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DTMとスーパーGTの2019年交流戦は富士とドイツ国内での2戦を予定。タイヤはワンメイクなど概要が明らかに

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DTMとスーパーGTの2019年交流戦は富士とドイツ国内での2戦を予定。タイヤはワンメイクなど概要が明らかに

 ヨーロッパで最も人気のあるシリーズの一つであるDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の第7戦ノリスリンクが行われた6月23日。現地時間の午前11時(日本時間午後6時)に、DTMを統括するITRとスーパーGTのオーガナイザーであるGTA(GTアソシエイション)による共同記者会見が行われた。

 冒頭、GTAの坂東正明代表取締役から、『クラス1』技術規則(テクニカル・レギュレーション)作成の共同作業が完了したことが発表され、さらに2019年には日本とヨーロッパでそれぞれ一戦ずつ、GT500とDTMのマシンによる交流戦を開催する計画も明らかにされた。
 
 スーパーGTとDTMは数年前からレギュレーション統一に関する議論を続けており、すでに車体の骨格であるモノコックや駆動系の基幹部品であるクラッチシステム、空力パーツなど多くの部品が共通となっている。

DTMとスーパーGTがノリスリンクで共同会見。『クラス1』技術規定を公開

 また昨年は10月のホッケンハイム、11月のツインリンクもてぎと、DTMとSUPER GTそれぞれの最終戦におけるデモンストレーション走行の実現にもこぎつけた。GTA坂東代表によれば、「昨年、ドイツと日本の両国で行われたデモランが大きな成功を収め、我々の協力関係は非常に深まっている」との事だ。
 
 ITRのゲルハルト・ベルガー会長からは、『クラス1』レギュレーションの3つの柱についての説明があった。2009年シーズンにDTMに参戦する全車は、高い安全性、低コストと戦闘力の均一化に留意したこの新しいレギュレーションに100%則したものとなる。

 エンジンも、現在のV型8気筒4リッター自然吸気からNRE(ニッポン・レース・エンジン)をベースにしたスーパーGTと同じ2リッター4気筒ターボに変更される。「ほぼ全てのエリア」のコンポーネンツは共通部品とされ、日本とヨーロッパで生産・供給される。設計と開発に関わる投資が不要になり、自動車メーカーにとっては大幅なコスト削減につながる。

 一方で、共通パーツの採用が性能の均一化につながり、レースが今よりもエキサイティングなものになる事が期待される。その他、エンジンとブレーキの冷却性能向上のための車体前部のデザイン変更、フロントとリヤのディフューザー形状の修正なども行われるという。

 
 スーパーGTでは、今年から適用されたレギュレーションが2019年シーズンも継続される事が決まっている。そのため、『クラス1』に基づいたマシンが走るのは2020年シーズンからとなる。したがって交流戦では、2019年に限っての性能調整(BoP:バランス・オブ・パフォーマンス)によって開催されることになる。

 レースの形式は、基本的にDTM方式を踏襲。レース中に一回のピットインとタイヤ4本の交換が義務づけられる一方、ドライバー交代と再給油は行わないスプリントレースを週末に2度行う予定だ。タイヤもワンメイクとなり、ヨーロッパ戦ではDTMが、日本戦ではスーパーGT側が、それぞれ決定した1ブランドのタイヤで行うことも発表された。
 
 場所について地元のドイツ人ジャーナリストから質問が出ると、坂東代表は「長い直線で最高速が時速300キロを超える」富士スピードウェイでの実施を検討していると回答。

 一方、ヨーロッパ戦の開催地は、チームの移動、チャンピオンシップの流れなど様々な要素を考慮して慎重に検討する必要があり、現状は全くの白紙らしい。開催場所がどこになろうと、『クラス1』レギュレーションで行われる世界初の交流戦は、歴史的なものになるだろう。
 
「このレギュレーションによって、自動車メーカーとレーシングチームは世界の2つの地域で行われる非常にレベルの高いレースにコスト効率の良い形で参戦する事が可能になります。DTMとスーパーGTが共通の目的、すなわち合同でのレース開催、に向けて大きく前進したことは本当に嬉しく思います」とベルガー会長が最後に語っていた。

 坂東代表からは、「2019年にはDTMとスーパーGTのマシンが戦うレースを開催します!」 と、とても力強い宣言があった。一年後が待ち遠しい。


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