第4戦の全日本スーパーフォーミュラ選手権には、ふたりの外国人ドライバーが代役参戦している。ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)とトム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)だ。あいにくの天候のなかで初めての富士スピードウェイに苦戦した金曜専有走行に振り返りながら、ここまで参戦して感じていることなどを聞いた。
■ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)
TEAM MUGEN15号車のステアリングを握るティクトゥム。FIA F2にダブルエントリーする福住仁嶺の代役として第3戦SUGOと今大会第4戦富士に参戦する、19歳のイギリス人ドライバーだ。2018年シーズンはFIA ヨーロピアンF3選手権にエントリーしている。
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ティクトゥムは富士スピードウェイ初走行、金曜専有走行で11番手と下位に沈んだ。前戦で走ったスポーツランドSUGOと今大会の富士スピードウェイを比べてこう分析する。
「SUGOの方がドライバーを選ぶサーキット。上手なドライバーじゃないと、あそこは走れない。一方、富士スピードウェイは広い意味で誰にでも優しいコースだ。(ふたつと比べると)SUGOの方が自分のドライビングスタイルにはあっているかな」
さらに、今日初めて履いたスーパーフォーミュラのレインタイヤについては「(ヨコハマタイヤの)ウエットタイヤのグリップの高さには驚いたよ」と感嘆している。
「ヨーロピアンF3選手権のレインタイヤは全然グリップしないから、ヨコハマのスーパーフォーミュラのウエットタイヤのレベルの高さにはびっくりした」
今回でスーパーフォーミュラ参戦2戦目となるティクトゥム。今週月曜に来日したというが、今回の参戦にあたって同郷のジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)にアドバイスをもらったのだとか。
「SUGOの前には(ピエール・)ガスリーと話す機会があったからスーパーフォーミュラについてアドバイスをもらったけれど、今回はロシターから。イギリス人ということもあって、レースだけではなくいろいろアドバイスをもらった」
天候が心配される明日の予選については「もし雨ならトップ10、ドライならトっプ5には入りたいけど、現実的にはトップ10かな」と冷静なコメント。
「刻々と変わるコンディションに慣れられるか(が大事)。そのためには各セッションの最初のアプローチが大事だ。どれだけ早く順応できるかが重要だと思っている」
前戦SUGOでは、予選9番手につけた。明日の天候次第ではコンディションもコースも一筋縄ではいかないだろうが、前回を上回る結果を残すことができるだろうか。
■トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)
UOMO SUNOCO TEAM LEMANSのパーマネントドライバー、ピエトロ・フィッティパルディの代役として、第2戦オートポリスからスーパーフォーミュラに参戦しているディルマン。29歳のフランス人ドライバーのディルマンはこれまでにフォーミュラ・ルノー、F3、GP3、GP2(現FIA F2)を経験し、2016年にはフォーミュラV8 3.5のチャンピオンを獲得した。2018年はWEC世界耐久選手権に参戦している。
ディルマンが注目を集めたのは、前戦SUGOの決勝レースだ。初めて走るスポーツランドSUGOのレースで予選18番手と下位に沈みながら、ミディアムタイヤでスタートしたディルマンはわずか7周でピットイン。ソフトタイヤに交換すると、残り61周を走り切って4位入賞を果たしたのである。しかし、今日のいまひとつ奮わなかった。専有走行の結果は14番手。
「今日の内容はあまり競争力がなかった。ふだんはもっといけるはずなんだけど。自分でも変えないといけないところがあると思うし、クルマで変えるところが必要ならエンジニアやメカニックに変えてもらう。カズヤ(チームメイトの大嶋和也)がいい結果(2番手)だったのだから、チームとして力を持っているはずなんだ」
それでもディルマンの強みは順応力の高さでもあるのではないだろうか。チームスタッフも「適応能力はすごい」と認める。さすが29歳の経験を蓄積してきたドライバーだけあるといったところか。
しかし明日の予選は天候が読めない状況。ディルマンは「雨のレースは好きなんだ。雨のレースで勝ったこともあるしね。今日はそれほど速くなかったけれど」と苦笑し、さらに続ける。「もし明日のフリー走行が雨で、予選がドライだったら、富士でドライを走ったことがないまま予選を迎えることになる」
もし予選がドライだった場合、ディルマンにはもうひとつ心配事があるという。
「チームとしてミディアムタイヤに苦戦しているから、そこをなんとかしないと予選の結果を改善できない。今日はミディアムタイヤに対するセットアップを変えていきたかったのだけど、こういう(雨の)天気だったものだからいっさいそれができなかった」
終始穏やかにインタビューに応えたディルマン。初の富士、初のレインタイヤ、そして経験することになるかもしれない富士での初ドライタイヤ。ディルマンにとって第4戦は、前戦の再現なるかと簡単に言えるレースではなさそうだ。
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