マルケス開幕戦で2位表彰台獲得。クラッチローは4位、ペドロサが7位に入る
2018年のシーズン開幕戦カタールGP決勝は、予選2番手からトップグループに加わったマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が2位でフィニッシュしました。
MotoGPカタールGP決勝:開幕戦から超接戦。ドビジオーゾが0.02秒差でマルケスを破りカタール初優勝
予選2番手から好スタートを切ったマルケスは、オープニングラップを制しますが、2周目にはポールポジションを獲得したヨハン・ザルコ(ヤマハ)がトップに立ち、マルケス、アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、カル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)らとともにトップグループを形成しました。
そして終盤に入った18周目にドビジオーゾがトップに立つと、マルケスがそれに続き、集団から抜け出す展開となりました。そして迎えた最終ラップは、ドビジオーゾとマルケスの一騎打ちとなり、最終ラップの最終コーナーのブレーキングでマルケスが一度は前に出ますが、クロスラインで立ち上がったドビジオーゾが、わずかの差で先着。マルケスは、0.027秒差の2位でフィニッシュしました。
ウインターテスト、そして開幕戦のレースウイークに入っても好調だったマルケスは、シーズンを通して苦手なサーキットの一つでもあるロサイル・インターナショナル・サーキットでフロントロー獲得の2番手グリッド獲得、決勝では2年ぶりに表彰台に立つ絶好のスタートに明るい表情でした。
予選4番手から決勝に挑んだクラッチローは4位でフィニッシュしました。オープニングラップは、マルケス、ザルコ、ペドロサ、ロッシ、ペトルッチに続く6番手。4周目にはペドロサを抜いて5番手に浮上。さらに終盤になると、ペースを落としたザルコを抜いて4番手に浮上しました。
トップ3の戦いに加わることはできませんでしたが、終盤は、優勝争いのグループと同じペースで走り、今季の活躍を期待させました。
序盤、マルケスに続いて3番手を走行したペドロサは、リヤタイヤのグリップに苦戦。思うようにペースを上げられずポジションを落とし、最終的に7位でフィニッシュしました。期待した結果は残せませんでしたが、序盤はとても力強い走りをみせました。
マルケス同様、ペドロサもロサイル・インターナショナル・サーキットを苦手としています。そのサーキットで好スタートからトップグループに加わり、ウインターテストの成果を感じさせました。結果は期待したものではありませんでしたが、次戦アルゼンチンGPに向けて手応えのあるレースとなりました。
予選14番手から決勝に挑んだフランコ・モルビデリ(エストレージャ・ガルシア・0.0・マーク・VDS)がルーキー勢トップの12位でフィニッシュしました。
好スタートを切ったモルビデリは、オープニングラップ12番手につけると、アンドレア・イアンノーネ(スズキ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)、ティト・ラバト(ドゥカティ)らとグループを形成しました。
ウインターテストでは、MotoGPマシンの攻略にやや苦戦したモルビデリでしたが、本番を迎え、大きな一歩を刻みました。
トーマス・ルティ(エストレージャ・ガルシア・0.0・マーク・VDS)は16位。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、予選23番手から追い上げて17位でフィニッシュしました。
ライダーコメント
マルク・マルケス(MotoGP 2位)
「なんというレースでしょう。このサーキットはカレンダーの中でもっとも苦戦する一つなので、2位でフィニッシュすることができてとてもうれしいです。プレシーズンテストで、期待していたことが分かりました」
「レースではハードフロントタイヤを選択しました。左コーナーで少し苦しみましたが、ミディアムではレースを完走できなかったと思います。最終コーナーでドビ(アンドレア・ドビジオーゾ)をパスしようとしましたが、彼に負かされてしまいました」
「正直そうなるんじゃないかと思っていましたが、それでもなにか方法がないかとトライしました。最後はドビの方が僕より持っているものがありました。彼にふさわしい勝利でした」
「スタートで彼が少し後ろにいましたが、彼が来るのを待っていました。彼の戦略は最後にプッシュすることだと分かっていたし、彼が(ヨハン)ザルコをパスしたとき、『さあ、行くぞ』と自分に言い聞かせました」
「彼についていき、もう少しではらんでしまうところでしたが、素晴らしいレース、素晴らしいショーになりました。一番うれしいことは今回ストレートで彼についていくことができたことです。これはとてもいいことです」
カル・クラッチロー(MotoGP 4位)
「うれしいです。今日の目標は表彰台に立つことでしたが、ポイント圏内でフィニッシュすることも、一つの目標でした。これは過去2年、達成できなかったことだからです」
「今年もチャンピオンシップは長いです。冬の間素晴らしい仕事をしてくれたLCRホンダ・カストロールチームに感謝したいです。Hondaとして、マニュファクチャラーとして、彼らはエンジンで最高の仕事をしてくれました」
「これでストレートでは、さらに戦闘的になりました。今日は表彰台のみんなを称賛したいです。彼らは素晴らしいレースをしました。そして楽しかったです。(ヨハン)ザルコの後ろについたとき、『輪ゴム』がはじけたように前の3人が離れてしまいました」
「彼をパスしたときに僕は彼らと同じようなペースでしたが、彼らに追いつくことはできませんでした。しかし、離れることもありませんでした。それが分かったとき、とにかく完走して13ポイント持ち帰ろうと決めました。次戦は過去にいい結果を残したアルゼンチンなので楽しみです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 7位)
「全体的にマシンは十分うまく機能していました。レースウイークを通してフィーリングが上がったのでうれしいです。ハードフロントタイヤはとてもいい選択でした。コーナー進入でハードブレーキすることができましたし、安定したペースをキープできました」
「レースウイークを通してフロントの感触を改善するためにかなり取り組みました。いいスタートを切ることができました。序盤のコーナーの走りには満足しています」
「残念ながらリヤのフィーリングがあまり力強くありませんでした。タイヤはかなりスピンして、3コーナーやセクター4のほかのコーナーでもリヤが流れました。開幕戦はとても重要です。この問題がなければ、表彰台争いができたと思うと、とても残念です。でも今後のレースへ向けて自信になりました」
フランコ・モルビデリ(MotoGP 12位)
「思っていたよりいい結果でしたし、とてもいいデビュー戦になりました。チームから与えられた目標を果たすことができて、とてもうれしいです。いいスピードがありましたが、もっとも重要なことはレースを完走し、学ぶことでした」
「それをこなすことができました。レース序盤はホルヘ・ロレンソやマーベリック・ビニャーレスと走っていました。とてもいい気持ちでした。MotoGPについてさらに理解を深めて前進できるように引き続き、がんばらなければなりません」
トーマス・ルティ(MotoGP 16位)
「ポイント圏外でしたが、初めてのレースで16位になれてうれしいです。ウインターテストを終えたときに思っていたよりもいい結果でした」
「レースではブレーキングエリアに少し問題があり、何度かはらんでしまい、かなりタイムをロスしました。でも全体的にはテストで学んだように走ることができました。これからすべてを分析して、次のアルゼンチンで前進できるように取り組みたいです」
中上貴晶(MotoGP 17位)
「昨日のフリー走行で転倒した1号車が完ぺきな状態ではなく、今日は2号車で行くことにしました。2号車は、昨日リヤホイールのセンサーに問題がありましたが、それも解消して決勝に挑みました」
「初めて経験するMotoGPのレース。22周を走って、ものすごく勉強になりました。終盤の10周は、1分56秒前半で走れました。このペースで最初から走れていたらトップ10に入れたと思うので、その理由をしっかり確認したいです」
「今日のレースをしっかり理解できれば、次につながると思います。初めてのMotoGPレースとなりましたが、本当に勉強になりました。次のアルゼンチンで成長した走りをみせたいです」
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