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「関西エリアに棲息したイエローシャークという怪物」名門が手がけたBNR34サーキットスペシャル【OPTION back number】

掲載 更新 29
「関西エリアに棲息したイエローシャークという怪物」名門が手がけたBNR34サーキットスペシャル【OPTION back number】

名門オートセレクトのデモカー”イエローシャーク”と言えば、2000年代に関西エリアのサーキットで圧倒的な速さを見せつけたスーパーチューンドだ。マシンメイクはレーシングカーに近い部分が多いが、レギュレーションに縛られず各部に自由なストリート仕様のエッセンスも注ぎ込まれているのが特徴だ。(OPTION誌2001年11月号より抜粋)

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「関西エリアに棲息したイエローシャークという怪物」名門が手がけたBNR34サーキットスペシャル【OPTION back number】

レーシングとストリートが混在する独特のメイキング

関西随一の走りを見せる名門オートセレクトのBNR34改

「ポルシェのスピードイエローって色がカッコ良くてな、そんでその色に塗ったんや」。鮮やかなイエローボディ。BNR32から続く歴代のイエローシャークは、どれもサーキットアタックをターゲットに開発されたレコードブレイカー達だ。そして、その集大成にあたるモデルがこのBNR34である。

2001年春に先代のBCNR33から代替わりし、3代目イエローシャークを襲名したBNR34は、歴代モデルで培った技術をフル投入。さらにオートセレクトが積極参戦している海外のレースで得たノウハウも注ぎ込み、全国のサーキットで記録を打ち立てるための熟成を進めているのだ。細部を見ていく。

エンジン本体はトラストの2.7Lキットを軸とし、ピストンにはアペックス鍛造ベースのオリジナルを組み込む。ヘッドには自社のスペック2と呼ばれるポートチューンを行った上で、HKSの264度スペックIIハイカムを投入。

タービンにはトラストのT517Z(10cm2)ツインをセレクトし、最大ブースト圧1.7キロ時に700psを発揮。その他、スロットルは低速でのトルクアップを狙って48φのものに交換していたり、オイルパンもオリジナルの大容量タイプに変更するなど、細かい部分にも手が入れられている。

オリジナルのアルミラジエターに効率よくフレッシュエアを導風するべく、グリル奥にはワンオフのクーリングパネルを設置。さらにラジエター脇にもアルミパネルをセットしている。インタークーラーはARCのM109だ。

フロントバンパー開口部の両脇にはトラスト製オイルクーラーを装着。白い突起は冷却用の水を噴射するために装着したウォッシャーノズルとのことだが、走行状況を問わず水温油温ともに常に安定しているため使ったことがないという。

燃料ポンプはボッシュ製を採用。トランク内にはATL製の83L安全タンクやバッテリーなども備え、前後重量配分を最適化する。

フロントパイプはステンレスで75φ×2を90φに集合させ、そこからメイン94φのフルチタン製マフラーへと接続。出口は115φ。マフラーの重量はわずか7.0kgというから恐れ入る。

耐久性重視のためデフオイルクーラーも装着。ボディ中央辺りにはミッションオイルクーラーもセットされている。ワンラップアタックでは必要ない装備だが、この車両は耐久レースまで見越したセットアップが施されているのだ。

ブレーキは前後ともGREXアルコンのシステムで武装。フロントが水冷6ポットキャリパー+380mmローター、リヤが4ポットキャリパー+355mmローターという組み合わせだ。パッドはラムズ製のメタルを用いる。

ブレーキキャリパーを強化した際のペダルフィールを最適化するために、ブレーキマスターシリンダーにはオートセレクトオリジナルの大容量タイプを奢る。こうした細かなセットアップが速さに繋がるのだ。

サーキットでの連続周回でもブレーキがタレないように、バンパー開口部からブレーキキャリパーとローターそれぞれにダクトを伸ばし、フレッシュエアを積極的に導くようにしている。

サスペンションは、アルミシェルケース&30段調整式というオートセレクトオリジナルの湾岸スペシャルを装備。スプリングはアイバッハ製で、前後ともにバネレートは16kg/mmでテストを進めている。フロントのアッパーリンクとロアアームはNAMS製、ブッシュはフルピロ化済みだ。

リヤのメンバーブッシュはオリジナルのアルミカラーに交換され、取り付け位置をやや上方向にオフセット。車高を下げた際もアームの角度を可能な限り適正な状態に戻すための工夫だ。メンバー自体もプレート補強が施される。

レーシングとストリートが共存する独特の室内。ダッシュボードやセンターコンソールなどはそのまま使っているが、エアコンやリヤの内装パーツ、カーペット類(アンダーコート含む)は全て撤去して徹底的に軽量化。パワーウインドウもキャンセルしている。

ロールケージは乗員保護というよりボディ剛性アップに主眼を置いて、16点式のフル溶接留めとしている。シートは運転席がブリッドのZEROS、助手席がジータIIだ。

メインのメーターはマックスレーシング製。その脇は燃料レベルゲージ。センターコンソールにはテクトムマルチモードにフィールド技研の4WDコントローラー、EVCIII、燃圧計、ミッション&オイルクーラーのスイッチが並ぶ。

室内の骨にもリベットを打ち込み徹底したボディ補強を敢行。全ての補強をリベットで行うのではなく、ボディ本体とそこに触れるパネルはスポット溶接。ボディ本体に触れてないパネル同士の補強にリベットを用いているという。

トランク内には溶接固定の補強バーをストラットタワーから伸ばして剛性を高めている。

フロントバンパー、サイドステップ、リヤバンパーはC-WEST製のカーボンモデル。ホイールはボルクレーシングTE37で265/35ZR18のダンロップフォーミュラRを履く。

ボディパーツにはカーボンが多用されているが、ドアパネルやトランクまでもカーボン製とする徹底ぶりには驚かされる。

フロントのカナードはダブルで装着。バンパー下のアンダーパネルと合わせて強烈なダウンフォースを生み出す。

GTウイングはカーボンRダブルハイウイングII。翼端板には多数の調整用の穴が開けられていた。走るステージによって細かいセッティングを可能とするものだ。

強靭なボディとトラクション重視の足回りで、700馬力の大パワーを100パーセント路面に伝達する質実剛健のメイキング。準備は整った。生まれ変わった黄色い鮫が、サーキットで暴れ回る日は近い。

●取材協力:オートセレクト 大阪府堺市美原区丹上221-5 TEL:072-363-0383

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みんなのコメント

29件
  • この手の記事は違法だのって騒ぐ奴が来るんだろうな。
  • コレ、自体から盗まれて未だに出て来ない個体じゃなかった?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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