■近年は、SUVでも街乗りメインへ
最近のクルマは、タイヤが巻き上げる泥や汚れを防ぐためのマッドガード(泥除け)が装着されていないものが多くなってきました。かつては、ボディタイプに関わらず採用されていたマッドガードは、なぜ減少しているのでしょうか。
カッコ悪かった「きのこミラー」なぜ減った? SUV・ミニバンの突起ミラーが消えた理由
ひと昔前まで、マッドガードはよく見かける装備のひとつでした。SUVやオフロード向けの車種だけでなく、スポーツカーやセダンにも装備され、機能性はもちろんデザイン面でも人気がありました。
マッドガードは、ゴムや樹脂の素材を使用しているため軽量で弾力性があり、破損しにくいといった特徴があります。
前後タイヤの後方に取付けられており、土や砂利の道を走行した際は、泥や小石の跳ね返りによる傷を防ぐほか、雨の日は泥水や水しぶきによる汚れを防いでくれる役割を果たします。
また、自分のクルマだけでなく対向車や歩行者にも同様の効果を発揮。装備には保安基準を満たす必要があり、車幅からのはみ出しは片側1cm未満となっています。最低地上高ではマッドガード部分は測定範囲外となっていますが、地面に擦りながら走行したり、低すぎて走行に支障をきたす場合は不合格となるようです。
売れ筋のトヨタ「RAV4」やコンパクトSUVのホンダ「ヴェゼル」、PHEV車の三菱「アウトランダーPHEV」、スズキ「ジムニー」など最近のSUVモデルでは、標準装備として設定されず、オプション設定としてあるのみです。
減少傾向にある理由について、大手自動車メーカーの広報スタッフは次のように話します。
「昨今、低燃費が重視されている自動車業界では、燃費を悪化させる装備は次々と改良されています。
マッドガードを装着した場合、足回りの空気抵抗が増えます。さらに、スピードが出るほど燃費への影響は大きくなるため、SUVといえど街乗りがメインの現代では、必要不可欠な装備とはいえません。
また、デザイン面において、後ろから見た際にマッドガードがあるよりない方がスッキリ見せられるということがあるほか、最近のリアバンパーのデザインはボリューム感あるものもあり、バンパー自体がマッドガードの役割を果たすことが可能です。
さらに、近年のSUVはかつての本格的なRVというよりは、クロスオーバーなオンロード向けのコンセプトを持つモデルがほとんどです。恐らく各社とも必要性や合理性を考えた結果、標準装備ではなくオプションで選択できるようになっているのだと思います」
※ ※ ※
かつては、SUVの定番アイテムだったマッドガード。直近では、オフロード色が強いデザインや装備の人気が出てきてはいますが、マッドガードへの再注目までは至っていないようです。
■減少傾向でも採用するモデルとは
市販されているSUVのなかでも全グレードにマッドガードを採用し続けているのは、トヨタ「ランドクルーザー」、「ランドクルーザープラド」、「ハイラックス」です。
ランドクルーザーシリーズは、世界各地の過酷な環境でも走り切る性能を持ち、1951年に登場したトヨタ「ジープ BJ シリーズ」以来、約70年の歴史と実績を誇るモデルです。そのため、マッドガードはいまでも標準装備されるべきアイテムだといえます。
では、最近の新型車にオプション装備でマッドガードを検討する人はどれほどいるのでしょうか。トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。
「オプション装備でも、マッドガードを装着するお客さまほとんどいません。当店で私が知っている範囲では、2019年4月にRAV4が登場してから現在(2020年1月時点)までで、2名から3名ほどです。
装着されたお客さまもキャンプやスキーに頻繁に行くという方でした。街乗りがメインのお客さまは、マッドガードの話さえ出ません」
※ ※ ※
街乗りメインのSUVでは、もはやマッドガードの存在さえ忘れられつつあるようです。
では、雪国に住むユーザーはどうでしょうか。汚れた雪がボディーに跳ね返ることを防止できるため、装備率は高そうに思えます。北海道の中古車販売店スタッフは、以下のように話します。
「一見、汚れを防ぐため有効に見えますが、マッドガード付近の隙間に雪が溜まって余計に汚く見えることがあります。
さらに、溜まった雪が放置されると、凍結防止剤に含まれる塩分で錆が発生しやすくなります。マッドガードのデザインが好きで手入れを怠らない人にしか、オススメできない装備です」
では、どのようなユーザーがマッドガードを装着するのでしょうか。関東のカスタム専門店のスタッフは以下のように話します。
「オフロード走行が趣味、というお客さまであればマッドガードを本来の目的で使っています。しかし、SUVではなくセダンやステーションワゴン、ミニバンにデザイン的な理由で付ける人が多いです」
※ ※ ※
最近のクルマは、スタイリッシュで高級感のあるデザインが人気となる傾向があり、イメージに合わないマッドガードは存在が薄まりつつあり、ランドクルーザーのようなモデル以外では、オプション設定からも姿を消してしまう可能性もあるかもしれません。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ええ、セダンなのに6人乗り?! しかも超絶未来っぽいやん内装!! アメリカからやってきたプロナードがイカす
ホンダが新型「軽バン」発売!“ 柱無い”斬新モデル、反響は? 6速MT&CVTの「N-VAN」136万円から
新東名は“3年後”に全線開通!? 「あと少し…」でも2度延期なぜ? 反響は? 最後の25km「未完成区間」とは
トヨタ“新”「カローラ」発表! めちゃ精悍エアロに「上質内装」採用! 「スポーティな走り」の新「ACTIVE SPORT」 ベースモデルとの違いとは
「新大阪駅ほぼ直結高速」実現間近? 新御堂筋の“ぐるぐるランプ”が見えてきた 「淀川左岸線」万博の準備着々
みんなのコメント
自分も無し車を3年前に買ったが、あまりにもリアへの跳ね上げが多くてボディが汚れるから、買って半年で付けた。