現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】新型BMW iX│「駆け抜ける喜び」より「心地よく駆け抜ける」!? 次世代ラグジュアリーモデルの布石的1台となるか

ここから本文です

【試乗】新型BMW iX│「駆け抜ける喜び」より「心地よく駆け抜ける」!? 次世代ラグジュアリーモデルの布石的1台となるか

掲載 8
【試乗】新型BMW iX│「駆け抜ける喜び」より「心地よく駆け抜ける」!? 次世代ラグジュアリーモデルの布石的1台となるか

加速を控えめにし、素直なドライブフィールを実現

BMWの電動モデル(BEV)専用ブランド「BMW i」が、ローンチからちょうど十年の節目を迎えた昨年。BMW iは、本格的なBEVブランドとしていよいよ第2ステージを迎えた。その手始めとして、SUVのiX3に4ドアクーペのi4、そしてフラッグシップのiXという3モデルを発表し市場へ導入し始めている。

BMW iXのカタログを見る

中でも注目すべきはiXである。他のエンジン車とベースを共有する2モデルとは違って、iXのみBEV専用のプラットフォームを使っているからだ。全長は5m近く、ホイールベースも3mというから、日本では大型SUVの部類に入る。車名にXが入っているからこちらとしてはSUVという認識になるが、悪路を平然と走破するような物々しさや図々しさなどはまるでなく、ユニークなマスクとシンプルな面構成のエクステリアのためか、デザイナーズカーといった印象の方が強い。

最も好みの分かれるところは、かつてなく縦長(戦前のモデル並みか?)となったキドニーグリルだ。キドニーグリルあってこそのBMWデザインなのだから絶対に必要なことは分かる。とはいえ、BEVだからもはやエアの取り入れ口としての機能性はない。では、なぜ大きくする必要があったのか。

それは決してデザインのためではなかった。最新モデルに不可欠な装備類、例えばカメラやレーダー、センサーなどを裏に装備するために大きくなったのだ。このあたりの事情はエンジン車でも同じで、BMWに限らず似たりよったりである。 ある意味、好みの別れるエクステリアデザインよりもインテリアの方がiX最大の魅力だろう。見た目には、ほとんどコンセプトカーのような雰囲気である。BMW車が今後すべてこのデザイン文法になるとは思えないし、スポーティさを忘れてほしくもないけれど、シートやコンソールまわりのモダンファニチャーのようなあつらえは女性ユーザーを中心に多くの賛同者を得ることだろう。

ディテールの凝りようも楽しく新しい。巨大なコクピットディスプレイはBMWの伝統にのっとってドライバーオリエンテッドに曲げられている。今後の主流となるだろう、カーブドディスプレイだ。ステアリングホイールも個性的な六角形。このところのジャーマンBEVはクラシックなハンドルからの脱却を図りたいようだ。

その他スイッチやレバーなどの操作系ディテールもひとつひとつが極めてモダンにデザインされており、これまでのコックピット機能部品とは一線を画している。  iXには、2種類のパフォーマンスと3グレードを用意した。いずれも、前後に電気モーターを備えた四輪駆動モデルである点が、SUVスタイルながらFRのiX3とは異なる。

システム総合出力523psをうたう上級グレードのxDrive50に試乗した。まず驚いたのが重厚感あふれるライドフィールだった。BMWらしくない、というと語弊があるかもしれないが、少なくとも今までのエンジン搭載BMWと同じようなドライブフィールの車ではなかった。従来のように機敏で思いのままのハンドリング性を提供するのではなく、素直に心地よく走り抜けることを重視した動的パフォーマンス、とでも言おうか。だから「駆け抜ける歓び」で育った筆者のような昔ながらのBMWファンは、“あれれ?”っと驚くほかなかったのだ。

BEVらしく加速パフォーマンスはすさまじい、と言いたいところだけれど、これまた抑え気味である。必要十分な速さだ。テスラのように思わずのけぞるほどの加速ではない。実はそれもまた運転しやすさ=素直なドライブフィールにつながっている。とびきりの加速は高性能モデルに特化したBMW MブランドのBEVにとってあるのだろうか。ともあれ、実用域におけるノーマルなモデルたちにスーパーカーのような強力なダッシュなど必要ないことは明白だろう。

結論を言うと、BMWはiXでラグジュアリーの新境地を開こうとしたのだと思う。自ら運転を楽しむ時代から、移動そのものを快適に過ごす空間への転換、とでも言おうか。生粋のBMWファンには嬉しくない傾向かもしれないが、ラグジュアリーセグメントに身を置くハイブランドとして、次世代ラグジュアリーカーのあり方をにらむ重要な布石になるモデルであると思う。 BMW iXのカタログを見る文/西川淳、写真/柳田由人【試乗車 諸元・スペック表】●xドライブ50 4WD型式ZAA-22CF89A最小回転半径6m駆動方式4WD全長×全幅×全高4.96m×1.97m×1.7mドア数5ホイールベース3mミッションその他AT前トレッド/後トレッド1.66m/1.69mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS◯車両重量2530kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量2805kgミッション位置不明最低地上高0.2mマニュアルモード-標準色アルピン・ホワイトオプション色ミネラル・ホワイトメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ブラック・サファイアメタリック、ファイトニック・ブルーメタリック、ストーム・ベイメタリック、アヴェンチュリン・レッドメタリック、ブルー・リッジ・マウンテンメタリック掲載コメント-型式ZAA-22CF89A駆動方式4WDドア数5ミッションその他ATAI-SHIFT-4WS◯標準色アルピン・ホワイトオプション色ミネラル・ホワイトメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ブラック・サファイアメタリック、ファイトニック・ブルーメタリック、ストーム・ベイメタリック、アヴェンチュリン・レッドメタリック、ブルー・リッジ・マウンテンメタリックシート列数2乗車定員5名ミッション位置不明マニュアルモード-最小回転半径6m全長×全幅×全高4.96m×1.97m×1.7mホイールベース3m前トレッド/後トレッド1.66m/1.69m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量2530kg最大積載量-kg車両総重量2805kg最低地上高0.2m掲載用コメント-エンジン型式HA0002N0 / HA0001N0環境対策エンジン-種類電気モーター使用燃料電気過給器-燃料タンク容量-リットル可変気筒装置-燃費(10.15モード)-km/L総排気量-cc燃費(WLTCモード)-燃費基準達成-最高出力258ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm290(29.6)/5000エンジン型式HA0002N0 / HA0001N0種類電気モーター過給器-可変気筒装置-総排気量-cc最高出力258ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm290(29.6)/5000環境対策エンジン-使用燃料電気燃料タンク容量-リットル燃費(10.15モード)-km/L燃費(WLTCモード)-km/L燃費基準達成-

カーセンサーEDGE.netはこちら

関連タグ

こんな記事も読まれています

シビックを着る!歴代12モデルをデザイン、ホンダ公認Tシャツ新登場 キャムショップ
シビックを着る!歴代12モデルをデザイン、ホンダ公認Tシャツ新登場 キャムショップ
グーネット
車の電動化はどこまで加速する? 専門家に聞く、自動車業界のイマとミライ【前編】
車の電動化はどこまで加速する? 専門家に聞く、自動車業界のイマとミライ【前編】
グーネット
MeiMei 新キャンピングカーブランド「ノマドラックス」などデザイン車両6台を一挙展示
MeiMei 新キャンピングカーブランド「ノマドラックス」などデザイン車両6台を一挙展示
グーネット
スズキ 軽トラック「キャリイ」シリーズ 一部仕様変更 安全性能強化など
スズキ 軽トラック「キャリイ」シリーズ 一部仕様変更 安全性能強化など
グーネット
スマホ連携でアプリが使える!ディスプレイオーディオ登場!ワンセグ搭載モデルも【動画あり】
スマホ連携でアプリが使える!ディスプレイオーディオ登場!ワンセグ搭載モデルも【動画あり】
グーネット
自動車整備士不足に新たな一手。独マイスター制度採用の育成プログラムに注目。
自動車整備士不足に新たな一手。独マイスター制度採用の育成プログラムに注目。
グーネット
井戸田潤が初代NSXに出会った!和製スーパーカーに一同ホレボレ!
井戸田潤が初代NSXに出会った!和製スーパーカーに一同ホレボレ!
グーネット
続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?
続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?
ベストカーWeb
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
ベストカーWeb
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
Auto Messe Web
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
AUTOSPORT web
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
AUTOCAR JAPAN
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
Auto Messe Web
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
AUTOSPORT web
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
くるまのニュース
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
AUTOCAR JAPAN
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • あらゆる意味で、ご乱心としか言いようがない。

    こんなもんを「次世代のラグジュアリー」とか、外車ヨイショも大概にしろと言いたい。
  • フィットの2本ステアリングは貧相とか散々こき下ろすのに、BMWには何も書かないのか。
    1000万円以上払って、貧相なステアリングを握った時、何を感じるのだろうか位書いたら良いのに。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

BMW iX

3.8 6件

新車価格(税込)

1075.01740.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

598.01339.9万円

中古車を検索
iXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1075.01740.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

598.01339.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村