現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【燃費悪いならエンジン車でいいんじゃない?】ハイブリッドの「うま味」が感じられないクルマ3選

ここから本文です

【燃費悪いならエンジン車でいいんじゃない?】ハイブリッドの「うま味」が感じられないクルマ3選

掲載 更新 5
【燃費悪いならエンジン車でいいんじゃない?】ハイブリッドの「うま味」が感じられないクルマ3選

 そもそも電動化は環境性能確保のための施策

 クルマの電動化トレンドは加速・拡大する一方です。当面、エンジンはなくならないと言われていますが、それでもほとんどのクルマが電気モーターとエンジンという2つの動力を持つハイブリッドになることは既定路線といえます。そして電動化は、主にCO2排出量を低減するための方策で、それは気候変動に対して自動車業界に課された規制に適応するためといえます。また、ユーザー側としてはハイブリッドを選ぶことで燃費コストの低減が見込まれます。だから、人気を集めているわけですし、増えているのです。

【疑問】ハイブリッドカーや電気自動車のバッテリーは劣化しないのか?

 そんなハイブリッドカーですが、なかにはそれほど燃費性能に貢献していないモデルもあったりします。燃費だけがハイブリッドのウマ味というと語弊があるかもしれませんが、ここではハイブリッドの燃費メリットがそれほど感じられない3モデルを国産ブランドからピックアップしてみました。

 1)SUBARU e-BOXER

 まず、紹介したいのはスバルの「e-BOXER」と呼ばれるマイルドハイブリッドシステムを搭載したフォレスターとXVです。この「e-BOXER」、トランスミッション内に10kW薄型モーターを置き、リチウムイオン電池で駆動するというマイルドハイブリッド。エンジンルームに目をやると、それ単体でもマイルドハイブリッドとして機能するISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)&専用鉛バッテリーが確認できます。積極的にモーターだけで走るタイプではなく、あくまでモーターはエンジンのアシストに徹するタイプのハイブリッドとしては最高級なタイプといえるのです。

 しかしながら、燃費性能ではEV走行も可能なフルハイブリッド(ストロングハイブリッド)には敵いませんし、実際の燃費をみてもガソリン車との違いが圧倒的というほどではありません。アシスト用モーターとISGを併用したハイブリッドシステムと思うと、少々期待外れといえる環境性能だと感じてしまうのです。

 しかし、スバルe-BOXERはそもそも燃費ばかりを考えたハイブリッドではありません。フォレスター、SUBARU XVというクロスオーバーSUVに求められる悪路走破性に、モーターならではの繊細な駆動特性をもって寄与するハイブリッドシステムなのです。燃費に過大な期待をすると「ウマ味がない」と思ってしまうかもしれませんが、SUVとしての走りを際立たせるためのモーター駆動を持つパワートレインと考えれば納得できる仕上がりです。だからこそ「e-BOXER」という名前をつけているのです。

 運動性能確保のためにモーターを使用するモデルも

 2)ホンダNSX

 さらに、モーターによる走りを特徴的に感じることのできる唯一無二の存在がホンダNSXでしょう。ミッドシップ・レイアウトのパワートレインは3.5リッターV6ツインターボを軸にしたもので後輪は9速DCTを介して駆動。その中に薄型モーターを組み込むことでトラクションのコントロールやリニア感の向上などにつなげています。

「スポーツハイブリッドSH-AWD」と名付けられた、このシステムの肝はフロントの駆動系です。左右独立モーターは、駆動と回生ブレーキを巧みに操ることで、従来のクルマとはまったく異なるハンドリングを実現しているのです。ナチュラルな味つけもできれば、モーター制御でしか実現できないセッティングもできるという特性を理解してドライビングしていけば、まるで左右の手がそれぞれフロントタイヤとつながったかのような、異次元の人馬一体が感じられるのです。この独特の走り味が2420万円という価格で購入できるというのは適正価格といえるかもしれません。

 NSXを購入しようというユーザーであれば、こうしたメカニズムの特性は理解した上で、契約書に印を押しているでしょうから釈迦に説法ですが、ハイブリッドだからといって燃費に期待するタイプのクルマではないのです。あくまでスポーツドライビングのためのハイブリッドシステムです。

 WLTCモード燃費は10.6km/Lとはいえ、V6ツインターボと3つのモーターをあわせたシステム出力427kW(581馬力)を誇ります。スーパースポーツとしては優秀な燃費性能といえます。このカテゴリーのなかにおいてはハイブリッドという記号に期待する環境性能を備えたモデルというべきなのかもしれません。

 3)スズキSWIFT HYBRID RS

 スズキの人気モデル「スイフト」には二種類のハイブリッドシステムが用意されています。ひとつはスズキ独自の5AGS(5速AMT)に10kWのモーターをインストールすることで、AMTのギクシャク感をスムースに変身させ、また変速ギヤのチョイスによりEV走行も可能というシステム。もうひとつはISGとリチウムイオン電池を組み合わせた、本当に簡易的なマイルドハイブリッドです。前者のシステムを積むグレードが「HYBRID SL」、後者を積むのが「HYBRID RS」です。

 モーター出力からするとアシスト型のマイルドハイブリッドに感じる「HYBRID SL」ですが、実際に運転してみるとモーターのリニア感と、中身はMTそのままといえるAMTのダイレクト感があいまってハイブリッドというよりはEVに近いドライブフィーリングがあります。市街地走行レベルであればモーターをエンジンがアシストするといった感触さえあるほどで、新鮮な乗り味を実現しています。

 その好印象のまま、同じようなハイブリッドシステムだと思って「HYBRID RS」に乗ると、だいぶ違うと感じることでしょう。こちらはISGだけを使った、本当に簡易的なハイブリッドで減速エネルギーのよって溜めた電気を発進時のアシストなどに使うというもの。電気駆動の存在感は希薄で、走行フィーリング自体はガソリンエンジン車となんら変わらないといえます。ちなみに、JC08モード燃費を比べると、「HYBRID RS」は27.4km/L、「HYBRID SL」は32.0km/L。エンジンは基本的に同じK12C型1.2リッター直列4気筒となっていますから、この差はハイブリッドシステムの差といえます。

 もともと燃費性能は悪くないスイフトですから、燃費のためにハイブリッドを選んだユーザーが失望するようなことはないでしょうが「HYBRID SL」の評判を聞いて「HYBRID RS」を買ってしまうと「あれ、なんか違うぞ」と思ってしまうかもしれません。

こんな記事も読まれています

タナベのローダウンスプリング「SUSTEC NF210」に『スペーシアカスタム』の適合が追加
タナベのローダウンスプリング「SUSTEC NF210」に『スペーシアカスタム』の適合が追加
レスポンス
全長4.4mの人気コンパクトSUV 日産・新型「キャシュカイ」欧州で登場 変更されたフロントグリルは「サムライの鎧」をイメージ!?
全長4.4mの人気コンパクトSUV 日産・新型「キャシュカイ」欧州で登場 変更されたフロントグリルは「サムライの鎧」をイメージ!?
VAGUE
マツダ「新型“最上級”ステーションワゴン」!? まさかの「復活」に期待の声も! 次期「MAZDA6“ワゴン”」予想CGが「カッコイイ」と反響集まる
マツダ「新型“最上級”ステーションワゴン」!? まさかの「復活」に期待の声も! 次期「MAZDA6“ワゴン”」予想CGが「カッコイイ」と反響集まる
くるまのニュース
【MotoGP】ホンダは苦境でも、ザルコは「悲観的になる必要はない」と前向き。改革の効果出るのはまだ先?
【MotoGP】ホンダは苦境でも、ザルコは「悲観的になる必要はない」と前向き。改革の効果出るのはまだ先?
motorsport.com 日本版
マットモーターサイクル、新モデル『DRK-01』受注開始
マットモーターサイクル、新モデル『DRK-01』受注開始
レスポンス
2024スーパーGT第2戦『FUJI GT 3 Hours RACE』参加条件
2024スーパーGT第2戦『FUJI GT 3 Hours RACE』参加条件
AUTOSPORT web
やってはいけない「マフラー交換」5例。「爆音」「落下」「黒焦げ」など本当にあったダメなカスタムをお教えします
やってはいけない「マフラー交換」5例。「爆音」「落下」「黒焦げ」など本当にあったダメなカスタムをお教えします
Auto Messe Web
WEC第2戦、7号車トヨタが今季初勝利、巧みな戦略でポルシェの追い上げを退ける。8号車トヨタも5位入賞 【イモラ6時間決勝】
WEC第2戦、7号車トヨタが今季初勝利、巧みな戦略でポルシェの追い上げを退ける。8号車トヨタも5位入賞 【イモラ6時間決勝】
Webモーターマガジン
たった9台の激レアなアルファロメオTZ3! V10 OHVエンジン搭載のその中身はなんと「ダッジバイパー」だった!!
たった9台の激レアなアルファロメオTZ3! V10 OHVエンジン搭載のその中身はなんと「ダッジバイパー」だった!!
WEB CARTOP
ブラックのベントレーウイングが印象的なベントレー・ベンテイガの特別仕様車が登場
ブラックのベントレーウイングが印象的なベントレー・ベンテイガの特別仕様車が登場
カー・アンド・ドライバー
ロイヤルエンフィールド INT 650 発売、価格は94万7100円より…ブラックアウトの「DARK」を新設定
ロイヤルエンフィールド INT 650 発売、価格は94万7100円より…ブラックアウトの「DARK」を新設定
レスポンス
いまの若者にも「パブリカ」の偉大さを伝えたい! いまの大ヒット車「ヤリス」に繋がるご先祖が「超国民思い」のクルマだった
いまの若者にも「パブリカ」の偉大さを伝えたい! いまの大ヒット車「ヤリス」に繋がるご先祖が「超国民思い」のクルマだった
WEB CARTOP
写真の中のセナが蘇る? アイルトン・セナ没後30年を偲ぶ【オートモビルカウンシル2024】
写真の中のセナが蘇る? アイルトン・セナ没後30年を偲ぶ【オートモビルカウンシル2024】
くるくら
”宙ぶらりん”の来季WRCレギュレーション。変更望むFIAにマニュファクチャラーが反発か
”宙ぶらりん”の来季WRCレギュレーション。変更望むFIAにマニュファクチャラーが反発か
motorsport.com 日本版
スズキ新型「高級SUV」発表! 「絶対“スピード違反”させないマシン」搭載! 900万円超えの「アクロス」伊に登場
スズキ新型「高級SUV」発表! 「絶対“スピード違反”させないマシン」搭載! 900万円超えの「アクロス」伊に登場
くるまのニュース
驚くほど快適になった!──新型ランドクルーザー250シリーズ試乗記(速報)
驚くほど快適になった!──新型ランドクルーザー250シリーズ試乗記(速報)
GQ JAPAN
先端を交換できる「差し替え式ピックツール」が発売!
先端を交換できる「差し替え式ピックツール」が発売!
バイクブロス
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「CES2024などに見るSDV・HMIやAI統合に向けたグローバルトレンド」
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「CES2024などに見るSDV・HMIやAI統合に向けたグローバルトレンド」
レスポンス

みんなのコメント

5件
  • 確かにNSXはハイブリッドのわりにマクラーレンとか911ターボと燃費大差ないからなぁ
    出力同じででもシンプルなつくりで軽いスポーツカーと結局同じじゃちょっとね
  • 燃費のいいのは3000cc以上の高級外車だな
    悪いのは貧乏軽とディーゼル
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索
NSXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村