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売れ筋SUVの見た目が変化? 都会派からワイルド系へ回帰した背景とは

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売れ筋SUVの見た目が変化? 都会派からワイルド系へ回帰した背景とは

■SUVなのにスポーティ? 都会派SUVの特徴とは

 2019年11月に発売されたトヨタの小型SUV「ライズ」は、日本自動車販売協会連合会が発表した2020年1月の登録車販売ランキングにおいて、販売台数1万220台を記録し1位を獲得。SUVとしては2年8か月ぶりの首位となりました。

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 前回SUVで首位を獲得したのは2017年4月のトヨタ「C-HR」ですが、じつはこの間に国産SUVのトレンドは大きく変わったといいます。いったい、どのような変化があったのでしょうか。

 トヨタ「C-HR」は、2016年12月に発売された小型SUVです。全長は4.4m弱で、トヨタとして第二弾となるTNGAプラットフォームを採用。コンセプトカーがそのまま市販化されたような洗練されたデザインと優れた走行性能にこだわったモデルとして登場しました。

 SUVのデザインといえば、アウトドアシーンに似合うワイルドな雰囲気が重視されるモデルもありますが、トヨタはC-HRではスピード感を感じさせるスポーティ寄りなデザインとしています。

 C-HRのデザインについて、トヨタは次のように説明しています。

「コンパクトSUV市場は、他市場に比べ内外装デザインを重視するお客さまが多いため、デザインにも徹底的にこだわっています。

 とくに、外観デザインは、デザイナーの想いをそのままの形で実現することを目指して開発しました。

『センシュアル スピード-クロス』をキーワードに、スピード感あるキャビン形状・彫刻的な面造形・ダイヤモンドをモチーフに強く絞り込んだボディと大きく張り出したホイールフレアの対比など、独創的なスタイルを追求しています」

 SUVでありながらスポーティで都会的な雰囲気を持つC-HRは、発売後たちまち好評となり、前述のとおり2017年4月の登録車販売ランキングで首位となったほか、2017年の登録車年間販売ランキングでは総合4位(SUV1位)を獲得しました。

 トヨタの販売店スタッフも、2017年頃の状況について「(当時)新車SUV市場をけん引してきたのは、スタイリッシュな都会派クロスオーバーであるC-HRや、(同じく都会派な)ホンダ『ヴェゼル』などのモデルでした」と話します。

 SUVのデザインにワイルド感を求めるユーザーも少なくありませんが、2017年当時の売れ筋SUVは都会派寄りのデザインだったといえるでしょう。

 その後、C-HRは2019年10月に初のマイナーチェンジを受けました。

■都会派SUVとワイルド系SUVが共存? 群雄割拠の2020年SUV市場

 C-HRの登録車販売ランキング首位獲得から約2年半が経った2020年1月、前述のとおりトヨタの小型SUV「ライズ」がランキング首位となりました。

 ライズは全長が4mを切るボディサイズで、C-HRよりさらにコンパクトなSUVです。ライズの登場によって、トヨタのSUVラインナップの末っ子はC-HRからライズへ変わりました。

 なお、ライズの開発はトヨタの子会社であるダイハツが担当していることから、ライズはダイハツ「ロッキー」のOEMモデルという立ち位置となります。

 ボディには、TNGAのダイハツ版といえるDNGAプラットフォームを採用。小さなボディからは想像できない広い室内と、レジャーでの使い勝手を重視したユーティリティ性の高さが特徴です。

 そんななか、ライズの外観デザインを見ると、C-HRやヴェゼルのデザインとは異なりスクエアでワイルドな印象を持ちます。

 ライズのデザインについてトヨタは「『力強く! 新しい! アクティブスタイル』をコンセプトにしており、全長3995mm、全幅1695mmのコンパクトサイズでありながら、大径タイヤと張り出したフェンダーにより、SUVらしく堂々と踏ん張り感のあるシルエットを表現しています。

 角張ったバンパーコーナー形状や台形ロアグリルにより、力強さとワイド感を表現したフロントビューも特徴です。5ナンバーサイズでありながら、SUVらしいスタイルとしました」と説明しています。

 ライズは、同じく登録車で販売首位となった実績を持つC-HRとは大きく印象が違いますが、SUVにおけるデザインの流行が変化したのはいつ頃なのでしょうか。

 じつは、2019年4月にはライズよりワイルドなミドルサイズSUVとしてトヨタ「RAV4」が発売されています。

 RAV4は世界初の4WDシステムの採用など、悪路における操縦安定性も追求されていますが、デザイン面においてもフロントバンパーをはじめボディ各所がゴツゴツとした印象で、アウトドアシーンにもよく似合う外観です。

 RAV4は登録車販売ランキングで首位を獲得するには至っていないものの、C-HRなどのコンパクトSUVより高額であるにも関わらず、2019年5月のランキングでは7位(SUV1位)を獲得。ワイルド系SUVが支持を集めた格好となっています。

※ ※ ※

 都会派なデザインのSUVと、“SUVらしさ”を強く強調したワイルド系のSUVが共存するのがSUV市場の現状ですが、食い合いは生じないのでしょうか。

 RAV4やライズと比べてデビュー年がもっとも古いC-HRについて、トヨタの販売店スタッフに聞くと、「RAV4やライズの登場で少なからずC-HRのお客さまは両車に流れたかとは思います。

 しかし、コンセプトはそれぞれ異なっていますので、2019年10月におこなわれたデザインや安全・走行性能などの改良(マイナーチェンジ)によって、元々C-HRを好むお客さまには良いアピールが出来ると考えています」とコメントします。

 そして実際に、2020年1月におけるSUVの販売ランキングを見ると、1位ライズ(総合1位)、2位RAV4(総合11位)、3位C-HR(総合17位)、4位ヴェゼル(総合18位)、5位ロッキー(総合21位)と、都会派SUVとワイルド系SUVが入り乱れる状況です。

 売れ筋モデルだけ見てもさまざまなモデルから選択できる現在のSUV市場は、ユーザーにとってもメリットが大きいといえるでしょう。

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みんなのコメント

5件
  • ジムニーの成功に活路を見出だした感がある。そこは抜け目ない。他のメーカーのヒットの背景を読み取るのはタダで出来ることだからね…
  • トヨタのミニバンの「オラオラ顔」とSUVの「凶悪犯顔」、コンパクトの「肉食魚顔」はいい加減勘弁してほしい。

    こんなのが増えると街や道が殺伐とする。

    トヨタはSUVの「凶悪犯顔」を増やす気かよ・・・・・・


※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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