大人気ジャンル「SUV」で楽しむ”走る歓び”
昨今の自動車業界はSUVが世界的に人気だ。街乗りだけではなく、アウトドアの郊外へ、さらには海山のオフロードへとドライビングエリアを広げて行けるからだろう。走る楽しみのひとつ、操作感をもたらすものにMT(マニュアルトランスミッション)車があるが、海山へのワインディングロードでも味わいだいというファンもいる。
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しかし、いまやMT車は希少な存在。と言いつつも、悪路でのギヤ選択による走行術も必要となる場合があるSUVだけに、MT仕様は意外にあるものだ。気になる車種をピックアップしながら、それぞれの魅力を考えてみよう。
トヨタC-HR(1.2リッターターボ/FF車)
トヨタのC-HRはダウンサイジングターボで最高出力116psでパワフルではないが、それだけにMT入門には最適なクルマともいえる。
じつは、C-HRのMTにはスタート時にアクセルを軽く煽る、またシフトダウンの際のブリッピング(空吹かし)といった作業をクルマが行なう「i-MT」という機能を装備。必要に応じてオンにすることで、MTの練習になってくれるのも入門編としてオススメする理由だ。
マツダCX-3(1.8リッターディーゼル)
ディーゼルエンジンのMT車は、太い低速トルクに代表されるエンジンのフィーリングを自分の操作でダイレクトに味わえることが魅力。また、シフトアップのタイミングなどを工夫して乗れば、ATのディーゼルを格段に上回る燃費を出しやすいのも面白いところだ。
そんな意味でもマツダのSUVは、CX-3をはじめとしたディーゼルエンジン搭載のMT車が選べるのは嬉しい限りだろう。
マツダCX-5(2.2リッターディーゼル)
CX-3の”ディーゼル+MT”の美点に加え、CX-5の同仕様はパワフルな加速も自分の操作で楽しめる。出力もCX-3を70馬力以上も上回る190馬力を発生。 大排気量のガソリン車なみの大トルクを低回転で発生することで、街乗りから高速走行まで余裕のある走りをみせてくれる。特に高速走行では燃費の良さも魅力で、4WDでもリッター20km近く走行することが可能だ。
マツダCX-30(2リッターガソリン)
2リッターのガソリン車は、軽快なエンジンフィールがありシフト操作でより軽快感を増幅できる。マツダの新開発エンジン「スカイアクティブX」は、いい意味でディーゼル的な面もあるので、マニュアルミッションでマシン挙動を機敏に引き出してゆけば、エンジンフィーリングをATよりダイレクトに味わえる楽しさを持つ。
スズキ・ジムニー&ジムニーシエラ
4ATのほかに5MTも設定するジムニー&ジムニーシエラ。オフロードでは難しいところもあるが、ドライバーに腕があればその技術をAT以上に駆使し、悪路に挑めるという魅力がある。
また、オンロードでは頻繁なシフト操作に疲れる面があるのも事実だが、MTに馴染んでくればそれも厭わず「コイツを走らせているのは俺だ」という感覚が味わえるのも魅力。日常的に乗っていても運転を濃厚に楽しめる、ということだ。
MT車には魅力がある反面、長期的にはクラッチ交換という出費が必要になるという弱点もある。しかしMT車には処分する際に希少性や輸出の際に有利なこともあり、査定が高くなる車種もある。また、メンテナンスを含めた総合的な出費もMTの方が安く済む可能性もあるのだ。
それだけにSUVも含めてMTに興味があるというのであれば、ぜひ自分のものにすることを強く勧めたい。ただし、フィーリングが良くないと面倒というデメリットの方も大きくなるので、ATとあわせて試乗してベストを見つけて欲しい。
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