オーストリアGPの週末始め、ブリスターを懸念する声は聞かれず、話題の中心はグレイニングにあった。しかし気温が上がった日曜日には、多くのマシンにブリスターが発生。特にソフトタイヤがこれに苦しめられた。
ブリスターは、タイヤのゴムの温度が上がりすぎたことで、内部に沸騰したような状態で気泡が出来るというモノ。その結果、タイヤ表面にもダメージが及び、グリップが落ちてしまう。
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ルイス・ハミルトン(メルセデス)とダニエル・リカルド(レッドブル)はこのブリスターに苦しめられ、予定外のピットストップを行わざるをえなかった。一方でレースに勝ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ブリスターに苦しめられはしたものの、なんとかこれを労わり続けた。また、フェラーリの2台は、ブリスターがほとんど発生しなかった。
ピレリのF1代表であるマリオ・イゾラは、ブリスターが発生するのもレースの一部であるとしたものの、今回ほどひどくあるべきではないと語った。
「昨年もこのコースでは、ブリスターが発生した。だからこのコースではブリスターが発生する可能性があると思っていた」
そうイゾラはmotorsport.comに対して語った。
「ブリスターとグレイニング(ささくれ磨耗)は、最もよく知られたタイヤに起きる症状のうちのふたつだ。そして、彼ら(チーム)はそれを管理する方法を知っている」
「我々は明らかに、どこでもブリスターが発生するような状況を望んではいない。それは本当の意味でのレースではないからだ」
「ブリスターが起きれば、それを労わるか、あるいはタイヤを交換するだけだ。しかし、レースの結果に影響を及ぼすようなひどいブリスターができるべきではない」
「モンツァでは、暑くなった場合にブリスターが起きる場合がある。特にフロントタイヤだ。なぜならモンツァではキャンバーをつけるし、ブレーキングとトラクションを繰り返すからだ」
「ブリスターが発生してしまうサーキットもある。しかしその一方で、ブリスターの発生を抑えるために、あまりにも硬いタイヤを選択したくはない」
イゾラ曰く、気温が高かくなったことが、オーストリアでブリスターが発生した鍵であると語った。
「日曜日は、金曜日とは全く違うコンディションだった。とても暑かったんだ。これを予想するのは本当に難しかった。そしてフリー走行では、レースと同じくらい長く走ることはほとんどない」
「金曜日と土曜日に問題の中心となったのは、ウルトラソフトタイヤに発生するグレイニングだった。ブリスターではなかった」
「グレイニングのほとんどは、マシンのセットアップに関連していた。何台かのマシンはフロントタイヤに発生し、また他の何台かはリヤタイヤのグレイニングに苦しんでいた」
「決勝でのブリスターも、同じような状況だった。フェルスタッペンは、フロントタイヤにブリスターが出ていた。他のマシンはリヤにブリスターが出ていた。これも恐らく、セットアップに関連していた可能性がある」
「ソフトタイヤで見られたブリスターは、磨耗がなかったために、温度が保たれてしまったことが原因だと考えている。なぜそう言うかといえば、ソフトの方がスーパーソフトタイヤよりも多くのブリスターがあったからだ」
「そのくらい深かったのか、そして表面のブリスターなのかそうではなかったのかを評価するのは、とても重要だ」
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