トヨタ86のR3仕様でターマックラリーにチャレンジ。国内はヴィッツで戦う
2019年の全日本ラリーにおいて、デビュー初年度ながら好スタートを切り、注目を集めた女性ラリーストがいたことを覚えているだろうか。ドライバー:板倉麻美、コドライバー:梅本まどかのコンビは、「茂原(サーキット)の女王」として知られる板倉選手のキレキレのドライビングや、梅本選手が元SKE48のアイドルだったという経歴や日本二輪車普及安全協会のアンバサダーを務めることなどからファンも多い。
とはいえ、二人は国内ラリーでの頂点を目指しているわけではない。
板倉・梅本組を擁してラリー参戦をしているウェルパインモータースポーツの松井悠監督も含め、チームの目標は世界にある。それは松井監督が現役時代に参戦を果たしたWRCである。すでに2019年には海外ラリーの視察にいったこともあるが、2020年の活動計画ではWRCへのスポット参戦が発表された。そして、東京オートサロンではWRC参戦マシンが展示されたのだ。
そのマシンとは、トヨタGT86CS-R3。WRCのR3クラス(市販車改造・二輪駆動クラス)において公認を受けている唯一のFR車をチームは選んだ。このマシン、ドイツに本拠を置くTMG(トヨタモータースポーツ有限会社)が製作する市販ラリーマシン。車名が「GT86」となっているのは欧州ではトヨタGT86として販売されているためである。
外観は、リアスポイラーを含めて市販車そのものといえるが、キャビンにはレギュレーションを満たすべくロールケージが張り巡らされ、トランスミッションもシーケンシャルタイプという本格的なレーシングカーである。このマシンを駆り、国内では考えられない速度域で争われるWRCに挑戦するということだ。参戦を予定しているのはWRC第12戦のドイツと第14戦のジャパン。いずれも舗装路を中心としたターマックラリーとなっている。
また、国内では2019年に引き続き、全日本ラリーに参戦する発表された。こちらもターマックラリーに絞り、第2戦の新城ラリー2020、第4戦 Sammy 久万高原ラリー、第6戦 MONTRE 2020の3イベントに参戦予定となっている。
全日本ラリーで用いるのは前年と同じくトヨタ・ヴィッツGR SPORT。トヨタが開発したラリー用スポーツCVTを搭載したマシンで、2ペダル車が競い合っているJN6クラスを舞台に戦いを挑む予定だ。
つまり、板倉・梅本組の活動予定は、前半は全日本ラリー、後半はWRCに参戦するというスケジュール。そして、二人のシーズン最終戦がラリージャパンというわけだ。まったく違うコースやマシンというのは試練でもあると感じるが、成長にもつながるはず。
参戦発表をした東京オートサロンでも、その活躍に期待する声が聞かれたが、はたして、どのような成長ぶりを見せてくれるのだろうか。いまからラリージャパンでの走りを応援するのが楽しみというファンも多いことだろう。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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