2019年2月13~16日、 WRC(世界ラリー選手権)第2戦ラリー・スウェーデンが開催され、エルフィン・エバンスがトヨタ移籍後の初の優勝を飾った。2位には昨年の王者オィット・タナック(ヒュンダイ)、3位にはカッレ・ロバンペラ(トヨタ)が入った。トヨタ勢ではセバスチャン・オジエが4位。日本の勝田貴元は9位で完走している。(タイトル写真は優勝したトヨタのエルフィン・エバンス)
暖冬の影響でSSが大幅短縮、エバンスがライバルを圧倒
世界的な暖冬はシーズン唯一のフルスノーラリー、スウェーデンにも影響。雪がないために一時はイベント全体のキャンセルも懸念されたが、主催者側の努力によってなんとか開催にこぎつけた。
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ただし、スパイクタイヤで走行可能なステージだけしか使用できないためにラリールートは大幅に短縮され、通常は300km以上あるSS(スペシャルステージ=競技区間)も、結果的にわずか9SS、150km足らずとなる異例のフォーマットでの戦いとなった。
このスプリント勝負を支配したのはトヨタ移籍2戦目のエバンスだった。開幕戦モンテカルロの覇者ティエリー・ヌービルが先頭スタートのハンデで遅れ、移籍組のタナックやチームメイトのオジエが新しいマシンへの適応に悩む中、いち早くヤリスWRCを「モノにした」感のあるエバンスは、モンテカルロで優勝争いを演じた勢いそのままに、金曜日の最初のステージで首位に立つと、そのまま差を広げて2番手のタナックに8.5秒差でデイ1を終了。
「当代最速」との呼び声高い現王者の反撃が予想された土曜日デイ2も、エバンスは圧巻の3連続ベストタイムで差を17.2秒まで広げることに成功し、日曜日デイ3、唯一のステージとなった最終パワーステージも慎重に走り切ってキャリア2勝目、イギリス国籍のドライバーとして初めてラリー・スウェーデンで優勝を飾った。
これでエバンスはドライバーズ選手権首位で次戦ラリー・メキシコを迎えることになる。
トヨタのチームメイト対決は新鋭に軍配
土曜日から激化したトヨタ勢同士の表彰台争いは、6冠王者のオジエを、WRC昇格わずか2戦目、19歳のロバンペラが制するというサプライズな結末となった。
目まぐるしく順位を入れ替えるふたりの戦いの決着は最終パワーステージまでもつれた。前夜からの雨で雪が溶けて難しいコンディションになったこのステージ、ベテランのドライバーたちが慎重な走りになる中、恐れを知らない新星はスタートから全開アタック、見事にベストタイムを記録してオジエを再逆転、初の表彰台を獲得するとともにパワーステージ1位のボーナスポイント5点も獲得した。
トヨタはエバンス1位、ロバンペラ3位のポイントで、ヒュンダイをかわしてマニュファクチャラーズ選手権首位に浮上している。WRC第3戦ラリー・メキシコは3月12~15日、同国中部のレオンをベースに開催される。
2020 WRC 第2戦ラリー・スウェーデン 結果
1位 33 E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC) 1h11m43.1s
2位 8 O.タナック(ヒュンダイ i20クーペ WRC) +12.7s
3位 69 K.ロバンペラ(トヨタ ヤリス WRC) +20.2s
4位 17 S.オジエ(トヨタ ヤリス WRC)+23.6s
5位 4 E.ラッピ(フォード フィエスタ WRC) +32.4s
6位 11 T.ヌービル(ヒュンダイ i20クーペ WRC) +33.8s
7位 16 C.ブリーン(ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m00.9s
8位 3 T.スニネン(フォード フィエスタ WRC) +1m24.5s
9位 18 勝田 貴元(トヨタ ヤリスWRC) +1m59.6s
10位 58 J.フッツネン(ヒュンダイ i20 R5) +4m03.0s
2020 WRC マニュファクチャラーズランキング
1位 トヨタ 73
2位 ヒュンダイ 63
3位 M-Sport フォード 40
2020 WRC ドライバーズランキング
1位 E.エバンス(トヨタ ) 42
2位 T.ヌービル(ヒュンダイ) 42
3位 S.オジエ(トヨタ) 37
4位 K.ロバンペラ(トヨタ ) 30
5位 E.ラッピ(M-Sport フォード) 24
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