DTMドイツツーリングカー選手権は6月3日、ハンガリーのハンガロリンクで第6戦にあたる第3ラウンドのレース2が行われ、マルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM)がトップチェッカーを受けた。
1日(金)の予選から悪天候が続いたDTMハンガロリンク。3日に行われたレース2決勝はスタート直後こそ、くもり空だったものの数周後には雨が降り出すコンディションとなった。
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レースはポールシッターのルーカス・アウアー(メルセデスAMG C63 DTM)が先導する形で進んでいくが、突然降り出した雨を受けてアウアーは7周目、レース残り45分を切ったところでピットへ向かう。
しかし、雨あしが強かったこと、ピットレーン上はマシンが走行しておらず水が溜まっていたことなどが重なり、クルーが待ち構える作業エリアに向けてブレーキングした際、アウアーのマシンはコントロールを失ってしまう。
スピードを充分に落とせないまま、ピットガレージ入り口方向へ進んでしまったアウアーのマシンは、ピットクルーや作業を監視していたマーシャル、ファイヤークルーなどを跳ねながら、ガレージ入り口の柱に激突。
この事故に巻き込まれた跳ねられたスタッフのうち、マーシャルは足を複数箇所骨折する重傷でヘリコプターを使って救急搬送。2名のファイヤークルーがサーキットの救護施設で手当を受けたほか、3名のピットクルーが負傷してしまう。
またアウアーの直後にピットインしたブルーノ・スペングラー(BMW M4 DTM)も作業エリアでマシンを止められずにピットクルーを跳ねてしまったほか、そのあとにピットインしてきたエドアルド・モルタラ(メルセデスAMG C63 DTM)もマシンを止めきれずに、給油タワーに激突。ピットクルーやマーシャルを跳ねたほか、給油タワーをなぎ倒してしまった。
この一連のアクシデントを受けて、レースは8周目、残り42分を切ったところで赤旗中断。コンディション回復を待ってレースは残り26分で再開された。
このリスタート時に7番手だったウィットマンは、再開直後にゲイリー・パフェット(メルセデスAMG C63 DTM)を交わして6番手に浮上。翌周にはチームメイトを交わして5番手までポジションを上げる。
レース終盤に向けて上位陣がピットインしていき、レース残り2分20秒で暫定トップだったニコ・ミューラー(アウディRS5 DTM)がピットインすると、ウィットマンが首位に浮上。5.6秒差の2番手にティモ・グロック(BMW M4 DTM)、3番手にフィリップ・エング(BMW M4 DTM)が続く形に。
トップに浮上したウィットマンは危なげない走りで逃げ切り、シーズン初優勝。2位、3位にグロック、エングが続き、BMWが表彰台を独占した。優勝したウィットマンはレース後、「本当に信じられないレースで、この結果は予想もしていなかった」とコメントしている。
また、レース終了から4時間後にはピットレーンで事故を起こしたアウアー、モルタラ、スペングラーの3名に失格処分が下され、DTMを運営するITR.e Vのゲルハルト・ベルガー代表は「今日のアクシデントは安全が最優先であることを改めて示した」と述べ、「負傷したマーシャルやメカニックたちのいち早い回復を願っている」とのコメントを発表している。
DTMの第6戦は6月22~24日、ドイツ・ノリスリンクで行われる。
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