きちんと回転しないものを補正してあげる作業
タイヤ交換をした際に、明細書に記載されているのがタイヤ価格、組み替え工賃、廃棄料、そしてバランス代というもの。最初の3つはわかるが、最後のバランス代というのはよくわからないという人が結構いる。クルマに詳しい人なら当たり前のことだが、知らないとなにをバランスさせているのかよくわからなかったりする。今回は、基礎の基礎として、ホイールバランスを紹介しよう。
乗り心地や燃費にも影響! クルマのホイールバランスってなに?
タイヤとホイールはワンセットになって、高速で回転しているというのは誰でも知っていること。低回転なら問題ないのだが、高速で回転すると重さのバランスが問題になってくる。手回しでフラフープのような輪っかを回したとき、どこか1カ所が重たいと、グワングワンと回転にムラが出るのは体験したことがあるかもしれない。また、自転車のスタンドを立てて、ペダルを手で回すと同じようなことになることがある。そもそも車輪が歪んでいることもありうるが、タイヤやホイールの一部分が軽かったり、重たかったりすることが原因のことも多い。
じつは自動車のタイヤ&ホイールでも同じことが起きていて、バランスが崩れていると、ある一定速度域でステアリングがブルブルと震えたりするし、あまりにひどいと走っていられないほどひどい状態になったりする。こうならないためにも、タイヤ&ホイールの全周が重さ的にパランスが取れている必要があって、それを機械にかけて測定するのがホイールバランスで、結果に合わせて釣り合いが取れるように鉛のおもりを貼り付けてバランスさせる。もちろんすべての車輪分行う必要があって、その作業代がバランス代というわけだ。
定期的にチェックすることで快適なドライブを楽しむことが可能
最近は鉛のおもりは見た目の問題から、両面テープで貼るタイプが主流になり、貼る場所も内側がほとんど。以前のような表のリム部分にかしめて付けるのは減ってきている。また測定機の性能も上がって、外周のどの部分にどれだけというのはもちろん、内側と外側でもバランスを測定してくれる機械が多くなってきている。
実際、そんなにずれているのかと思うかもしれないが、ずれていることがほとんど。測定したけど、タイヤとホイールを組んだ状態で問題なしというのはあまりない。タイヤはゴムだけに重量をバランスさせて作るのは難しいし、ホイールも精度がよければいいが、なかには崩れていることもある。また大径になるほど、バランスは崩れやすい。
そもそもホイールには空気を入れるバルブが付くので、その時点でそこだけ重たくなり、バランスは崩れる。そのため、タイヤについている黄色い丸印は軽点といって、タイヤのなかで一番軽い部分を示している。こことバルブを組み合わせることで少しでもバランスを取るようにするのが基本。ちなみにラジアルランナウトと呼ばれる赤い丸もあるが、こちらは一番出っ張っているところで、ホイール側の一番くぼんでいるところを示す、ボトムマークと合わせるのが基本となる。
いずれにしても、タイヤとホイールどちらも製品状態でバランスは均一でなく、それらを組み合わせることで、キッチリと合っている可能性は低いというのが実際だ。タイヤ交換のときには測定して、必要に応じてウエイトで調整する作業は必要なので、スムースな走りのためにもケチってはダメ。また走っているうちに、摩耗やウエイトの脱落などで狂うことがあるので、こだわるなら定期的に測定&調整を行うといい。
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