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モーターショー 2019.10.31

「楽しい?」「普及する?」 「話題の電動キックボード」東京モーターショーでぜんぶ乗ってきた!

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 2019年11月4日まで第46回東京モーターショー2019が東京・有明の東京ビッグサイト及びりんかいエリアで開催されています。

 今回は、ホンダやレクサスなどのブースがある東京ビッグサイト西・南展示棟の「有明エリア」と、トヨタやスバル、キッズ向け体験ブースがある晴海展示棟に、近未来の新技術を体験できる「FUTURE EXPO」を設けたMEGA WEB会場を組み合わせた「青海エリア」の2つの拠点に分かれています。

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 これらのエリア、実は約1.5キロほど離れています。歩いていくにはかなり時間がかかるので、両エリアを結ぶ「無料シャトルバス」が数分間隔で運行しています。シャトルバスはちょっと混むので、並びたくなければりんかい線かゆりかもめも使えます。どちらも1駅です(運賃は必要ですが)。

 実は! もう1つ「いい移動手段」があります。2つのエリアをつなぐ一本道「OPEN ROAD」を、電動キックボードやパーソナルモビリティで移動できてしまいます。

 電動キックボードは、キックボードにモーターとバッテリーを搭載して電動で移動できるようにした「パーソナルモビリティ」に属する乗りものです。発進時に2、3歩ほど勢いを付けて乗り、アクセルレバーを操作すれば電動でスイスイっと進んでくれます。その手軽さから、海外では近距離移動の需要を満たす新たな移動手段として、分単位で借りられるシェアリングサービスなどが普及してきています。

 日本では「公道を走るには、灯火類部品などの安全基準を満たした上でナンバーの交付が必要」なので、海外の既存製品をそのまま使うことはできず、普及に法規制の壁がありました。しかし最近になって「ナンバーをちゃんと取れる」安全基準を満たした製品が増え、一部都市では電動キックボードのシェアサービスも始まっています。いよいよ普及に向けて整備されてきたようです。

 東京モーターショー2019では、注目のシェアリングサービス向けのモデルから、公道走行が可能な電動キックボード製品、ホビー用モデルなどまで6種類の電動キックボードを試乗できる催しがあります。どんな乗り心地なのでしょう。「全部」乗ってみました。

●ナンバー取得対応で公道走行ができる「Airwheel Z5」

 「Airwheel Z5」は、今回試乗した電動キックボードの中で、今すぐにでも購入できる公道走行可能なモデルです。最高速度は時速30キロ、航続距離は約15キロ。価格は16万5000円(税込)です。

 重さは約13キロ。折りたたんで専用バッグへ入れて持ち運べます。鉄道やバスにも乗れます。クルマに乗せて旅行先で乗ったりもできます。近年モビリティのテーマである、駅から自宅や目的地までの「ラストワンマイルの解決」に現段階最もラクに実現できる手段といえます。

 今回乗車した中ではホイールベースが一番短く、直進安定性よりも小回りを重視した感じです。パワフルに進み、クイックに動くので、お年寄りにはちょっと無理かなと思いますが……慣れるととても快適。とはいえこれで大通りを走ると想像すると怖いのは確かで、クルマができるだけ通らない道で使いたいところ。

 なお、最高速度は時速30キロですが車道を走れば(というか歩道は走れない)、多くの場合ドライバーに邪魔扱いされます。駅前の区営/市営自転車専用駐輪場も……多分使わせてはもらえないでしょう(原付扱いされるでしょう)。そんな「周囲の理解」の課題も普及と共に解決すればいいなと思います。

●超軽量でスポーティ/スマートな車体「CityBlitz」

 次は「CityBlitz」です。よりスマートで軽量な車体を特長とするモデルです。

 最高速度は時速24キロ、航続距離は約12キロ。重量はわずか7.4キロ。今回乗った電動キックボードの中で最も軽量です。簡単に持ち運びができるだけでなく、取り回しが良いため気軽に押し歩きも可能です。

 出力は手元のスイッチで3段階に調整できます。一番力がある設定にすると「うぉっ」と驚くほどパワフルに進みます。タイヤが小さいのでちょっとした路面の凹凸も豪快に伝わってきますが、スポーティー志向/ホビー用としてはこのくらいとんがっている方が楽しいかもしれません。

 残念ながらナンバー取得には対応しておらず、公道は走れません。ただ、価格は3万9800円からとお安めです。

●シェアサービス展開で期待の「LUUP」、2輪タイプと4輪タイプを用意

 「LUUP(ループ)」は、同名の電動キックボードシェアサービスで使われる車両です。

 LUUPは、カーシェアサービスや自転車シェアサービスと同様に、時間単位で車両を借りられる電動キックボードシェアサービス。スマホアプリで探し、好きな場所で借り、QRコードで解錠し、好きな場所で返せます。2019年10月25日から、沖縄県宜野湾市で実証実験が始まりました。

 今回は標準の2輪タイプと、かなり安定していそうな4輪タイプ「Model Senior Prototype」に試乗できました。

 2輪タイプは、前述したCityBlitzよりも一回り大きく、直進安定性と小回り性のバランスが優れていると感じました。立ち上がりを抑えてスムーズに加速していく味付けなので、初めてでも違和感なく安心して乗れました。

 4輪のプロトタイプは名称の通り高齢者が乗ることを意識したモデルです。もっと安定感がありました。4輪にすることで、2輪タイプではできない、その場停車や超低速走行が行えます。最高速度は時速8キロ。立ち位置は使いたい時だけ使える新世代のセニアカーですね。今後の発展に期待です。

●シェアサービスmobby rideの車両「mobby」

 電動キックボードシェアサービス「mobby ride」用の車両、「mobby」にも試乗できました。

 mobby rideも、時間単位で車両を借りられる電動キックボードシェアサービスの展開を予定しており、九州大沢キャンパスなどで実証実験を行っています。

 車体サイズはLUUPとほぼ同じ、デザインもmobbyの方が若干スッキリとしていると感じ、ステップボードの幅が広いなどの若干の違いはありますが、大体同じです。スムーズに加速し、直進安定性も良好。多くの人が不安を感じない味付けだと感じました。

●大柄な車体でサス搭載、安定性が高い「WIND3.0」

 最後は、最も大きなサイズのWind Mobility Japan「WIND 3.0」です。

 Wind Mobility Japanは世界20都市で電動キックボードのシェアサービス「WIND」を展開するWind Mobilityの日本法人。2019年3月からさいたま市浦和美園駅周辺で電動キックボードシェアサービスを展開する他、2019年7月から千葉氏稲毛海浜公園や海浜幕張駅周辺などで実証実験を実施。時間単位の利用に加えて、月額単位で借りるサブスクリプションサービスも開始予定としています。

 このWIND 3.0は、東京モーターショー2019で発表された最新モデル。今回乗った中では最もサイズにゆとりがあり、ステップボードも幅広いことから、ゆったりした姿勢で運転できました。また、前輪にサスペンションを備えることから、振動が少なく乗り心地も上々。その分重要があるので押し歩きは他より少し大変ですが、安定感、安心感はなかなかでした。

 今回、6種類の電動キックボードを一気に試乗しました。単に電動キックボードと言っても、サイズ感、特性などに意外と大きな違いがありました。

 2019年10月現在、日本で電動キックボードが普及するには幾つかの壁があります。「ちゃんと公道を走れる」ように法に沿った形で市販されはじめ、幾つかの企業がシェアリングサービスを展開し、普及させようと、また制度の見直しに向けて努力しています。しかし車両としては原動機付自転車だとしても、周囲のクルマの流れに乗って大通りを走るのは、車両性能はともかく、身の安全上から困難です。筆者の体感としては電動キックボードは、時速15~20キロまでが適当です。法的にも自転車の延長となる感覚で使えればいいのですけれど、それではやはり危険です。

 自転車ではなく、原付バイクと同じでは決してないキックボードは、どんな場面で役に立つでしょうか。まず、今回の試乗コースのように、整備された、クルマが多く通らない道をラクに走るのに適しています。ラストワンマイル、MaaS……のキーワードとともに、観光地やテーマパーク、そして高低差の大きいエリアや、駅から目的地までの交通手段が乏しい交通へき地での活用にも可能性を大きく感じます。今回、有明エリアから青海エリアまで約1.5キロの歩道(クローズドされたコース)を移動しましたが、時速10キロほどの、ゆっくりとしたスピードで街並み見つつ移動するのは、公共交通機関の移動にはない快適さや楽しさがありました。

 電動キックボードは「OPEN ROAD」の両端で試乗できます。近い将来の普及が期待される「パーソナルモビリティ」、“かなり遠い”会場拠点間の移動も兼ねて、ぜひ乗って皆さんも「本当に使えるか」「何に使えるか」を考えてみましょう!

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(ねとらぼ交通課 )

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