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ハイブリッドカーには「沢山の種類」が存在する! もう迷わない「システム」と仕組みを整理して解説

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ハイブリッドカーには「沢山の種類」が存在する! もう迷わない「システム」と仕組みを整理して解説

 この記事をまとめると

■HV(ハイブリッドカー)はシリーズ式、パラレル式、スプリット式の3つに大別できる

同じクルマとは思えないほどの違和感! ハイブリッド車に初めて乗る人が知っておくべき注意点5つ

■PHV/PHEVは外部から充電できるプラグイン・ハイブリッドのことを指す

■そのほかにもモーター走行可能なフル(ストロング)と不可能なマイルドもある

 ひとくちにハイブリッドといってもいろいろな方式がある

 燃費性能、あるいは排出ガスの影響による環境保全などの観点から、ハイブリッドカー(HV)が注目を浴びるようになってしばらく経つ。先を見越せば、電気自動車(EV)に移行するための過渡的なシステムであることも明らかだが、内燃機関(化石燃料)に依存する度合いを低めながら、環境保全に貢献するという考え方は、きわめて現実的で賢明な選択肢と言うことができるだろう。

 さて、ひと口にHVと呼んでいるシステムだが、市場に目を向けると、いろいろな方式が存在することに気づかされる。そもそも「ハイブリッド」の意味だが、自動車(乗り物)の場合は、複合動力と解釈してよいものだ。実際には、ガソリン、ディーゼルその他内燃機関と電気モーターとの組み合わせである。そして、とくに自動車用と限定した場合には、99%以上の確率でガソリンエンジンと電気モーターの組み合わせを指すもので、ハイブリッドシステム自体は、シリーズ方式、パラレル方式、スプリット方式の3方式に大別することができる。

 シリーズ方式は、エンジンを発電機としてのみ使い、エンジンで発電した電力をモーターに供給、余剰分があればバッテリーに蓄電する方式で、走行は電気モーターによるEVモードで動くことになる。日産e-POWERシステムがこの方式に属している。

 パラレル方式は、エンジン動力とモーター動力のふたつによって走行する方式で、動力の主体は内燃機関となる。電気モーターは、内燃機関の補助動力として機能するケースがほとんどで、停止状態から発進する際のエンジン動力補助、急加速時のエンジン動力補助といった使い方で、モーターは発電機を兼ね、減速時(回生)には発電機として働き、バッテリーへの充電を行うシステムとなっている。

 スプリット方式は、エンジンに動力源と発電機のふたつの役目を負わせ、モーター動力との合成によるパラレル方式と、エンジンによる発電をモーター動力の電力とするシリーズ方式の両システムを備える方式だ。HVシステムの先駆けとなったトヨタ・プリウスは、この方式(THS=トヨタ・ハイブリッド・システム)を採用している。

 思いもよらない方式のハイブリッドが登場するかもしれない

 さて、日々刻々と進化するHV方式だが、進化に合わせて多様化し、耳慣れない言葉が次々と登場してくる状態だ。おさらいというわけではないが、目に付いたものを拾い上げてみた。簡単にその内容を紹介することにしよう。

 まず、PHV(トヨタ)/PHEV(日産、三菱、ホンダ)だ。プラグイン・ハイブリッド・ビークルとプラグイン・ハイブリッド・エレクトリカル・ビークルの略だが、その名のにとおりプラグイン、つまり外部電源からの充電が可能なシステムである。

 このため、大容量バッテリーを搭載すれば、モーター動力のみでの可動範囲を広げることが可能となる。実際、プリウスの例を挙げれば、プリウスHVのモーター動力はガソリンエンジンの補助的な役割でしか機能しないが、プリウスPHVでは最高135km/hまでモーター動力のみでの走行が可能である。充電能力が高く、かつ廉価な家庭用電源(3相も含めて)で大容量バッテリーに充電を行い、電気モーター動力を主体とするHVシステムの構成が特徴となっている。

 なお、PHVとPHEVの違いだが、電気モーターに主眼を置いたHVシステムという意味で、PHVにE(電気)を付け加え、Eを強調したシステム名としたところにメーカーの狙いが込められている。

 また、簡易ハイブリッドシステムとしてマイルドハイブリッドというシステム名が使われている。文字どおり、穏やかな効果のハイブリッドシステムという意味で、モーターのみでの自走が可能なハイブリッドシステムをフル(ストロング)ハイブリッドシステムと呼ぶことに対し、動力は内燃機関だが、内燃機関のウイークポイントを補うかたちで電気モーターを補助動力として働かせる方式をマイルドハイブリッドと呼んでいる。もちろん、電気モーターのみでの走行はできず、モーター出力、バッテリー容量とも小さな規格でまとめられている。

 BEVとFCVは、ともにEVのシステムを表すもので、BEVはバッテリー・エレクトリック・ビークルの略で、バッテリーを電力源とするEVを指した表記である。この表記、瞬間的には考えてしまうが、要するに、いま一般的に言われているEVのことである。

 では、なぜわざわざバッテリーのBを表記したのかと言えば、同じEVであるFCVと区別するためだ。FCVもEVながら、電力源をフューエル・セル、いわゆる燃料電池に依存するEVであるため、電力源がバッテリーか、燃料電池かで区別される表記である。

 ちなみに、燃料電池とは、水素と酸素の化学反応によって電力を作り出すバッテリー(発電装置)のことで、大気中の酸素と車載タンクに補填された水素の化学反応によって電気を作り出すため、一定の化学反応が続けば水素は空になる。このため、水素スタンドで水素を補給する作業が必要となる。すでにいくつかのメーカーがこの方式にトライ。トヨタのMIRAIやホンダのクラリティがよく知られる存在だ。

 このほか、レンジエクステンダーという表記のEVシステムがある。基本はバッテリーによるEVシステムだが、バッテリー容量を超えた航続距離を可能にするため、発電専用の小型エンジンを搭載してバッテリーに充電、この電力を使って走行距離の伸長(エクステンド)を図るEV方式である。

 ちなみに、日産e-POWERは、搭載するエンジンでの発電を電力源としているが、レンジエクステンダーのエンジン発電量は小さく、あくまで補助電力供給用としか活用されない点にあり、両者はこの点において大きく異なっている。

 これから先、EVの時代は刻々と近づきつつあるが、電力の供給(インフラも含め)はいろいろな方式が考えられ、現在考えるEVとは、また異なる形態のEVが登場してくることは想像に難くない。HV、EVとも過渡期、発展途上期にあり、将来的にどんなものが登場してくるのか、興味は尽きない。

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みんなのコメント

3件
  • Yahooトップに上がって来るくらいだから、ごく一般向けの記事なんですよね?
    図ぐらい載せたら?グダグダ言葉だけ書き連ねても理解できる人は少ないよ。
  • カートップおじいちゃんには無理矢理w
    キャブレターが付いたクルマしか分からないし、
    既にインジェクションまでがハイテクを理解する限界。

    だから年寄りが乗るハイブリッド車の事故が多いんだよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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