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商用車の王者、ハイエースがバイカーたちからも熱い支持を受けるワケ

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商用車の王者、ハイエースがバイカーたちからも熱い支持を受けるワケ

 2004年のデビューからすでに17年を経過するというモデル末期ながら、依然として商用車界の王者として君臨し続けるハイエース。販売面もいまだに堅調であり、同じモデルを買い換えるユーザーも多いのだという。

 また、ハイエースはバイクを趣味とするユーザーたちからの人気も非常に高い。バイクを走らせる現地へ運ぶための「トランポ」(トランスポーター)としての使い勝手が圧倒的に優れているのだとか。

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 そこで、実際に最近バイクにハマり、そのトランポ用にハイエースを購入したフェルディナント・ヤマグチ氏が、ハイエース人気の理由を考察する!

文/フェルディナント・ヤマグチ
写真/トヨタ、フェルディナント・ヤマグチ、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】ハイエースの使い勝手を画像でチェック!

■「トランポ」を探して

 ハイエースを買いました! 昨年6月、いい年をして二輪の免許を取得したのですが、以来オフロードの魅力にドップリと嵌まり込みまして、毎週末に不整地を求めて山奥に走りに行っています。しかし、楽しい山道は基本的に街から遠い。いきおい高速を利用することになる。

 ところがオフロードを走るように特化して作られたエンデューロバイクは高速を走ることが苦手です。ブロックの大きいオフロード用のタイヤは高速走行に不向きですし、カウルがないから風をモロに受けてジワジワと体力を奪われる(バイクの世界では“風疲れ”なんて言います)。

エンデューロバイクは不整地用の走行に特化している。公道走行用の保安部品が邪魔なため搭載されていないレース用の機種も販売されている

 夏は暑いし冬は寒い。もう往復するだけでヘロヘロです。ですからバイク仲間の多くは、「トランポ」(トランスポーターの略)と称するバイク運搬用のクルマを所有していて、往復の道のりは空調の効いたクルマで快適に移動しているのです。

 しばらくの間は仲間のトランポに便乗していたのですが、いい大人がいつまでも人様に甘えている訳にもいきません。そろそろ自分のトランポを買わなければならない。かくしてクルマ選びが始まりました。

■エンデューロバイク、どう運ぶ?

 ハイエースのような商用バンにするか、価格コンシャスな軽バンにするか。ステップワゴンの後部座席を取り払ってトランポとして利用している人もいる。既存のクルマに牽引装置を取り付けて、トレーラーで引っ張るという手もある。ピックアップトラックの荷台に載せるのもカッコいい。

 うーん、悩みます。友人のツテを辿って、各々の運搬方法を試しもしました。すると……、
1:商用バン:鉄板。価格は思ったより高い。みんなが乗っているので個性がない。
2:軽トラ:車両価格安価で維持費も安い。ただし車内高が低過ぎ。載せる度にバイクのサスペンションを縮める作業が必要でメンド臭い。
3:ミニバン:運転快適。シートを外すと改造申請が必要でメンド臭い。
4:トレーラー:積み込み簡単。運転に技術が必要(特にバック時)。高速料金高い。
5:ピックアップトラック:運ぶ姿がカッコいい。荷台が高く積み下ろしに不便。

 うーむ。どれも一長一短。悩みに悩んだ末に行き着いたのが商用バンです。調べて回る最中に友人がポツリと言った、「結局ハイエースに落ち着くんだからさ」という言葉が心に刺さります。そう。結局ハイエースなのです。

筆者が悩みに悩んだ末に行き着いたのが商用バンであり、ハイエースだった

 もちろんNV350キャラバンとも比較しました。寸法なんてほとんど同じですからね。現行ハイエースのデビューは2004年8月。改良を重ねているとはいえ、すでに17年も経った基本設計の古いクルマです。一方、NV350のデビューは2012年6月。基本設計はハイエースより8年も新しい。

 何しろ先行するハイエースを研究し尽くして開発したクルマですから、その弱点も克服していることでしょう。好き嫌いを除けばクルマなんて新しいほうがいいに決まっていますから、普通に考えたらNV350を選びます。車両価格も少しずつ安いですし。

■リセールバリュー

 しかし、NV350には致命的な欠点がありました。それは「リセールバリュー」です。中古車屋の友人に聞くと、その差は3年後で2割程度。これが5年後となると、なんと3割から4割も差が開いてしまうのです。似たようなクルマなのにリセールバリューがかくも開いてしまうのはどうしてでしょう。中古屋の彼は「10万km乗った時のヤレ感が段違いだから」と言っていましたが、実際はどうなのでしょう。

 もうひとつの理由は「ハイエースのほうが圧倒的に多く売れているから」です。たくさん売れている。すなわち仲間が多く情報が多く用品が充実しているということです。

ハイエースは人気があるため、中古車のリセールバリューが比較的高く、また人気があるため、関連用品の市場流通量も多い

 商用バンを買ったままの素の姿で乗るつもりはありませんから、これからさまざまな形で何外装に手を加えていくことになります。選択肢は多いほうがいいに決まっています。ハイエースの専門店はたくさんありますが、NV350の専門店はあまり見たことがありません。これも大きかった。かくしてハイエース購入と相成った訳なのです。

■ハイエースの使い道はトランポだけにあらず

 いや、買ってよかったです。本当に便利。なんでも気にせず好き放題にポンポンと荷物を放り込むことができる。もちろんバイクもラダーを使って簡単に積み込むことができます。

 床には固定用のフックが設置されていて、そこに荷締め用ベルトを通してラチェットでカチャカチャと締め上げれば簡単に固定することができる。慣れてしまえば、ものの5分もあれば積み込み完了です。オフロード走行には大きなブーツやさまざまなプロテクターが必要で、これが意外と大荷物になるのですが、ハイエースならそれらも問題なく積み込むことができます。

バイクだけでなく、ブーツやプロテクターも軽々積み込めるような大容量ラゲッジ

バイク1台なら左右スペースにはまだまだ余裕がある

 燃費もソコソコにいい。私はディーゼル仕様車を選んだのですが、原油高で燃料費が高騰している昨今、スタンドに行く度にドキドキしなくてもすみますので精神衛生上も非常にいい。軽油ってスタンド価格差がとても大きいんですよ。

 同じ幹線でも5kmほど走ると20円くらい軽く変わってくる。ハイエースのタンク容量は70リットルですから、20円差で満タンにすれば1400円も違ってしまいます。1400円ですよ、奥様。最近はスタンド選びがとても慎重になりました。

 バイクのトランポとしても活躍していますが、仲間と波乗りに行ったり、息子とキャンプに出かけたりもして、楽しく乗っています。活動範囲が一気に広がりました。納車は今年の7月12日だったのですが、この2カ月で3000kmほど乗りました。クルマ2台持ちでこの距離は結構なものでしょう。

ディーゼル仕様で燃費もそこそこ良いという、フェル号ハイエース

 今はまったくのノーマル状態で、それこそナビも付けていない状態ですが、これからコツコツと仕上げて行こうと思っています。

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みんなのコメント

9件

  • ・サンバー(スバル最終) セローからRnineTまで、バイクを載せながら家族3人で旅行できた。もうこんな名車は出ないのが残念。
    ・N-VAN 一人+1台なら、いい相棒。抜群な床の低さ、屋根のスクエア具合で、特に上部(ハンドル位置)が幅広いバイク(オフ車)と相性よし。逆に下部の出っ張りが多いので、下半身デブ(ハーレー)は苦手。
    ・NV200 積載力と燃費のバランスはよし。ただ、バイクを積んだら二人乗り。二人+1台で経済性重視かな。
    ・ハイエース ←いまここ。荷室長はもうひと踏ん張り欲しいが、4ナンバーでも4~5人+バイクが行ける。軽に比べると細部の突き詰めは甘い。乗り心地は最悪(笑)。
    ・NV350 ハイエース対抗馬として検討してました。性能は僅かにいいと思う。が、リセールと耐久性に不安を感じてひよりました。ごめんなさい。
  • ハイエース/キャラバンなどはスペース効率が抜群なんですが、キャブオーバーが嫌なのでトヨタのデリボーイをトランポとして使ってます。
    4or5ナンバーフルサイズより小さく、それでいてサイズフルサイズのモトクロス/エンデューロバイクを面倒がらずに積み下ろしできる最低限の室内サイズがあり、運転しやすさと積載性がいい感じでバランスしてると思う。
    20年以上使ってるが、レース会場で車種がカブったことは数回で、現場では自分や自分のバイクよりも存在感があるようですw
    無理かもしれないが、後継車が出て欲しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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