■最近、滅多に聞かなくなったクルマ用語とは!?
流行語があるように、クルマに関連する用語でも流行りがあり、以前は普通に使われていた言葉が別の表現に置き換わっていたりすることがあります。
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たとえば、AT車に使用される「トルクコンバーター」を略して「トルコン」といいますが、AT車のことをトルコンと呼んでいたころがあり、いまでは「AT」や「オートマ」に換わっています。
そこで、最近は滅多に聞かなくなったクルマ用語を5つピックアップして紹介します。
●第3のエコカー
一般的に「エコカー」と呼ばれているクルマは、二酸化炭素や窒素酸化物などの排出量が少ない低燃費なクルマのことで、「環境対応車」とも呼ばれます。
エコノミーでエコロジーであることからエコカーと総称され、排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車に対し、性能に応じて自動車重量税と自動車取得税などを免税・軽減する「エコカー減税」も制度化さました。
そんなエコカーの主流は、エンジンとモーターを搭載するハイブリッド車やモーターのみのEV、もしくはクリーンディーゼル車ですが、これらとは違うアプローチのエコカーが存在します。
それは、従来からのガソリンエンジンを改良し、ハイブリッド車並の低燃費を実現したクルマのことで、「第3のエコカー」と呼ばれていました。
徹底した軽量化や低燃費エンジン、アイドリング・ストップ機能などを採用した初代ダイハツ「ミライース」は、メーカー自らが第3のエコカーとアピールしており、ライバルのスズキ「アルト」も、低燃費化に特化した「アルト エコ」を発売して追従します。
しかし、ハイブリッド車と比較するとパワー不足が否めないことや、低燃費グレードは限られていて選択肢が少なかったことなどから、現在では第3のエコカーというフレーズを耳にすることは無くなりました。
●フルトリム
自動車用語で「トリム」と言えば、内装に使用されている内張りの総称です。
たとえば、ドアに使われている内張りはドアトリム、ピラー部分の内張りはピラートリムと呼ばれ、静粛性や断熱性、質感の向上のために内装のすべてを内装材で覆った状態を「フルトリム」と呼んでいました。
昭和までは、小型車の低価格グレードや軽自動車では、内装の一部は鉄板がむき出しの状態となっているものが多く、すべてが内装材で覆われていないことから「ハーフトリム」と呼ばれました。
各メーカーとも、ハーフトリムよりも高級感があることをアピールするため、フルトリムという言葉を使っていましたが、近年では一部の商用車を除いて、ほぼすべてのクルマがフルトリムであることから、使われることがなくなりました。
ただし、現在も商用車の内装のカスタマイズをおこなう架装業者では、高級感の演出や静粛性向上のために車室に内張りを追加することを「フルトリム化」と呼び、商品化されています。
●ハイパー○○
クルマ用語だけでなく、日常であまり聞かなくなった言葉に「ハイパー」があります。
ハイパーは英語で「上」や「超越」、「向こう側」などを意味し、日本人が会話などで用いる「超」や「スーパー」よりも、さらに強い表現です。
別の単語を組み合わせて使う複合語で、米国では毎月50%を超える急激に進行するインフレーションを「ハイパーインフレーション」、日本でも消防局で特別高度救助隊を「ハイパーレスキュー隊」と呼ぶなどの使われ方をされています。
クルマの場合ではホンダが、1982年に発売したホンダ「シティターボ」のパワーユニットを「ハイパーターボ」、同じくシティに搭載された、2段副変速機付きトランスミッションを「ハイパーシフト」と名付けました。
また、日産は1990年代にトルクコンバーター付きのCVTを「ハイパーCVT」と名付け、2000年に登場した小型EVコミューターは「ハイパーミニ」という車名です。
現在は、ダイハツ「ムーヴ カスタム」のグレード名にハイパーを使用しているくらいで、自動車関連では滅多に耳にすることがなくなりました。
■空気をせき止めるものとは!?
●エアダム
クルマの空力性能を表す要素のひとつに「CL値」があります。これはクルマを浮き上がらせようとする揚力係数の略記号で、数値が小さいほど高速走行時に安定性が高いクルマとなります。
そのため1970年代ごろのレーシングカーではフロントの接地力を向上させる目的で、走行時の車体下面への空気流入をダムのようにせき止め、優れたCL値を実現する「エアダム」(エアダムスカート)を装着していました。
かつて、日産「サニー」「スカイライン」やトヨタ「セリカ」「カローラ」などのカスタマイズにエアダムが流行したこともあります。
後に市販のエアロパーツが一般的になり、フロントバンパーと一体式になった大型のスポイラーを「フロントバンパースポイラー」、バンパー下部に装着するものを「チンスポイラー」(チンは顎の意味)や「リップスポイラー」と呼ぶようになり、エアダムという言葉を聞くことはなくなってしまいました。
●2ボックス、3ボックス
クルマのボディ形状を表す用語で、仕切られたスペースの数を数字と「ボックス」で表していた時期がありました。
現在も商用バンを「1ボックス」と呼びますが、当時はトランクを持たないハッチバック車を「2ボックス」、セダンなどキャビンスペースと遮断されたトランクを有するものを「3ボックス」と呼びました。
1980年代を中心に、メーカーもハッチバック車を発売すると2ボックスという言葉を普通に使っていましたが、現在では「コンパクトカー」に集約されているようです。
さらに、1ボックスの前輪を車体前方にレイアウトして、短いボンネットを持つセミキャブオーバータイプのボディを「1.5ボックス」と表現していたこともありましたが、こちらは完全に聞かなくなってしまいました。
※ ※ ※
5つ挙げた例以外にも、中古車情報雑誌などの掲載で「CS」と書かれているものがありましたが、昭和の頃は「カーステレオ」(またはカセットステレオ)を表す表示でした。
現在ではカーオーディオの多機能化により「USB入力端子」や「Bluetooth接続」などの表記の方が目立つようになって、カーステレオという言葉も聞かなくなっています。
時代の流れにあわせてクルマに求められる機能が換わっていくのと同様に、これからも用語はどんどん変わっていくでしょう。
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みんなのコメント
(短くても)鼻付きであろうが前輪が運転席前方にあろうが、「キャブオーバー」「セミキャブオーバー」は「エンジンと運転席の【位置関係】」で区別する用語だろ?