現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【津川哲夫の私的F1メカ】注目されるフロントタイヤ後端の空力。規定の解釈が難しいカモメ・ウイング&カナード

ここから本文です

【津川哲夫の私的F1メカ】注目されるフロントタイヤ後端の空力。規定の解釈が難しいカモメ・ウイング&カナード

掲載 更新
【津川哲夫の私的F1メカ】注目されるフロントタイヤ後端の空力。規定の解釈が難しいカモメ・ウイング&カナード

 スペインGP後のこのコラムで、レッドブルRB14のカモメ・カナードのスリットについて言及したが、あの時点ではまだ細かなレギュレーションが把握できない状況だったので、下部の形状が確認できずに、推測で空力的効果を考えていた。当然、チーム側はレギュレーションを踏まえて制作しているわけだが、今回のフランスGPでは堂々と車検のボスと実車を見ながら説明を受けることができた。

 車検のボスはまずはフロアフロント・バージボードエリアは未だにエアロの宝庫、開発すればするほど効果を見い出せる部分だと言う。そのため、チーム側からはほぼ毎レース、大小さまざまな変更が加えられ、一度として同じものが走ったことはないのだそうだ。

【津川哲夫の私的F1メカ】レッドブルRB14のワクワクする新エアロ処理:カモメ・カナード

 そして、フロアフロントの空間はバージボードと言う名のもとに、ほとんどフロント部へのフロアの大幅なエクステンダー(拡大増量材)であり、しかもそこに、数え切れない程の多くのスリットが切り込まれている。もちろん、このスリットの多くが空気流を床下へ引き込むものだ。

 ドラッグの減少、床下流の確保、ポッドサイドへのフローマネージメント……さまざまな効果が想像されるが、レギュレーションの視点からは、そのバージボードフロアの上部は床下から見た場合、真上に遮るものがあってはならず、したがって、切り欠きを入れれば床下から空が見えなければいけないのだという。

 つまり、レギュレーションをクリアするためには、スリットの空間わずか数ミリ単位の切り欠きを覆う部分に、同じように切り欠きを入れて空が見えるように隙間を作らなければいけなくなる。フランスGPでは車検のボスは「ザウバーのカモメと床のスリットを見て見てね、理屈が解ると思うから」と話していた。

 ちなみにこのザウバーの件、車検の親玉は「この切り欠きは遵法だけど、もしも剛性不足で壊れたりしたら禁止にするよ」と言っとりました。

関連タグ

こんな記事も読まれています

GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
WEB CARTOP
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
AUTOSPORT web
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
AUTOSPORT web
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
WEB CARTOP
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
くるまのニュース
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
motorsport.com 日本版
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
月刊自家用車WEB
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
くるまのニュース
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
モーサイ
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
バイクブロス
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
月刊自家用車WEB
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
バイクブロス
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
日刊自動車新聞
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
VAGUE
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
くるまのニュース
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
motorsport.com 日本版
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
@DIME

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村