トヨタの世界販売はVWにわずかにおよばず、海外生産、世界生産が減少気味に
日本メーカーの2019年の生産台数と輸出台数が出揃ったが、ちょっと厳しい数字が並ぶ結果となった。トヨタ自動車は単体で国内生産台数が増加し、世界生産台数は過去最高を更新。主力車種のカローラの生産好調などが後押ししたようだが、世界生産が前年比プラスとなったのはこのトヨタとダイハツのみ。マツダも国内生産はプラスだったが海外生産は2割以上落ち込み、世界生産もマイナスとなっている。
国内生産の減少は消費税増税以降の年終盤の落ち込みが響いたようだが、気になるのが海外生産の減少だ。スズキはインドの新車需要急減の影響で大幅に台数を減らし、マツダはマツダ3がモデルチェンジの狭間で2ケタの減少となる。トヨタ、日産、ホンダ、三菱も中国やアジアでの需要減の影響を受けており、やや厳しい状況だ。一方でスバルは新型アセントの北米投入で過去最高となり、台風と豪雨被害による国内生産の減少をカバーする形となった。ダイハツもマレーシアでの生産が好調で、過去最高となっている。
今年は中国での新型コロナウイルスの流行により生産が減少する恐れもあり、欧州も英国ブレグジットの影響が懸念される。アメリカも対中国貿易の動きが不透明な部分があり、世界的に好材料を見つけにくい状況にある。ハイブリッドの量産など電動化では一方先をいく日本メーカーだが、舵取りの難しい状況が今年も続くことは否めないだろう。
メーカーによって明暗は分かれたものの、2019年の国内生産合計は乗用車メーカーに限れば921万5476台となり、前年比0.2%減とほぼ横ばいとなる。消費税増税の影響は年が明けても続いてはいるが、国内の雇用を守るという意味でも現在の生産レベルを維持して欲しいところだ。
なお、世界販売台数に関して現時点で数字をまとめているのはトヨタ・グループと日産だけだが、トヨタ・グループ(ダイハツと日野自動車含む)は1074万2122台と過去最高を更新。フォルクスワーゲン・グループの1097万台にはおよばなかったものの、グローバルでもその存在感を示している。まだしばらくはトヨタが全体を引っ張っていく形が続くことになりそうだ。
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