現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本GPで活躍したプリンス グロリア スーパー6、日産の有志の手により現代に蘇る

ここから本文です

日本GPで活躍したプリンス グロリア スーパー6、日産の有志の手により現代に蘇る

掲載 更新 2
日本GPで活躍したプリンス グロリア スーパー6、日産の有志の手により現代に蘇る

Prince GROLIA Super 6

プリンス グロリア スーパー6

新型ディフェンダーがカーチェイス! 007シリーズ最新作『NO TIME TO DIE』で名スタント【動画】

過去の名車を蘇らせてきた日産名車再生クラブ

ニッサンは、2019年の鈴鹿サウンド・オブ・エンジンやNISMOフェスティバルでデモランを披露した「プリンス グロリア スーパー6」のレストア“完成宣言式”を、横浜市の日産グローバル本社にて行った。

第2回 日本グランプリで優勝した39号車を再現

今回のレストアを主導したのは、「日産名車再生クラブ(NISSAN GREAT CAR RESTORATION CLUB)」。日産自動車の開発を担う日産テクニカルセンターの従業員が中心となる団体で、その名のとおり業務時間外に活動するクラブだ。活動対象は「日産ヘリテージコレクション」の所蔵車を用い、1年間に1台のレストアを行っている。

そして第2回となる2019年度の再生対象車が、プリンス グロリア スーパー6。グロリア スーパー6は、 2代目グロリアに2.0リッター直列6気筒SOHCを搭載して1963年にリリースされたモデルだが、国産車初の2.0リッタークラス直6エンジン搭載車であり、かつ国産車初の最高出力100ps超のエンジン搭載モデルでもある。

ハイパワーを誇るグロリア スーパー6はモータースポーツへも投入され、中でもその白眉は1964年に開催された第2回 日本グランプリでの活躍だ。T-VIレースに参戦したグロリア スーパー6は、大石秀夫選手がステアリングを握った39号車が優勝。杉田幸朗選手の38号車が準優勝して見事ワン・ツーフィニッシュを達成している。

徹底した調査と精緻な作業で現代に蘇る

今回のレストア対象になったグロリア スーパー6は、その日本グランプリで優勝を勝ち取った個体そのもの。ニッサンによるモータースポーツ活動の歴史を彩った名車はまさにレストア対象にふさわしい。日産名車再生クラブの活動は単なる旧車の再生に留まらず、先達による技術思想や設計、製造工程などを継承して次代に引き継ぐことも目的としている。

再生の過程は、1.資料収集/2.分解・調査/3.車体・シャシー/4.エンジン・トランスミッション/5.内外装の大別して5つに分類される。第2回 日本グランプリ参戦時の仕様を再現するために当時の写真やカタログ、整備要項やパーツリストを入手して、分解時に実際に装着されているパーツとリストを比較。オリジナル仕様とレース仕様の違いもこの段階で確認した。

140psまで強化された国産車初の2.0リッター直6

オリジナルがコラムシフトであるのに対し、再生対象モデルは当時のスポーツオプションであるフロアシフトに変更され、フェンダーミラーを撤去。ステアリングホイールもスカイラインスポーツ用に交換されるなど、随所にレース仕様のみの改造が施されている。

エンジンはオリジナル仕様の2.0リッター直列6気筒OHC(G7型)をレース用に改修し、最高出力140ps/最大トルク167Nmまで大幅なパワーアップを行ったGR7A型。もちろん完全分解して洗浄を行い測定のうえで組み直した。ボディは車体とシャシー部品に分離し、車体は鈑金及び再塗装してシャシー部品はオーバーホール。当時の仕様とおりに1964年式のラジエーターグリルを探して装着している。

西陣織のインテリアを復元

グロリア スーパー6の大きな特徴のひとつである西陣織のシートとドアトリムの復元、デカール・ゼッケンの張替えなど細部に至るまでレストアの手は及び、まさに完全再生の名にふさわしい充実した作業を経て「プリンス グロリア スーパー6 第2回 日本グランプリ T-VIレース仕様」は蘇った。

実際に鈴鹿サウンド・オブ・エンジンやNISMOフェスティバルでデモランを行って動的パフォーマンスにも問題ないことを確認。そして今回の完成宣言式では日産名車再生クラブで実際に作業に携わったメンバーが登壇し、再生作業の詳細をメディアに報告した。また、日産グローバル本社の敷地内で試走を披露。半世紀以上前のレーシングカーが放つエキゾーストノートは現代の基準からしたら大人しいものだったが、十分以上に迫力のある重厚なサウンドだった。

日産名車再生クラブの活動は今後も続く。次に蘇る名車はいったいどのモデルか? 「技術のニッサン」を受け継ぐ大人の本気なクラブ活動の今後に期待したい。

こんな記事も読まれています

常識覆す「豪華すぎるマイクロバス」が登場!座席は「ほぼ全て窓側」特別仕様
常識覆す「豪華すぎるマイクロバス」が登場!座席は「ほぼ全て窓側」特別仕様
乗りものニュース
トランプ当選で、NATOが形骸化? ほくそ笑むプーチン、ロシア撤退の「日本車メーカー」は今後どうなる
トランプ当選で、NATOが形骸化? ほくそ笑むプーチン、ロシア撤退の「日本車メーカー」は今後どうなる
Merkmal
トヨタ新型「ヤリス」発表! 約460万円の「小さな高級車」仕様もアリ! “新”ハイブリッド“搭載の「ヨーロピアン仕様」波で公開
トヨタ新型「ヤリス」発表! 約460万円の「小さな高級車」仕様もアリ! “新”ハイブリッド“搭載の「ヨーロピアン仕様」波で公開
くるまのニュース
【インタビュー】2024年MotoE電動レーサー、ドゥカティ「V21L」はいかに進化したのか
【インタビュー】2024年MotoE電動レーサー、ドゥカティ「V21L」はいかに進化したのか
バイクのニュース
「#ワークマン女子」が北海道初出店! アリオ札幌に4/26オープン
「#ワークマン女子」が北海道初出店! アリオ札幌に4/26オープン
バイクブロス
最近のベンツってフロントガラスが青くない? どういう仕組み? 車検は通るの?
最近のベンツってフロントガラスが青くない? どういう仕組み? 車検は通るの?
ベストカーWeb
ポルシェ カイエンに500psのV8ツインターボを搭載するGTSとGTSクーペを追加
ポルシェ カイエンに500psのV8ツインターボを搭載するGTSとGTSクーペを追加
Auto Prove
次期「ハチロク」登場か 「新GR86」お披露目!? 1.6Lターボ&新MT採用で進化がヤバい! 既販&次期見据えた開発状況は?
次期「ハチロク」登場か 「新GR86」お披露目!? 1.6Lターボ&新MT採用で進化がヤバい! 既販&次期見据えた開発状況は?
くるまのニュース
【MotoGP】かつてのロッシを思い出させるペドロ・アコスタ、新人でタイトル争い候補に? マルケス「そう考えない理由はない」
【MotoGP】かつてのロッシを思い出させるペドロ・アコスタ、新人でタイトル争い候補に? マルケス「そう考えない理由はない」
motorsport.com 日本版
そういやあったな……な人だらけだけどそれじゃダメ! 高速で見かける「0m確認基点」の意味と使い方
そういやあったな……な人だらけだけどそれじゃダメ! 高速で見かける「0m確認基点」の意味と使い方
WEB CARTOP
モニターキャンペーン第1弾! ルノー「カングー」に愛犬専用アクセサリーを多数装備した1台を最長1年間貸与されるキャンペーン
モニターキャンペーン第1弾! ルノー「カングー」に愛犬専用アクセサリーを多数装備した1台を最長1年間貸与されるキャンペーン
LE VOLANT CARSMEET WEB
全長5m超! マツダが「FR×直6エンジン」搭載の新型「高級車」初公開! ロングノーズの「最上級モデル」は日本で展開! 新型「CX-80」は「CX-60」とどう違う?
全長5m超! マツダが「FR×直6エンジン」搭載の新型「高級車」初公開! ロングノーズの「最上級モデル」は日本で展開! 新型「CX-80」は「CX-60」とどう違う?
くるまのニュース
RB、F1中国GPで角田裕毅とリカルドがリタイアに追い込まれた“もらい事故”は「どちらも不必要なアクシデント」
RB、F1中国GPで角田裕毅とリカルドがリタイアに追い込まれた“もらい事故”は「どちらも不必要なアクシデント」
motorsport.com 日本版
SHOEIが新型フルフェイスヘルメット『GT-エアーIII』にグラフィックモデル「DISCIPLINE」を設定
SHOEIが新型フルフェイスヘルメット『GT-エアーIII』にグラフィックモデル「DISCIPLINE」を設定
レスポンス
フェラーリ、F1マイアミGPで”ブルー”を使った特別カラーを施す。アメリカでの伝統称える
フェラーリ、F1マイアミGPで”ブルー”を使った特別カラーを施す。アメリカでの伝統称える
motorsport.com 日本版
「新大阪駅ほぼ直結高速」実現間近? 新御堂筋の“ぐるぐるランプ”が見えてきた 「淀川左岸線」万博の準備着々
「新大阪駅ほぼ直結高速」実現間近? 新御堂筋の“ぐるぐるランプ”が見えてきた 「淀川左岸線」万博の準備着々
乗りものニュース
ゴルフバッグはラクに積める? レクサス新型「GX」のラゲッジスペースをチェック! アウトドアレジャーで重宝する便利装備も充実
ゴルフバッグはラクに積める? レクサス新型「GX」のラゲッジスペースをチェック! アウトドアレジャーで重宝する便利装備も充実
VAGUE
全長5m超え「トヨタ 大型セダン」実車展示! 驚く「使い方」で注目!? 正統派セダンの「クラウン」に対する声は?
全長5m超え「トヨタ 大型セダン」実車展示! 驚く「使い方」で注目!? 正統派セダンの「クラウン」に対する声は?
くるまのニュース

みんなのコメント

2件
  • 鈴鹿サウンドオブエンジンではスカイラインとランデブー走行を見せ、今は座間市の日産ヘリテージコレクションに納まっています。鈴鹿では元気いっぱいの走行で観客を魅了しました。
    つい先日にヘリテージコレクションですぐ近くで拝見したときは嬉しかったなぁ。
  • こう言う現場で頑張っている方々がいる一方、無能な経営陣達は何をやってるんでしょうか。

    爪の垢でも貰って煎じて飲むべきですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

314.9580.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8525.0万円

中古車を検索
グロリアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

314.9580.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8525.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村