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フェラーリ、すでにライコネンよりもベッテルを優先か。一方メルセデスには戦略にほころびも……

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フェラーリ、すでにライコネンよりもベッテルを優先か。一方メルセデスには戦略にほころびも……

 ウイリアムズの元チーフテクニカルオフィサーのパット・シモンズは、フェラーリが中国GPでキミ・ライコネンに与えた戦略に基づいて、チームは今シーズンのタイトル争いにおいてセバスチャン・ベッテルをライコネンよりも優先するということをすでに決めているのではないかと考えている。

 ベネトンやルノー、その後ウイリアムズに在籍し、現在はロス・ブラウンの下でF1の方向性を決めるための委員会のメンバーとなっているシモンズ。彼は、中国GP決勝でライコネンのピットインが遅れたのは、ベッテルのレースを助けさせるためだったと主張した。片方のドライバーを優先する戦略は、時にフェラーリが使用するものだ。

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 皮肉なことに、中国GPで出動したセーフティカーと、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とのインシデントでベッテルが8位でフィニッシュしたのに対し、ライコネンは3位表彰台を獲得している。

 また、そのような戦略はコンストラクターズタイトルを争う上で、フェラーリのチャンスを助けるようなものではないとシモンズは語った。

「彼ら(フェラーリ)は、どのようにレースに臨むのか決める必要があると思う」

「中国でのライコネンの”使い方”は、残念だった。彼はとても長くコース上に留まり、他のマシンを遅らせようとした」

「正直に言って、それは機能しなかった。ライバルたちが彼のところに到達するまでに彼のタイヤは終わってしまっていて、簡単に追い抜かれてしまった。だから、戦略的に素晴らしい決定というわけではなかった」

「それはコンストラクターズタイトルを狙うような戦い方ではない。彼らは間違いなく、ドライバーズタイトルの方が重要だと考えていて、その獲得を目指して決断を下している」

 シモンズは、2014年にF1がターボ&ハイブリッド時代に入ってから、フェラーリにとって今年が1番良い年になると考えている。

「シーズン前から、フェラーリとメルセデスが僅差だと思っていたが、メルセデスにはまだ何か見せていないものがあるとも感じていた。最初の数レースで、それは見えてきてはいないがね」

「フェラーリのパフォーマンスは一貫している。彼らの予選パフォーマンスは妥当なものであり、レースペースも非常に良い。彼らはこれまでの多くのシーズンよりも強いようだし、本当に良いシーズンを過ごすチャンスがあるだろう」

 さらにシモンズは、より競争が激しくなったことでメルセデスが長年抱えている弱点であるタイヤマネージメントに注目が集まるようになってきたと述べた。

 V8エンジン時代の終盤にはその弱点が明白だったが、パワーユニットが2014年に導入された後、全体的なパッケージによってそれが隠されてしまっていたとシモンズは指摘した。

「メルセデスの最近の歴史を振り返ってみると、彼らが克服できていない問題がタイヤマネージメントだ」

「ハイブリッドが導入される前の時代には、エンジンのアドバンテージがなく、それ(タイヤマネージメントの問題)が多く見られた。もし彼らがタイヤをうまく機能させられなければ、素晴らしいレースはできないんだ」

「2014年から2016年にかけては、単にパワーの面でアドバンテージが大きかったために、それが隠されていたのだと思う」

「昨年、彼らのマシンが『プリマドンナ』と呼ばれているのを耳にした。それは一体なんだ? 私の考えでは、レースウィークごとにパフォーマンスが異なることを、空力やビークル・ダイナミクスでは説明できなかったのだ」

「エアロやシャシーのパッケージについて、セットアップを適切に行うことでコンマ1秒やそこらは、金曜日から土曜日にかけてタイムが変わることもあるだろう」

「しかし大きくパフォーマンスが変わり、突然競争力がなくなるような場合、それはタイヤのせいだ。そしてそれは、タイヤの温度を正しく上げられず、うまく使えていないということなのだ」

 シモンズはフェラーリが強力なライバルとなったことで、メルセデスの戦略にも弱点が見え始めていると考えている。

「戦略的に、メルセデスもまたトラブルを抱えている」

「マシンが速く、レースをコントロールできている時には、戦略は自ずと限られてくる」

「しかし最近は何か……彼らが間違っているとは思わないが、戦略的に不完全な判断をしている。それは、たとえば以前そういった不完全な決断をしていたとしても、パフォーマンスが優位だったために、それを目にすることがなかったからだと思う」

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