13年目の長寿モデルが販売の柱というのは不健全
三菱自動車の国内販売がなかなか上向きません。2020年1月の実績をみると、登録車3187台、軽自動車3638台の合計6825台で、6か月連続で前年比割れ。1月の前年比は80.3%と大きくシュリンクしています。軽スーパーハイトワゴンの「eKスペース」シリーズがフルモデルチェンジ直前ということも影響していますが、登録車(軽自動車を除いたもの)の車種別販売状況からも厳しさを感じます。
まずは、三菱自動車が発表した2020年1月の登録車販売状況を台数順に並べてみましょう。
・デリカD:5
1365台(前年比144.8%)※2007年1月発売
・エクリプス クロス
573台(前年比78.9%)※2018年3月発売
・アウトランダーPHEV
392台(前年比87.3%)※2013年1月発売
・RVR
193台(前年比 224.4%)※2010年2月発売
・ミラージュ
138台(前年比50.7%)※2012年8月発売
・アウトランダー
98台(前年比57.6%)※2012年10月発売
ほぼ1年前のマイナーチェンジでギラギラとしたグリルが与えられた「デリカD:5」は好調とはいえ13年前に発売されたモデルです。現行型はクリーンディーゼルに8速ATを組み合わせるなどパワートレインは刷新されていますし、フロントマスクも個性的にリファインされていますが、驚くべき長寿モデルが国内販売をリードしている状況です。
デリカD:5が売れていることを批判するわけではありませんが、長寿モデルの比率がこれほど高いというのは新車ラインナップとしては健全といえません。
また、三菱自動車の電動化を象徴するアウトランダーPHEVの販売台数に比して、そのベースといえる(ガソリンモデルの)アウトランダーの販売が大きく沈んでいるのも気になります。車両価格としてはアウトランダーのほうが手が届きやすいからです。また、プラグインハイブリッドがこれほど人気であるならば、その水平展開が進んでいないことも惜しいと感じます。
月500台強のエクリプス クロスは過小評価されている
なにより残念に思うのは、ハンドリングやスタイリングでスポーツ性の強いクロスオーバーSUVとして評価されるべきエクリプス クロスの販売が期待ほど伸びていないことです。
ライバルのクロスオーバーSUVである「トヨタ RAV4」や「トヨタ C-HR」、「ホンダ ヴェゼル」「マツダ CX-30」「日産 エクストレイル」といったモデルは同月において3000~5000台の規模で売れています。販売チャンネルの規模などを考慮すると、さすがに「トヨタ ライズ」のように1万台を超える勢いを望むのは無茶な話ですが、500台少々という販売実績はクルマの出来映えからすると物足りないと感じます。
1.5Lガソリンターボと、2.2Lクリーンディーゼルというパワートレインの設定で、ハイブリッドがないのはエクリプス クロスの商品性において弱点といえますが、SUVを求めるユーザーの嗜好からするとガソリン、ディーゼルともにターボでトルクフルなパワートレインを用意しているのは妥当でしょう。
とくにクリーンディーゼルには、このクラスとしては贅沢にも8速ATが組み合わされています。そのため、このセグメントのSUVとして高く感じてしまう値段設定ながら、中身を考えると割高とは言えないはずです。
実際、エクリプス クロスに乗ってみると、ライバルに対してそれほど差をつけられるような点は見当たりません。むしろ繊細な制御でナチュラルなハンドリングを実現している点は高く評価できるポイントで、乗って楽しいと素直に感じさせるものです。固定タイプの大型パドルシフトも扱いやすく、どこかランサーエボリューションに通じるテイストももったSUVです。あらためて販売台数を見ると、もっと売れてもおかしくないと思わされます。エクリプス クロスがきちんと売れる環境ができれば、三菱自動車の販売数も一気に上向くのではないでしょうか。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
写真:三菱自動車、篠原晃一
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダが「新型SUV」発表! トヨタ「ハリアー」サイズの「“クーペ”ボディ」採用! 斬新デザインがカッコイイ「e:NS2」中国で予約受付開始へ
「ランクル250販売前線」悲喜こもごも?? 意外に多い「辞退客」とは? ディーラーごとに対応は千差万別だった
マツダのETC取り付け位置に唖然……色々あってフツーの場所なったけど戻した方がよくね??
「盗まれた」県が怒りの声明 県道の工事現場から“かなり重い資材”が複数 被害総額300万円超
斬新“レッド内装”採用! ホンダ新型「“スポーティ”セダン」世界初公開! 異形ハンドル&特殊モニターに「カッコイイ」の声も!「GT」登場
みんなのコメント
三菱ファンとしてこれからも応援します
そもそも販売会社の数が少ないので購入するお客様も少ないのは自然の流れです…ディーラーを増やすのはそう簡単にはいきませんから、やはり宣伝活動をもっと活発に!!地元の三菱ディーラーは広告も新聞の折り込みチラシにいれないし、どっかの大型施設でのイベントもないわ、これじゃあ他のメーカーに離されるばかりですよ。まっているだけじゃいくら販売しているクルマが良くてもお客様は来ません!!