4月から新排気ガス規制が施行されるため、買い控えが起きている
偶数年に隔年開催される、インドの“AUTO EXPO 2020”がデリーで行われた(本稿執筆時点では、7日の一般公開に先立つプレスデーが開催されていた)。
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会場であるデリー郊外のノイダというところにある、インディア・エキスポ・マートへ行くと、会場周辺及び会場内が2年前に比べて言い方を良くすれば落ち着いた、悪くすれば少々寂しいイメージを感じた。出展メーカーも日系だけ見ればスズキのみ。中国や韓国は積極的に出展しているが、欧州ブランドは出展を復活したり、逆に出展を取りやめたブランドもある。
なんとも言えないモヤモヤ感を抱きながら会場をまわっていると、某事情通から興味深い話を聞くことができた。「インド全体の景気後退や自賠責保険料の値上げなどもあり、インドの新車販売はかなり深刻な不振状況にあります。ただこれら以外にも、4月から施行される新しい排気ガス規制による買い控えが影響しているのも確かです」とのこと。
インドでは2020年4月より、“BS6”という新しい排気ガス規制が施行される。これは欧州の“ユーロ5”に相当する規制内容となるのだが、4月1日以降はBS6に適合していない車両の販売が禁止されるのである。そのため、新車購入を検討している消費者も新規制施行後まで、新車購入を買い控えているのではないかというのである。
日系が少ない一方で中国系ブランドは存在感を増そうとしている
今回のショーでは、多くのメーカーが新規制適合の新世代ガソリンエンジンを発表していた。もちろんいままで主流であったディーゼルエンジンの新規制適合も各メーカーとも進めているようだが、今後はガソリンエンジンがメインとなり、2020年4月以降は販売されていくようである。
インド政府の考えとしては、BEV(純電気自動車)の積極普及を進めていきたいようだが、デリーなどの大都市を中心に、いま現在でも電力供給インフラに問題があるとされているのに、爆発的にBEVを現状のまま進めていくのは不可能というのが、多くの識者の一致した考えである。
「メーカーも政府がBEVの積極普及を強く推し進めようとしている姿勢には、困惑しているようです。当分の間はガソリンエンジンベースのMHEV(マイルドハイブリッド)ユニットの普及を進めていくようです(前出事情通)」。
一般車両まで含めると、全面BEV化はかなりハードルが高くなるので、インドでもBEV路線バスの普及など、公共交通機関からの積極的なBEV化を展開していくようである。
「トヨタやホンダが出展しないのも、新車販売が深刻的な不振傾向を見せるなか、これといった新型車が存在しないといった理由があったのではないかとされています(前出事情通)」。
ただ、2年前にはその存在感がほとんどなかった、中国系ブランドは長城汽車、MG、海馬(ハイマ)などが出展し、積極姿勢を見せている。政府のBEV導入ありきの流れに、得意のBEVも含む電動ユニット技術のほか、コネクティビティ技術も含め、インドで存在感を一気に増そうとしているようだ。
「ただ、インドでもまず“中国臭”を可能な限り消してビジネスを勧めなければならないのは、ほかの市場と同じです(前出事情通)」。
同じ市場環境を見て、「ショーへ出るのをとりやめよう」と判断するブランドがあれば、積極的に打って出るとするブランドに判断がわかれるのは興味深いところでもあるし、中国系ブランドの勢いの現れと見ることもできるといえよう。
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みんなのコメント
って言うのはどういう意味?
中国はインドの敵国だからという事?