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NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 第18戦デイトナ レースレポート

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NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 第18戦デイトナ レースレポート

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第18戦デイトナ
エリック・ジョーンズがカップ・シリーズ初勝利!
 NASCARは『聖地』デイトナで今季2度目の開催。多発する『ビッグ・ワン(多重クラッシュ)』に有力ドライバーが次々に巻き込まれ脱落する波乱の展開の中、一時は周回遅れになるも巻き返した期待の若手、エリック・ジョーンズがファイナルラップの大逆転で念願のカップ・シリーズ初勝利を飾りました。

 エクスフィニティ・シリーズも荒れた展開となる中、ルーキーのクリストファー・ベルが3位でフィニッシュしました。

NASCAR第18戦:40台中20台がリタイアの大混戦で、トヨタの22歳ジョーンズがカップ戦初優勝

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第18戦 Coke Zero Sugar 400
開催日:7月7日

連続ビッグワンで上位勢次々脱落のサバイバル戦
エリック・ジョーンズがカップ・シリーズ初勝利!
 7月7日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第18戦『Coke Zero Sugar 400』が開催されました。

 NASCAR最大のイベント、シリーズ開幕戦となる『デイトナ500』が行われる、『モータースポーツの聖地』デイトナで、開幕戦に続き今季2度目のカップ・シリーズ開催となります。開幕戦とは異なり、土曜日のナイトレースとして、やや短い400マイル(約640km)レースとして行われました。

 1周2.5マイル(約4km)のデイトナは、タラデガなどと並び、『リストリクター・プレート』という吸気量制限パーツの取り付けが義務づけられており、最高出力が制限されます。

 それでも最高速度はゆうに300km/hを越えますが、抑えられたパワーで速度を保つために、車両が縦に連なって空気抵抗を低減する「ドラフティング」というテクニックが重要となります。

 『ドラフティング』での超接近隊列走行でのバトルとなるため、ひとたびクラッシュが発生すれば、『ビッグ・ワン』と呼ばれる、多くの車両が巻き込まれる多重クラッシュになることも多く、いかに『ビッグ・ワン』に巻き込まれず、最後まで走り切って、終盤に順位を上げるかがポイントとなるコースです。

 トヨタ勢では過去、カイル・ブッシュが1勝、デニー・ハムリンが1勝を挙げています。

 7日(土)午後7時47分、2.5マイルオーバルを40周、40周、80周の3ステージ合計160周して競われる決勝レースがスタート。序盤トヨタ勢は中団グループでの走行を続けていましたが、ステージ1の終盤、カイル・ブッシュがポジションを挙げ2位フィニッシュ。

 しかし、カイル・ブッシュはステージ2スタート前のピットで行き過ぎてしまいポジションダウン。

 52周目、カイル・ブッシュ7位、12位でのステージ1フィニッシュからピットでポジションを挙げたハムリンが10位で再スタートが切られましたが、翌周27台もの車両が絡む『ビッグ・ワン』が発生。ハムリン、ダニエル・スアレツが巻き込まれ、早くもレースを終えることとなってしまいました。

 この『ビッグ・ワン』は間一髪でかわしたカイル・ブッシュでしたが、再スタート直後の2位争いで他車に押される形となりバランスを崩し、壁にヒット。大混乱となった後続が次々に突っ込む形となり、カイル・ブッシュはリタイア。

 この『ビッグ・ワン』に巻き込まれたエリック・ジョーンズは、ピットの懸命な作業により何とか修復してレースに復帰したものの、周回遅れとなってしまいました。

 最初の『ビッグ・ワン』には巻き込まれたもののダメージは大きくなく、その後も中団グループでクラッシュをかわしてきたマーティン・トゥルーエクス・Jr.は、12番手でステージ3の再スタートを切ると、まもなくトップ争いに加わりました。

 周回遅れとなっていたエリック・ジョーンズも、124周目に出されたイエローコーション時に『ラッキー・ドッグ』を獲得し首位と同一周回に復帰。着実にポジションを取り戻していきました。

 レースは残り5周で4台が絡むクラッシュにより、延長されて最後の2周決戦『オーバータイム』に。しかし、最初のオーバータイムでは、再スタート後すぐに9台が絡む『ビッグ・ワン』が発生し、更に延長されて167周目に2度目の『オーバータイム』。

 この2度目のオーバータイムは、トゥルーエクス・Jr.とエリック・ジョーンズが最前列に並んでの再スタート。

 アウト側のエリック・ジョーンズは一旦後続にかわされ、トゥルーエクス・Jr.の勝利かと思われましたが、ファイナルラップに入るところでアウトからトップ争いに復帰したエリック・ジョーンズは、トゥルーエクス・Jr.とサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げると、これを制しトップでチェッカー。

 2015年、19歳でのトラック・シリーズフル参戦初年度にシリーズチャンピオン、翌2016年にはエクスフィニティ・シリーズでルーキータイトルを獲得して2017年に21歳で最高峰カップ・シリーズへと到達した若きホープが、フル参戦2年目にして念願の初優勝を飾りました。トヨタはこれでカップ・シリーズ3連勝。直近の6戦中5勝という強さを見せています。

 エリック・ジョーンズはこの勝利により、シーズン終盤に上位ドライバーによってタイトルを争う「プレーオフ」での進出をほぼ確実なものとしました。フル参戦2年目、22歳のエリック・ジョーンズにとっては初めてのカップ・シリーズでの『プレーオフ』進出となります。

 シリーズのディフェンディングチャンピオンであるトゥルーエクス・Jr.は惜しくも2位。それでも今大会の好結果により、ランキングでは3位へと浮上しました。

 次戦第19戦は7月14日(土)、米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで行われます。

ドライバー エリック・ジョーンズ
「私にとって初のカップ勝利、初のデイトナでの勝利、初のスーパースピードウェイでの勝利! 最高の一日です! バーンナウトではタイヤスモークが車内にたくさん入ってきて、息をするのも大変なほどでした。しかし、最高の気分です」

「レースの中盤までは、勝てるなんて考えもしませんでした。チームが素晴らしい仕事で車両を修復し、コースに戻してくれました。これまでスーパースピードウェイであまり良いレースが出来たことはなく、そこで勝てるなんて予想だにしていませんでしたが、それだけに今夜の勝利は格別です」

NASCAR XFINITY SERIES
第16戦 Coca-Cola Firecracker 250
開催日:7月6日

クリストファー・ベルが3位フィニッシュ

 7月6日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第16戦『Coca-Cola Firecracker 250』がデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されました。

 アメリカの独立記念日(7月4日)の週末開催となった今大会、クリストファー・ベルやブランドン・ジョーンズら、多くの車両がアメリカの国旗などをモチーフにした特別カラーで出場しました。

 6日(金)午後7時49分、2.5マイルオーバルを30周/30周/40周の3ステージ合計100周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。

 直前に予定されていた予選が降雨でキャンセルとなったため、規定によりオーナーポイントでグリッドが決定され、ライアン・プリースがポールポジションからスタート。6番手スタートのベルも上位争いに加わりましたが、ステージ1終了後のピットイン時にスピンさせながら横向きに入ってしまい、大きくタイムロス。35位へと後退してしまいました。

 プリースはトップ10圏内に付けていましたが、何かの破片がラジエータにあたり、穴が空いたことによりオーバーヒート、エンジンが壊れ、レースを終えることとなってしまいました。

 ステージ2のファイナルラップではブランドン・ジョーンズがスピン。ベルはトップ10を伺う位置までポジションを戻しましたが、今度はブランドン・ジョーンズが最後尾近くまでポジションダウン。

 ステージ3は、残り周回が20周を切ったところで17台が絡む『ビッグ・ワン』が発生。そこからの再スタート後にも2度にわたって多重クラッシュとなる荒れた展開に。レースは延長され、最後の2周「オーバータイム」で決されることとなり、8位で再スタートを切ったベルがトップを争い、3位でフィニッシュ。ブランドン・ジョーンズも追い上げ12位でチェッカーを受けました。

 次戦第17戦は7月13日(金)、ケンタッキー・スピードウェイで行われます。

ドライバー クリストファー・ベル
「我々のトヨタ・カムリは好調でした。このポジションで最後まで走り切ることが出来、これまでスーパースピードウェイでのレースでは結果が出ていなかったので、今日の結果は本当に誇らしいです」

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