことだろう」
レッドブルのテクニカルディレクターであるピエール・ヴァッヘは、これらの変更をチームが”賢く”なるためのチャンスであると捉えている。しかし彼は、F1でこれを行うのは他のカテゴリーよりも難しく、タイヤサプライヤーにとっても適切に物事を進めていくのは難しくなるだろうと考えている。
「エンジニアとしては、変化が起こる時というのは非常に興味深い」
「最善の方法でタイヤを機能させるためにも、マシンのトリックや可能性を見つけなければならないということはわかっている」
「マニュファクチャラーにとって、技術的なチャレンジはとても難しいものになる。現時点では、ブランケットを使用しないという革新を目にしている。30度でレースをスタートし、フィニッシュの時には100度以上だ。F1のタイヤにかかるエネルギーは他のカテゴリーのものよりも高い。だから、マニュファクチャラーにとって大きなチャレンジになるだろう」
フォースインディアのテクニカルディレクターを務めるアンディ・グリーンは、FIAの要求は既に決定しており、公開されているものの、もっと議論が必要だと主張した。
「昨日公開されたばかりであるということを考えても、これについてあまり話し合われていないのではないかと考えている」
「もっと議論が必要になるだろう。リム径の変更、タイヤを機能させる方法、ブランケットなしでそれを行うやり方などに関して、今後解決すべき問題は多数ある。これらについてたくさん話し合い、合意すべきだ」
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