金曜日のレポートでも書いたように、1周が短いレッドブルリンクでは、わずかなミスも許されない。土曜日の予選ではそのわずかな差がピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーの明暗を分けた。
「初日のフリー走行のデータを分析する限り、今回オーストリアGPに持ち込んだ新しい空力パッケージが予想通りの挙動を示しているので、土曜日からは2台ともに新しい空力パッケージで臨むことになるだろう」と、金曜日のフリー走行後にジョナサン・エドルズ(チーフレースエンジニア)が語ったように、フリー走行3回目からはトロロッソ・ホンダの2台は新しい空力パッケージでセッションを開始した。
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しかし、セッション終盤にハートレーが最終コーナー手前の縁石でフロントウイングを破損してしまう。
「スペアパーツが足りなくて、僕の予選では旧型のフロントウイングを使用することになった」というハートレー。今回、トロロッソはフロアも新しくしているが、フロアにダメージはなかったため、フロントウイングだけ旧型に戻した。
「旧スペックと新スペックの中間のハイブリッドみたいな状態で走ることになって、その状態で走ったことがなかったから、予選はちょっと難しかった」というハートレーは、予選Q1で17番手に終わる。ただし、Q1通過ラインの15番手のランス・ストロール(ウイリアムズ)との差は0.015秒差。もし、フリー走行3回目で新フロントウイングを壊していなければ、Q2へ進出していた可能性は高い。
一方、チームメイトのガスリーは、金曜日の2つのセッションともにトップ10内に入る走りを披露した後、こんなことを語っていた。
「明日は空力もパワーユニットも最新の仕様になると思うけど、個人的には今日走ったこのままの仕様でもいいと思っている」
しかし、ガスリーが客観的な根拠があって言ったことではなく、「セッション後にエンジニアからデータを見せられて、最新の仕様にしない理由がなかった」ため、空力パッケージもパワーユニットも最新の仕様で予選に臨んだ。
Q1を13番手で通過したガスリーはQ2で2回アタックした。しかし、最後のアタックではセクター1は1回目のアタックより速かったが、セクター2と3で1回目のタイムを上回ることができず、自己ベストを更新できないまま12番手で予選を終えた。
「僕は自分のラップに満足しているし、マシンが持っているポテンシャルを最大限発揮できた。今日はトップ10には手が届かなかった」とガスリーは予選を振り返ったが、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、違った見解を示した。
「フランスGPほどひどくはありませんが、まだちょっとスタビリティだったり、トラクションのかかり具合だったり、バランス変化などに関して、ドライバーが満足していない部分がありました。それは車体のセッティングの話だけでなく、予選におけるパワーユニットのスペシャルモードに関しても言えます」
日曜日のレースだけでなく、次戦イギリスGPに向けても、トロロッソ・ホンダがやるべきことはまだまだある。
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