現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 183】6代目マークIIはツインターボやスーパーチャージャーで武装したハイソカーの中心的存在

ここから本文です

【昭和の名車 183】6代目マークIIはツインターボやスーパーチャージャーで武装したハイソカーの中心的存在

掲載 更新 19
【昭和の名車 183】6代目マークIIはツインターボやスーパーチャージャーで武装したハイソカーの中心的存在

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「トヨタ マークII(6代目)」だ。

トヨタ マークII(6代目/GX81型):昭和63年(1988年)8月発売
ホリデーオート誌が名づけた「ハイソカー」ブームの中心的存在となったのが、GX71系の5代目マークII HTだった。その勢いを駆って1988年(昭和63年)にGX81系の6代目マークII HTが登場する。開発後期がバブル景気と重なったこともあり、ドアショルダー部やインパネ下部までファブリックで覆った高品位キャビンに、エレクトロニックディスプレイメーター、チルト&テレスコピックステアリング、アームレスト付きマルチアジャスタブルパワーシート、オートエアコン、6スピーカーオーディオシステムなど、豪華な装備で注目された。

【くるま問答】アイドリングストップ機能はよいことばかりではない。OFFスイッチはいつ使う?

GX81系はハイメカツインカムの投入でエンジンは1G-Eから1G-FE、1Sから1S-Fiとなり、全ガソリンエンジンのDOHC化を完了した。ハイメカツインカムはタイミングベルトで吸気カムシャフトを駆動し、排気カムシャフトは吸排気両カムシャフトに設けたシザーズギアで駆動し、「コンパクトな機構構成、最適燃焼室形状、高圧縮比、4バルブ化等により高性能を発揮するとともに、バルブタイミングの最適化により十分な低速トルクを確保した」と説明されている。4気筒での採用例はあったが、6気筒では1G-FE型が初採用だった。

もうひとつの注目エンジンが、最上級グレードのグランデG用に新開発された1G-GZE型だ。これは国内6気筒DOHCでは初のスーパーチャージャー仕様となる。機構は1G-GE型にクランクシャフトからベルト駆動されるルーツポンプ式スーパーチャージャーをドッキングしたもの。ポンプの駆動にエンジン出力が食われるため高回転ではターボの効率にかなわないが、低回転からエンジン回転数に応じた過給効果が得られ、ターボラグも発生しないので、上質な走りを実現するシリーズ最高級エンジンにふさわしい特性となっていた。

そして、シリーズ最強エンジンがツインターボで知られる1G-GTE型だ。基本的に先代のキャリーオーバーだが、GX81型はインタークーラーを水冷から空冷に替え、プレミアムガソリン仕様として、パワースペックを従来型の185ps/24.0kgmから210ps/28.0kgmに引き上げている。

シャシの近代化が進んだのもGX81系の特徴のひとつだ。プラットフォームは先代の改良型だが、リアに高剛性の大型サブフレームを新採用し、ここに新開発のダブルウイッシュボーン式サスペンションを取り付けた。ダブルウイッシュボーン自体も、後退角を付けた短いアッパーAアームと、長いパラレルロアアーム+テンションロッドとすることで、トーイン変化の最小化やキャンバー/トレッド変化の最適化を実現。フロントのストラット式サスペンションは、取り付け部の剛性アップに加えアクスル中心をキングピン軸の前に配置したフォアラウフのアライメント採用で直進性・旋回性の向上を両立させるなど、ハンドリング全体の底上げが図られていた。

このほか、ATにスーパーフロートルクコンバータを採用し、さらに1G-GZE/1G-GTE/1G-GE搭載車用ECT-Sには新開発のトランスミッション-エンジン総合制御システムを採用して、高級車にふさわしい滑らかな変速フィールを実現。ステアリングも操舵角に応じて操舵トルクを大きくする新PPS(プログレッシブパワーステアリング)を採用。4輪ベンチレーテッドディスクブレーキには大型ブースターを採用するとともに、グランデGに4輪ESCを標準装備してアンチロック性能を向上させるなど、快適性・安全性に細かな配慮が行き届いていた。

GX81系は、バブル経済の追い風を受け、1990年の年間販売台数でカローラを抜き、歴代初めて首位に立った。7代目にバトンタッチするまで、国産2Lアッパーミドルクラスの頂点を維持し続けることになる。



トヨタ マークII HT 2000GTツインターボ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4690×1695×1375mm
●ホイールベース:2680mm
●重量:1420kg
●エンジン型式・種類:1G-GTE型・直6 DOHCツインターボ
●排気量:1988cc
●最高出力:210ps/6200rpm
●最大トルク:28.0kgm/3800rpm
●トランスミッション:4速AT
●タイヤサイズ:205/60R15 89H
●価格:306万5000円

[ アルバム : トヨタ マークII(6代目) はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

ホンダ新「3ドアハッチバック」初公開! 「シティ再来!?」で注目! “大理石デザイン”採用の斬新モデル! 欧州に登場
ホンダ新「3ドアハッチバック」初公開! 「シティ再来!?」で注目! “大理石デザイン”採用の斬新モデル! 欧州に登場
くるまのニュース
ヒョンデの最新「ハイパフォーマンスモデル」6月5日発売! 見た目も中身もスゴい「IONIQ 5N」とは?
ヒョンデの最新「ハイパフォーマンスモデル」6月5日発売! 見た目も中身もスゴい「IONIQ 5N」とは?
くるまのニュース
トヨタディーラーでスノーピークが買えるとは! ガチな品揃えはもはやスノーピークストアじゃないの!
トヨタディーラーでスノーピークが買えるとは! ガチな品揃えはもはやスノーピークストアじゃないの!
ベストカーWeb
スズキ「アドレス125」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「アドレス125」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
宮田莉朋が午後トップタイムを記録。総合首位はレッドブル育成マルティ/FIA F2バルセロナテスト2日目
宮田莉朋が午後トップタイムを記録。総合首位はレッドブル育成マルティ/FIA F2バルセロナテスト2日目
AUTOSPORT web
「全然効果ない」「やってよかった」 ボディコーティングの“口コミ評価”が真っ二つに分かれる理由
「全然効果ない」「やってよかった」 ボディコーティングの“口コミ評価”が真っ二つに分かれる理由
Merkmal
史上最恐の盗難ツールとして話題の[ゲームボーイ]だが……ほぼ100%盗まれない方法は果たしてあるのか!? 
史上最恐の盗難ツールとして話題の[ゲームボーイ]だが……ほぼ100%盗まれない方法は果たしてあるのか!? 
ベストカーWeb
スズキソリオの「とりあえずこれ買っておけば間違いない」感じがすごい
スズキソリオの「とりあえずこれ買っておけば間違いない」感じがすごい
ベストカーWeb
210センチの広いフラットスペースが自慢! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
210センチの広いフラットスペースが自慢! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
インディカー開幕戦で違反が発覚。勝者ニューガーデン含むペンスキー勢が失格、オワードが繰り上がりウイナーに
インディカー開幕戦で違反が発覚。勝者ニューガーデン含むペンスキー勢が失格、オワードが繰り上がりウイナーに
AUTOSPORT web
WR-V・トライトンが売れるなら……もう1回どうだ[バレーノ]!! 再上陸ならスポーツ全フリのスイスポ兄貴分的存在でいかが!?!?
WR-V・トライトンが売れるなら……もう1回どうだ[バレーノ]!! 再上陸ならスポーツ全フリのスイスポ兄貴分的存在でいかが!?!?
ベストカーWeb
フェラーリF1、HPとの複数年のタイトルパートナー契約締結を発表。チーム名が『スクーデリア・フェラーリHP』に
フェラーリF1、HPとの複数年のタイトルパートナー契約締結を発表。チーム名が『スクーデリア・フェラーリHP』に
AUTOSPORT web
井戸田潤、NSXに乗る!ミッドシップエンジン初体験に「楽しいすねぇ!」
井戸田潤、NSXに乗る!ミッドシップエンジン初体験に「楽しいすねぇ!」
グーネット
オフロード感ヤバ!! ゴツゴツ感たまらん!! 装着率めっちゃ低かったけど……[初代アウトランダー]のオプション超絶カッコいいやん!! 今こそ復活してよマジで
オフロード感ヤバ!! ゴツゴツ感たまらん!! 装着率めっちゃ低かったけど……[初代アウトランダー]のオプション超絶カッコいいやん!! 今こそ復活してよマジで
ベストカーWeb
フォーミュラEが4駆化で大幅進化!? 来季デビューの”Gen3 Evo”を発表。充電専用だったフロントモーターでも駆動
フォーミュラEが4駆化で大幅進化!? 来季デビューの”Gen3 Evo”を発表。充電専用だったフロントモーターでも駆動
motorsport.com 日本版
トヨタ 新型BEV「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開!北京国際モーターショー
トヨタ 新型BEV「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開!北京国際モーターショー
グーネット
マツダ 新型EV「EZ-6」&「アラタ」世界初公開!EZ-6は約600キロの航続距離
マツダ 新型EV「EZ-6」&「アラタ」世界初公開!EZ-6は約600キロの航続距離
グーネット
フィアット 500/500Cに1.2L エンジン搭載の新グレード追加!特別限定車も設定
フィアット 500/500Cに1.2L エンジン搭載の新グレード追加!特別限定車も設定
グーネット

みんなのコメント

19件
  • 最後の5ナンバーボディでしたね。
  • 81のツインターボに友達乗ってました
    引くぐらい燃費が悪くてみるみる燃料ゲージが少なくなっていったの思い出しましたわ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

246.8354.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.0510.0万円

中古車を検索
マークIIの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

246.8354.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.0510.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村