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あえてクーペ/カブリオレが選べる洒脱さを

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あえてクーペ/カブリオレが選べる洒脱さを

その歴史やラインナップから、もっともクーペ/カブリオレにこだわりのあるブランドといっていいかもしれないメルセデス。そのためセダンベースと言ってもディメンションにまで手が加えられ、無理やり2ドアにしたような妥協がない。マイナーチェンジしたEクラスの、クーペ/カブリオレを試した。

マイナーチェンジで新世代装備が充実

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昨年9月の新型Eクラスセダン/ステーションワゴンの登場からわずか1カ月後、新型Eクラスクーペ/カブリオレが発表された。従来ではあればまずセダンから発表し、遅れてステーションワゴン、さらにラグタイムがあってクーペ/カブリオレと小出しにされたものだが、出し惜しみすることなく一気にお披露目された。

メルセデスというとセダンのイメージが強いかもしれないが、実はクーペ/カブリオレも戦前から脈々と作り続けている。そして現行モデルとしてはCクラス、Eクラス、Sクラスのすべてに、クーペとオープンモデルがある。もっともクーペ/カブリオレにこだわりのあるブランドといっていいかもしれない。

したがってセダンをベースにするといっても、ディメンションにまで手が加えられている。クーペの3サイズは全長4845mm、全幅1860mm、全高1430mm、ホイールベース2875mmだが、これはセダン比で、全長マイナス95mm、全幅プラス10mm、全高マイナス25mm、ホイールベースもマイナス65mmという数値だ。

それゆえスタイリングにセダンを無理やり2ドアにしたような妥協がない。ワイド&ローのプロポーションに流麗なルーフライン、モダンなリアエンドとまさに正統派クーペだ。このたびのマイナーチェンジで、まずエクステリアはフロントグリル&バンパー、ヘッドライト、リアライトなどのデザインを一新している。

インテリアには、ツインスポークのスポーティなデザインの新世代ステアリングホイールを採用。左右のスポークにはナビゲーションやメーター内の各種設定、そして安全運転支援システムの操作系が集約されている。スワイプ&タッチで感覚的な操作が可能で、慣れればブライドタッチも可能だ。また「ハイ、メルセデス」でおなじみの音声入力式インフォテイメントシステムMBUXも搭載された。

さらに日本で販売される乗用車としては初となるAR(拡張現実)技術を採用したナビゲーションシステムを搭載している。交差点などで右左折する際にナビの地図表示がライブ映像へと切り替わり、その上に進行方向を示す矢印などが映し出される。多叉路など複雑な道でもひと目でルートがわかるというものだ。

またACC(ディスタンスアシスト・ディストロニック)とレーンキープアシストを併用時にドライバーがステアリングホイールを握っていることを検知する方式がトルク感知式から静電容量式になった。以前はステアリングを握っているにも関わらず、アラートが頻出する傾向にあったが、これによってドライバーの検知率があがり、使い勝手を向上している。

乗り心地などカブリオレの方が好印象

試乗車はクーペ/カブリオレともに「E300 スポーツ」だった。2リッター直列4気筒ターボエンジンは、最高出力258ps、最大トルク370Nmを発揮。これにとても出来のいい9速オートマティック「9G-TRONIC」を組み合わせている。

まずはクーペに試乗した。アクセルペダルへの入力に対してスムーズに反応し、パワー感は申し分ない。セダンやステーションワゴンに比べ開口部の少ないクーペだけにボディの剛性感も高いし、ハンドリングもメルセデスらしく実に忠実だ。ただし、荒れた路面ではランフラットタイヤを標準装備しているだけあって、ノイズや細かな突き上げが気になった。

一方のカブリオレは、まずソフトトップを閉めたままで走り出した。直前にクーペに試乗したこともあってコーナリング時にはわずかにボディ剛性が落ちるかなと感じたけれど、すぐに気にならなくなった。それよりも驚いたのは多層構造のソフトトップによる静粛性の高さだ。おそらくそれと言わないで助手席に乗せれば、オープンカーだとは気づかない人も多いはずだ。高速道路に乗ってもその印象は変わらず、タイヤの銘柄の違いもあるだろうが、風切り音や乗り心地などもクーペよりも好印象だった。

ソフトトップの操作はセンターコンソールにあるスイッチひとつで、約50km/hまでなら走行中の開閉も可能だ。所要時間は約20秒で渋滞時や信号待ちのあいだにでも十分にことたりる。試乗車のソフトトップのカラーはブラックだったが、これ以外にもブラウン、ダークブルー、ダークレッドがある。ボディカラーは11色、インテリアは6種類の設定があるので、その組み合わせを考えるだけでも楽しめる。

足回りはエアサスと電子制御ダンパーを組み合わせたAIR BODY CONTROLサスペンションを標準装備する。走行モードはコンフォートからスポーツ+まで備えており、その振り幅の広さが魅力だけれど、このクルマにはコンフォートがぴったりだと思う。

試乗車には、オプションの、前方からの風を上方に跳ね上げるフロントウインドウ上部のウインドディフレクターと後席後方からの風の巻き込みを防止するドラフトストップが備わっていた。さらにシートには、シートバックに小型セラミックヒーターを内蔵したエアスカーフが備わっており、これによって首元の暖を取ることができる。冬のオープンカーの作法に“頭寒足熱”という表現あるが、これがあれば首元まであたたかくまるで露天風呂にでも浸かっているような気分が味わえる。

国内で販売されるEクラスをボディタイプ別にみると、比率はセダン:ステーションワゴン:クーペ&カブリオレで、6:3:1という。あえてその1割を選ぶことができる、そういう洒脱さを身に着けたいものだ。

文・藤野太一 写真・河野敦樹 編集・iconic

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みんなのコメント

4件
  • もう高齢車である現行Eクラスの化粧直し版、しかも内外装とも劣化していて、性能はプアーな4気筒クーペ&カブリオレにして、暴利むさぼる1,000万円級プライシング、これを買うのはそれこそ高齢者だけであろう。

    因みに、この手のモデルで乗り味カブリオ > クーペに感じるのは、十中八九、カブリオが重いからってだけの話。もちろん引き換え、鈍足かつ極悪燃費。
  • インテリアがどんどんゴテゴテで下品になっていくメルセデス
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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