現在F1に参戦中の4メーカーは、2021年からの新エンジンレギュレーションの導入案を撤回し、現行レギュレーションの継続することを提案したようだ。
F1のレギュレーションは、2020年限りで大きく変更されることが予定されている。昨年10月、リバティメディアとFIAは、MGU-Hの廃止を含む”より簡素な”動力源を使う新たなレギュレーションの案を発表。現在F1に参戦中の各メーカー(メルセデス、フェラーリ、ルノー、ホンダ)も、これを受け入れたと考えられていた。
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その後も議論は継続され、6月中にも最終的なレギュレーションを制定することが目指されていた。しかし、先週行われたストラテジー・グループの会合では、全4メーカーはMGU-Hを含む現在のパワーユニットのパッケージを維持することを提案したという。
”より簡素な”パワーユニットの導入は、2021年以降新たなメーカーが参入しやすいようにすることを目指した策だった。しかし、現時点では2021年に参戦することを確約したメーカーはいない。そのような状況下にも関わらず、コストをかけて新たな規格のパワーユニットを準備するのは無意味だというのが、現在参戦中の4メーカーの立場だ。
2021年からのF1新規参入が取りざたされたメーカーのうちのひとつはポルシェである。ポルシェは、2021年レギュレーションを整える議論に、積極的に関わってきた。しかし、同社が所属するフォルクス・ワーゲン・グループは、”排ガス問題”の真っ只中にあるため、F1プロジェクトの立ち上げを決定していないと言われる。
アストンマーチンもF1新規参入に興味を示していたメーカーのひとつだったが、その態度を曖昧にしている。その上、同社がスポンサードするレッドブル・レーシングは、来季からホンダのパワーユニットをワークス待遇で使うことが決まったため、現状のままではアストンマーチンが”PUサプライヤー”として参入する可能性は非常に低くなっていると言わざるをえない。
「それはまだ議論を進めようと努力されている」
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、そう語る。
「我々は、エンジンの再設計を意味する説明を受けた」
「現在F1に参戦する4社は、それぞれの好みを主張していただろう。我々の理解では、もう少し音が大きくすること、そして燃料消費についての議論が必要となるかもしれない」
「しかし、新規参入がないのにエンジンを再設計することに、大きな意味はない」
「もしいずれかのメーカーがF1に参入することを確約するのなら、我々4社は、エンジンの新しいレギュレーションについて話をしようと誓った。しかし誰もいないのであれば、それは学術的な話し合いになる」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、新しい参入メーカーがいないことは問題だと指摘。また、来季からパートナーとなるホンダはMGU-Hの継続を希望しているため、その立ち位置を支持している。
「究極的には、運営団体と商業権保有者は、このスポーツのために正しいと信じていることをしなければいけない」
そうホーナー代表は語った。
「誰も新たに参入しないように見える。このことは、FIAとリバティが、何か望んでいるのかという決断に委ねられると思う」
ルノーのマネージング・ディレクターであるシリル・アビテブールは、高価な開発競争に巻き込まれることを望んでいないと語る。
「常に安定性を優先すべきだと、私は思う」
アビテブールはそうmotorsport.comに対して語った。
「それはすべてのことの基準だと思う。競争があり、多額の費用がかかるF1では特にだ」
「これはエンジンにも当てはまるし、そのほか空力開発などすべてのモノにも当てはまる」
「安定性の恩恵を、我々は過小評価していると思う。それはコスト面もそうだし、すべての関係者やマニュファクチャラー、チームにとってもそうだ。しかしショーのためには、接近する戦いが必要なんだ」
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