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山本尚貴からくも逃げ切り。2年ぶり優勝をポール・トゥ・ウィンで飾る

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山本尚貴からくも逃げ切り。2年ぶり優勝をポール・トゥ・ウィンで飾る

 2018シーズンの開幕戦鈴鹿の決勝レースが行われ、山本尚貴(TEAM MUGEN)が逃げ切り、2年ぶりの勝利をポール・トゥ・ウィンで飾った。

 今季から2スペックのスリックタイヤが導入されたスーパーフォーミュラ。鈴鹿サーキットの気温は26度、路面温度40度と週末を通して一番暑いコンディションとなっただけに、各チームはスタートタイヤの選択に頭を悩ませた。

山本尚貴、ポール獲得に嬉しい驚き。一方、決勝は「本当に分からない」

 結果、グリッド上位6台はミディアムタイヤを装着。ソフトタイヤを装着した中では、7番手の中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が最上位だ。後方では、挽回を狙いソフトタイヤを選んでスタートするマシンが多かった。

 レッドシグナルが消えると、ポールポジションの山本が好スタートを見せホールショットを獲得、2番手にチームメイトの福住仁嶺が続く。3番グリッドの野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は後方に沈み、代わって伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)が3番手につけた。

 しかし伊沢の後方につけていた塚越広大(REAL RACING)は、オープニングラップの日立オートモティブシステムズシケインでしかけオーバーテイク。3番手に浮上するとそのまま福住にも追いつき、3周目の1コーナーでアウト側から豪快にかぶせ追い抜き完了、2番手となった。

 後方では、ソフトタイヤの国本雄資(P.MU / CERUMO・INGING)が9番手から5番手までポジションを上げた。

 1分42秒台のハイペースを見せる塚越は、トップの山本すら射程圏に捉える。6周目のバックストレートでオーバーテイク(OT)ボタンを押す山本に迫るも、シケインのブレーキングで突っ込みすぎたか、オーバーテイクはできなかった。

 8周目には、メインストレートでお互いOTボタンを押し合う展開。山本は巧みに塚越を抑え込み、リードチェンジを許さない。一方、3番手の福住はふたりの7秒後方。さらにその2.5秒差の4番手の伊沢以降、12番手ニック・キャシディ(KONDO RACING)は1秒以内のギャップで続く大集団だ。

 最初にピットへ動いたのは、8番手の山下健太(KONDO RACING)。12周終わりでソフトからミディアムタイヤにスイッチした。対して、集団の中でペースが苦しいのか、野尻が平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)に、松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がニック・キャシディ(KONDO RACING)に先行を許してしまう。

 その松下は15周終了時点でピットに入り、ソフトからミディアムへ。すでにピットに入った山下の後ろでコース復帰した。その翌周から、キャシディや小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、千代勝正(B-Max Racing team)がピットイン。ソフトタイヤスタート勢が続々とピット作業を行っていく。

 レース序盤に山本を攻めていた塚越は、19周終わりでピットインしソフトタイヤに交換。ソフトタイヤでは30周以上を走行するのは厳しいと考えられるため、2ピット作戦の可能性が高まった。戦略を遂行すべく、ピットを出た塚越はここでも1分42秒台のラップを記録していく。

 24周終わり、ソフトタイヤスタート勢の中で最もピット作業を遅らせていた関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がピットイン。ミディアムタイヤに交換してコースに復帰するが、後方からはすでにタイヤが暖まっている平川が急接近した。

 すると、平川はヘアピンで関口のイン側に飛び込むが、関口も順位を死守するためブロック。その結果、平川が関口のマシンに乗り上げてしまうような形となり、チームメイト同士で接触してしまった。平川はそのままグラベルでマシンを止めてしまった。関口のマシンは走行を継続、直後に1分43秒台のタイムを残しており、幸いダメージはあまりなかったようだ。

 29周終わりで、ミディアムタイヤで走行を続けていた野尻がソフトタイヤに変更。その翌周には伊沢もピットへ。しかしここで作業に少し時間がかかってしまい、野尻に逆転を許してしまった。彼らに続き、ミディアムタイヤスタート勢も徐々にピットサイクルに移っていく。

 2番手の福住は30周終わりでピットイン、関口の後ろでコースに戻るもまさかのスロー走行。マシンにトラブルを抱えているようで、なんとかピットに帰り着いた福住だが、ガレージにマシンを入れてしまった。

 一方、31周終わりでピットに入った山本。34周終わりで塚越が2度目のピット作業を行ったことで、事実上のトップに復帰した。2番手には4秒後方に一番最初にピットに入った山下、トップから10秒差の3番手に関口というトップ3だ。

 好ポジションにつけていた山下は、12周終わりという早い段階でピットに入っていたため、37周終わりで再度ピットイン。ここでソフトタイヤを装着し、14番手でコースに復帰した。これで関口が2番手、3番手以降は野尻、石浦、伊沢という序列だ。

 2ストップ戦略の塚越は41周目にキャシディをパスし、7番手に浮上。さらにペース良く前の国本に迫った。しかし、その国本は42周終わりにピットに入り燃料給油、13番手に後退した。

 10秒差でトップに立っていた山本は、タイヤが厳しいのかペースダウン。徐々に2番手の関口が近づいていく。

 その差はファイナルラップで2秒近くまで縮まるが、山本は残っていたOTボタンをプッシュ。関口より1.720秒早く、トップでチェッカーを受けた。

 2位の関口はソフトタイヤを上手く使いこなし、14番手から大きくポジションアップ。表彰台に上がった。3位にはスタートで出遅れたものの、その遅れを取り戻した野尻が獲得した。

 4位は現王者の石浦宏明(P.MU / CERUMO・INGING)、5位伊沢の後ろには、2ストップ戦略の塚越が入っている。7位はキャシディ。昨年の開幕戦ウイナーである8位中嶋までがポイント獲得となった。

 なお関口との接触の件で、平川には次戦3グリッド降格ペナルティが科せられている。

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