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スポーツ 2018.7.2

サーキットでは肝に銘じて走りたい「スローイン・ファーストアウト」とは

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日常の運転でも大きく役立つドライビングテクニックの基本

普段の何気ない一般道でも、カーブや交差点の手前ではアクセルペダルから足を離し、ときにはブレーキを踏んで減速し、ゆっくりと曲がろうとするだろう。本能的には、「このままのスピードだと次のカーブを曲がりきれないかもしれない」から「怖い」と感じて速度を緩めるという、一連の運転動作ともいえる。もしくは、免許を取得するために通った教習所で教わる「安全確認」のために速度を落とすことも、優良ドライバーになるためには欠かせないことである。

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スローイン・ファーストアウトの恩恵

今回のお題となる“サーキット走行”においても、コーナーの手前でしっかりとスピードを落として、カーブを曲がる準備をしておくことは、一般道で安全運転を心がけることと同じ。サーキットでのスポーツドライビングといえば、特別な運転技術が必要と思われがちだが、決してそんなことはない。一般道でもサーキットでもクルマを運転する基本操作は一緒。初心者でもプロのレーシングドライバーも変わることはないのだ。

では、サーキット走行において“スローイン・ファーストアウト”という言葉が重要視されるのか……。直訳すると、”スローイン=進入はゆっくり、ファーストアウト=素早く脱出”という意味。もちろんこれは、コーナーをクリアするときに必要になる運転動作のこと。具体的には、コーナーに差し掛かる手前でカーブを確実に曲がれる速度までブレーキを踏んで進入スピードを抑え、ハンドルを切ってカーブを曲がり終えたら今度は再びアクセルペダルを踏んで、次の直線に向けてスムーズに立ち上がることを表現している。

サーキットでのスポーツドライビングは、速度制限のないコースを全開走行するのが何よりの楽しみ。いい意味で、日頃のストレスを発散するには最高の場所だ。だけど、日常のほとんどは忘れてしまっても構わないが、ゼッタイに忘れちゃイカンのが“スローイン・ファーストアウト”なのだ。

いざ、サーキットを攻めるとなればテンションが上がってしまい、速く走ることだけに意識がいきがち。速く走るのがサーキットなのに“スローイン”など、いまの自分には関係ないと思ってしまう心理は分からなくもない。すると、冷静さを欠いて、オーバースピードでカーブに入ってしまい、コーナーであたふたしてしまって、結局、次のアクセルオンの操作が遅れてしまうことに。最悪はコースアウトしてクルマを壊してしまう可能性もある。

サーキットのインストラクターが口酸っぱく“スローイン・ファーストアウト”と何度も口にするのはそのためだ。「目を三角にしてギリギリまでブレーキを我慢しても、いいことなどひとつもないんだよ!!」と教えているにほかならない。ハンドル操作、ペダル操作、シフト操作を常に冷静に行うことが重要。速く走るためには意外にも「ど根性論」は理論的には成立しないわけだ。

身体で覚えるプロの同乗走行

ドライビングレッスンなどでは、インストラクターが運転するクルマの助手席に乗せてもらえる機会も多い。いわゆる同乗走行だ。そこで思い知らされるのが、コーナーの手前でびっくりするほど減速させる丁寧で的確なブレーキング。コーナーでのアプローチは、いかに早くアクセルを全開にして立ち上がれるかを考えていることがわるはずだ。アクセルを踏まないとクルマは前に進まない、は究極の「当たり前だ。だが、その当たり前が「できる」か「できない」で、サーキットを1周走る上においては、ラップタイムとして大きな差になる。その理屈こそが“スローイン・ファーストアウト”という言葉に隠されている。コーナーをクリアするときに、たびたび論じられるのが「ツッコミ重視」か「立ち上がり重視」かという課題。もちろん走り方や車種、駆動方式などで例外はあるし、明確な答えもない。だが、意識の持っていき方を「立ち上がり重視」にしたほうが、比較的アクセルを早く全開にできる。このことから、ドラテク向上の教えでは「立ち上がり重視」が優先されるケースが多い。

“スローイン・ファーストアウト”とは、サーキットを安全かつ冷静に走るようにすることがひとつ。そして一歩踏み込んだところでは、コーナーをクリアする上で「立ち上がり重視」という、次の動作を予測する姿勢づくりの重要性を説いた言葉だと言えよう。スピードレンジが高いサーキットでのスポーツドライビングで大事なことは「先を見越した予測こそすべて」だ。

(岡田 幸一=文)

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(Auto Messe Web 『Auto Messe Web編集部』)

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